クロームのカスタマイズでできること|表示と操作の変更方法
クロームのカスタマイズと聞いて最初に思い浮かぶのは、テーマの色や背景の画像だろう。ところが毎日Gmail・Slack・Notionを行き来している人にとって、効く順番は逆になる。見た目を整えても、タブが30個並んで目的のページを探している状態は変わらない。ここでは設定画面のどこに何があるのかを地図の形で示したうえで、表示を変える操作と、動作と注意の向きを変える操作を分けて並べる。触る順番を決められるようにするのが目的である。
カスタマイズを「表示」と「動作」に分けると、触る順番が決まる
クロームの設定項目は、大きく2種類に分かれる。ひとつは表示の調整で、テーマ、ブックマークバーの表示、フォントサイズ、アドレスバーの位置などがこれに当たる。もうひとつは動作の調整で、起動時に開くページ、検索エンジンの割り当て、パフォーマンス設定、プリロードが含まれる。
表示の調整は変えた瞬間に結果が見えるので満足感が高い。ただし作業が速くなるかというと、効果は限られる。一方で動作の調整は、変えても画面の見た目はほとんど動かない。効いているかどうかは数日使ってみてから分かる。起動のたびに同じ5個のページを手で開いていた人が、起動時の設定を変えて毎朝の操作を省けるようになる、という形で表れる。
順番としては、動作の調整を先に済ませるほうが無駄がない。表示の好みは動作が落ち着いてからでも変えられるが、毎日繰り返している操作は、放っておくと何百回も繰り返されてしまう。この記事も動作側に多くの行数を割く。
デフォルトでの設定でも十分使えるブラウザですが、一歩踏み込んだカスタマイズを行うと、使い勝手が向上し、見た目もオシャレになります。本記事では、PC版 Chromeの利便性のよくなる設定と、デザインの変更方法について解説いたします。使用したOSは「Windows 11 pro 23H2」Chromeのバージョンは「120.0.6099.71(Official Build) (64 ビット)」です。 出典: oldnote.net
設定画面のどこに何があるかを先に把握する
設定は右上のその他アイコンから開き、左側の一覧で分野を選ぶ構造になっている。カスタマイズに関わる分野は次の4つに集まっている。
- デザイン。テーマ、ブックマークバーの表示、ホームボタン、フォントサイズとページのズーム。Macの場合は「タブ マウスオーバーのプレビュー カードにメモリ使用量を表示する」もここにある
- パフォーマンス。メモリセーバー、常にアクティブにするサイト、ページをプリロードする、パフォーマンスの問題に関するアラート
- 起動時。新しいタブページを開く、前回開いていたページを開く、特定のページまたはページセットを開く
- 検索エンジン。既定の検索エンジンの変更と、サイト内検索のショートカットの管理
分野の名前と項目の位置を覚えておくと、記事や動画で見かけた設定をすぐ探せる。逆に、どの分野にも見つからない項目は、拡張機能か実験的な機能である可能性が高い。プロファイルに関する設定だけは例外で、設定画面ではなく右上のプロフィールのアイコンから入る。ここを知らないまま設定画面を探し続けると時間を使うことになる。
表示を変える操作は、変えた結果がその場で見える
テーマはChrome ウェブストアで配布されているものを適用でき、背景と配色が入れ替わる。仕事用と個人用でプロファイルを分けている場合、プロファイルごとに違う配色を割り当てておくと、いまどちらの窓を見ているのかを色で判別できる。プロファイルの追加時に名前と写真とテーマカラーを選べるようになっているので、この使い方は公式の想定に沿っている。
ブックマークバーの表示は、常時表示にするか、新しいタブページだけに出すかを選べる。バーに並べる数が15個を超えると名前が読めなくなるので、名前を短く編集するか、フォルダにまとめる形になる。
フォントサイズとページのズームは、サイト側の指定より優先される設定として用意されている。画面の解像度が上がった環境では、既定のままだと本文が小さく見えることがある。文字を大きくするとレイアウトが崩れるサイトもあるため、ズームを全体に効かせるか、フォントサイズだけを上げるかは、よく見るサイトで確かめてから決めるとよい。アドレスバーの位置を変える設定も用意されており、片手で操作する端末では上下どちらに置くかで押しやすさが変わる。
起動時に開くページの設定が、毎朝の操作を減らす
起動時の選択肢は3つある。新しいタブページを開く、前回開いていたページを開く、特定のページまたはページセットを開く、である。公式ヘルプはこの3つを別々の手順として説明している。
毎朝決まった4個のサービスを開いているなら、特定のページを開く設定に登録しておけば、起動するだけで揃う。登録は「新しいページを追加」でアドレスを入れるか、いま開いているページをそのまま使う「現在のページを使用」を選ぶ。後から編集と削除もできる。
前回開いていたページを開く設定は、作業の続きから始めたい人に向いている。ただしCookieとデータが保存されていれば、以前にログインしたサイトが再表示される点が公式ヘルプに明記されている。共用の端末や、画面を人に見せる機会が多い環境では、この挙動を踏まえて選ぶ必要がある。自動でログイン状態に戻したくない場合は、サイトの設定にある「すべてのウィンドウを閉じるときに、サイトによりデバイスに保存されたデータを削除する」をオンにする方法がヘルプに書かれている。
検索エンジンの割り当ては、いちばん体感が変わるカスタマイズ
アドレスバーは検索窓としても働くが、どの検索先に飛ばすかを自分で増やせる。設定の検索エンジンから「検索エンジンとサイト内検索を管理する」を開き、サイト内検索の欄で追加する。入力する項目は3つで、検索エンジンの名前、アドレスバーに打つショートカットの文字列、検索結果ページのアドレスである。アドレスのうち検索語句の部分を「%s」に置き換える形式が公式ヘルプで説明されている。
社内のドキュメント検索、自社サイトの管理画面の検索、辞書サイトなど、1日に何度も使う検索先を登録しておくと、サイトを開いてから検索欄をクリックする手順が省ける。ショートカットの文字列は2文字程度に短くしたほうが打ちやすい。
既定の検索エンジンそのものも変更できる。一部の国では起動時に選択を求められる仕組みになっており、後から設定の検索エンジンで変更できると案内されている。なお、開いているタブ、ブックマーク、閲覧履歴のショートカットは編集や無効化はできるが削除はできない、という制限もヘルプに書かれている。設定を整える前に、できることとできないことを読んでおくと迷いが減る。
動作側のカスタマイズは、パフォーマンス設定に集まっている
パフォーマンスの分野には、タブの扱いを変える設定が並んでいる。中心になるのがメモリセーバーで、使っていないタブを無効化し、アクセスし直したときに自動で再読み込みする仕組みである。非アクティブにするまでの長さは3段階から選べる。
| 段階 | タブが非アクティブになるまで |
|---|---|
| 適度 | 長時間経過してから |
| バランス重視(推奨) | 最適な時間が経過してから |
| 最大 | 短時間経過してから |
再読み込みを待つのが嫌な相手は、常にアクティブにするサイトの除外リストに登録できる。追加の方法は、開いているタブから選ぶ方法と、アドレスを手で入れる方法の2通りが用意されている。手で入れる場合の書式は「[scheme://][.]host[:port][/path][@query]」で、ドメインの前にドットを付けるとサブドメインを除外対象から外せる、という説明がヘルプにある。
設定とは別に、いま何が重いのかを見る道具もある。その他のツールからタスク マネージャを開き、メモリ使用量の列で並べ替えると、使用量の多いタスクが上に来る。ページをプリロードする設定は閲覧と検索を速くするための項目で、こちらもパフォーマンスの分野にある。
非アクティブにできないタブがあることを知っておく
メモリセーバーをオンにしても、すべてのタブが対象になるわけではない。公式ヘルプは、パソコンの設定や実行中の内容によって非アクティブにできない場合があるとして、具体的な条件を挙げている。
- 音声や動画の再生、通話が動いているタブ
- 画面共有をしているタブ
- ページ通知を出しているタブ
- ダウンロードが動いているタブ
- フォームに途中まで入力があるタブ
- 固定タブ
- USBまたはBluetoothで接続済みのデバイスを使っているタブ
この一覧を見ると、会議アプリや通知を出し続けるアプリをタブで開いている限り、メモリセーバーの効果が届かない範囲が残ることが分かる。設定を最大にしても軽くならないと感じる場合、原因はこの条件に当たっているタブが並んでいることが多い。
つまり、設定でできるのは「使っていないタブを畳む」ところまでで、使い続けているタブの数そのものには手が届かない。カスタマイズの限界はここにある。
拡張機能で広げる範囲と、広げないほうがよい範囲
設定画面に無い機能は、拡張機能で足りることが多い。タブの一覧を一覧表にする、広告を抑える、画面の配色を反転させるといった道具が公開されている。追加と削除は、右上のその他アイコンから拡張機能を選び、拡張機能を管理の画面で切り替える。
広げるときに気を付ける点が2つある。ひとつは数である。公式ヘルプは動作を速くする手順の中で、使っていない拡張機能を無効にするか削除することを項目として挙げている。常駐する拡張機能はそれぞれが処理を持つため、入れた数だけ動作に反映される。もうひとつは役割の重なりである。同じ役割の拡張機能を2つ入れると、表示が崩れたときにどちらが原因なのかを切り分けられなくなる。
線引きの目安としては、設定画面で同じことができるなら設定を使い、できないことだけを拡張機能に任せる形になる。配色の変更やタブの整理は設定側にも手段があるので、拡張機能に頼る前に設定を確かめたほうが後の管理が楽になる。仕事で使う端末では、権限の広い拡張機能をいくつも入れる構成そのものが管理の対象になることもある。入れる本数を5個程度に抑えておくと、後から原因をたどれる状態を保てる。
タブの数が減らないときは、窓の分け方を変える
設定で打てる手を打ち切ってもタブが減らないなら、次に動かす対象は設定ではなく作業の入れ物になる。毎日開いているサービスが10個を超えている場合、それらは閉じられないタブとして常駐している。固定タブにしても数は変わらず、非アクティブ化の対象からも外れる。
ここで使われているのが、Webアプリをまとめるブラウザという道具立てである。サービスごとに専用の入れ物を割り当て、タブの列ではなくサイドバーや窓の単位で行き先を選ぶ。アプリごとに独立したワークスペースを持たせる考え方で、同じサービスを複数アカウントで開いても互いのログイン状態が混ざらない。この分け方が何をどう変えるのかは、機能を並べたできることと、分け方そのものを説明したワークスペースを読み比べると把握しやすい。
道具を検討する段階では、自分が毎日開くサービスが対応しているかどうかが先に問題になる。対応の一覧は使えるアプリにまとまっている。同種の製品どうしでどこが違うのかを条件ごとに並べた資料としてはWaveboxとの比較やShiftとの比較のような1対1の比較が読みやすく、費用の条件だけを先に知りたい場合は料金に金額と無料で使える範囲が書かれている。導入前に出やすい疑問はよくある質問に集まっている。
判断の順番としては、まずクロームの設定でできるところを終わらせ、それでも1日に何度も同じサービスを探しているなら入れ物を変える、という並びになる。設定を触らずに道具を替えると、道具のせいか設定のせいかが分からなくなる。
よくある質問
クロームのカスタマイズはどこから始めるとよいですか?
起動時に開くページの設定から始めると効果が分かりやすい。毎朝手で開いているページを登録しておけば、起動するだけで揃うようになる。次に検索エンジンのサイト内検索のショートカットを登録し、テーマやフォントサイズなど見た目の調整は最後に回すと、作業時間の削減につながりやすい。
メモリセーバーは最大にしておけばよいですか?
最大にすると短時間でタブが非アクティブになり、その分だけ再読み込みの待ちが増える。推奨はバランス重視で、待ちが気になるサイトは常にアクティブにするサイトの除外リストに登録する使い方が公式ヘルプで案内されている。音声や動画が動いているタブなど、そもそも対象外になる条件もある。
拡張機能を入れればカスタマイズの幅は広がりますか?
広がるが、数が増えると動作が重くなる側面がある。公式ヘルプは動作を速くする手順の中で、使っていない拡張機能を無効にするか削除することを挙げている。入れる数を絞り、同じ役割の拡張機能を重ねないほうが、後から原因を切り分けやすい。
設定を変えてもタブが多すぎる状態は直りませんか?
設定でできるのは使っていないタブを畳むところまでで、開き続けているサービスの数には届かない。毎日10個以上のサービスを行き来しているなら、サービスごとに入れ物を分ける道具に移すほうが効く。まず設定側を終わらせてから道具を検討する順番が、原因の切り分けの面で有利になる。