Chromeのお気に入りをバックアップする|復元までの手順

Chromeのお気に入りをバックアップしたい理由は、たいてい差し迫っている。端末を入れ替える、アカウントを移す、同期の挙動が怪しい、のどれかである。手順そのものは数クリックで終わるが、書き出したファイルをどこに保存するのか、復元したときにどこへ入るのか、プロファイルが複数あるときに何が対象になるのかを知らないまま進めると、戻したはずのブックマークが見つからない状態になる。ここでは書き出しから復元までを順番に並べ、途中で引っかかる場所を先に示す。

同期がオンでも、バックアップは別に必要になる

Googleアカウントでログインしていれば、ブックマークはアカウントに保存され、ログインしている他の端末でも同じ内容が使える。ここで誤解が生まれやすい。同期は複数の端末で同じ状態を保つ仕組みであって、過去の状態を保管する仕組みではない。フォルダをひとつ削除すれば、その削除も同期先に伝わる。

バックアップを作成しておくことで、別のGoogleアカウントに同じブックマークをインポート(データの入力)することが可能になります。Google Chromeを開くと、最上部に横に並ぶ「バー」があり、上から「タブバー」「アドレスバー」「ブックマークバー」と並んでいます。 出典: jemtc-study.net

引用のとおり、別のアカウントへ移すという用途では同期では代われない。会社のアカウントから個人のアカウントへ移すとき、あるいは学校のアカウントが使えなくなる前に手元へ取り出すときは、ファイルとして書き出す方法が要る。

バックアップが効くのはもうひとつの場面でもある。フォルダを整理していて100件近いブックマークを一気に並べ替えたあと、元の構成に戻したくなることがある。書き出したファイルが手元にあれば、整理前の構成を読み直せる。

HTMLファイルに書き出す手順

公式ヘルプが案内している書き出しの手順は次の通りである。

  1. パソコンでChromeを開く
  2. 右上のその他アイコンから、ブックマークとリスト、ブックマーク マネージャの順に選ぶ
  3. 上部のその他アイコンを選び、ブックマークをエクスポートを選ぶ
  4. 保存先を選んで保存する

これでChromeからブックマークがHTMLファイルとして書き出される。書き出されるのはブックマークバーの内容だけではなく、その他のブックマークに入っているものやフォルダの階層も含まれる。

これで Chrome からブックマークが HTML ファイルとして書き出されます。このファイルを使って、別のブラウザにブックマークをインポートします。 出典: support.google.com

ファイル名は既定の名前のままでも保存できるが、複数回バックアップを取るなら日付を入れておくと後で選びやすい。書き出しに時間はかからず、ブックマークが1,000件あってもファイルの容量は数百キロバイトに収まる程度である。

書き出したファイルの中身と、保存先の決め方

書き出されたファイルはHTML形式で、ブラウザで開くとリンクの一覧として読める。テキストとして開けば、フォルダの構造がそのまま入れ子のリストになっていることが分かる。特別な形式ではないため、Chrome以外のブラウザでも読み込める。逆に、他のブラウザから書き出したHTMLファイルをChromeへ読み込むこともできる。

保存先は、端末の入れ替えを前提にするなら本体の中だけに保存しない形にする。クラウドの保存先か、外付けの保存先へ写しておく。端末が使えなくなった状況でバックアップだけ本体に残っていても取り出せない。

頻度は、ブックマークを整理する習慣に合わせる。日々追加していく使い方なら月に1回、たまにしか触らないなら大きな整理をする前だけでも用は足りる。前回のファイルを削除せずに3世代ほど残しておくと、どの時点まで戻すかを選べるようになる。

プロファイルのデータそのものを控えたい場合は、Chromeのユーザーデータのフォルダに置かれているBookmarksという名前のファイルが該当する。macOSでの保存場所はホームフォルダの下のLibrary、Application Support、Google、Chromeという階層で、Chromiumの公開資料に記載がある。ただしこの方法はChromeのバージョンや内部形式に依存するため、通常の用途ではHTMLファイルへの書き出しのほうが扱いやすい。

復元の手順と、インポートしたブックマークが入る場所

復元は書き出しの逆をたどる。ブックマーク マネージャを開き、左上の管理から、HTMLファイルからブックマークをインポートを選び、保存したファイルを読み込む。別の経路として、右上のその他アイコンからブックマークとリスト、ブックマークと設定をインポートを選び、ファイルを選択する方法も案内されている。

ここで知っておく必要があるのは、読み込んだブックマークがどこに入るかである。公式ヘルプはChromeにブックマークがまだ無い場合と、すでにある場合とで入る場所が変わると書いている。まだ無い場合はブックマークバーに表示され、すでにある場合は新しいフォルダにまとめて追加される。既存の並びの中に混ざって入るわけではない。

この挙動は、復元したのに見当たらないという混乱の原因になりやすい。バーを見て「戻っていない」と判断する前に、ブックマーク マネージャの左側でフォルダの一覧を確認する。読み込みを2回実行すると同じ内容のフォルダが2つできるため、同じファイルを重ねて読み込まないように注意する。重複ができたときは、フォルダごと削除すれば元の状態に戻せる。

別のブラウザやアカウントへ移すとき

別のブラウザへ移す場合も、経由するのは同じHTMLファイルである。Chromeから書き出したファイルを移行先のブラウザで読み込む。逆方向も同じで、FirefoxやSafariなど多くのブラウザからブックマークをインポートできると公式ヘルプに書かれている。移行元のブラウザで示される手順に沿ってHTMLファイルとして書き出し、Chrome側で読み込む流れになる。

アカウントを移す場合は、順番を決めておくと安全である。まず移行元のアカウントでログインした状態のままHTMLファイルを書き出す。次に移行先のアカウントでログインし、読み込む。ログアウトを先にしてしまうと、同期の対象から外れたブックマークが手元でどう見えるかが状況によって変わるため、書き出しを先に済ませるほうが確実である。

パスワードについては別の仕組みが用意されている。Chromeのパスワード マネージャーを使って他のアプリからパスワードをインポートできるとヘルプに記載があり、ブックマークのHTMLファイルとは別の経路になる。ブックマークだけ移してログイン情報が付いてこないという状況は、この違いから生じる。

プロファイルを複数使っているときに対象になるもの

仕事用と個人用でChromeのプロファイルを分けている場合、ブックマークはプロファイルごとに独立している。書き出しの操作は、いま使っているプロファイルの内容だけを対象にする。3つのプロファイルを使っているなら、書き出しの操作も3回必要になる。

ここは見落としやすい。ひとつのプロファイルで書き出したファイルを見て、登録したはずのブックマークが入っていないと感じる場合、別のプロファイルに登録されている可能性が高い。プロファイルの切り替えは右上のプロフィールのアイコンから行う。

もうひとつ重い注意点がある。公式ヘルプは、Chromeからプロファイルを削除するとそのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどの設定がパソコンから削除されると明記している。プロファイルを整理する前には、そのプロファイルでブックマークを書き出しておく。削除の確認画面まで進んでから思い出しても間に合わないことがある。

書き出す前に整理したほうが、戻すときに楽になる

バックアップは現状をそのまま写す作業なので、散らかった状態を写せば散らかった状態が戻る。書き出しの直前に短い整理を挟むと、復元したあとの使い勝手が変わる。

見るのは3点である。ひとつ目は重複で、同じページが別のフォルダに入っていることがある。ブックマーク マネージャの検索欄にサイト名を入れると同じ行き先がまとまって表示されるので、片方を削除する。ふたつ目は行き先が失われたリンクである。サービスの移転や終了でアドレスが変わっていると、戻したあとに開けないブックマークとして残る。ふだん開かないフォルダに50件単位でたまっていることがある。3つ目はフォルダの名前で、後から自分が探せる語になっているかを見る。プロジェクトの略称や社内の呼び方は、数年後には手がかりにならない。

整理と書き出しの順番については、整理を先にする形と、先に現状を書き出してから整理する形の両方に利点がある。大きく構成を変えるなら、変更前の状態を1本残しておくほうが安全である。ブックマーク マネージャの並べ替えは元に戻す操作が効かない場面があるため、控えを取ってから着手する。

スマートフォンのブックマークとの関係

同じGoogleアカウントでログインしていれば、スマートフォンのChromeにもブックマークが同期される。一方で、HTMLファイルへの書き出しと読み込みはパソコンのChromeで用意されている操作であり、スマートフォンの画面には同じ項目が無い。

このため、実務上の流れはパソコンを起点にする。パソコンで書き出して保管し、必要になったらパソコンで読み込む。読み込んだ内容はアカウントを通じてスマートフォンにも反映される。スマートフォンだけを使っている状況でバックアップを取りたい場合は、いったんパソコンのChromeに同じアカウントでログインしてから書き出す形になる。

別の端末で同じアカウントを使っている場合、読み込みの影響が他の端末にも及ぶ点は押さえておく。読み込んで増えたフォルダは、同期を通じて他の端末にも現れる。試しに読み込んでみるという操作が全端末に反映されるため、確認のための読み込みは、同期をオフにしたプロファイルか、新しく作ったプロファイルで行うほうが安全である。

アカウントを行き来している人は、バックアップの前に構成を見直す余地がある

プロファイルごとに書き出す作業が3回必要になる状況は、日々の操作でも同じ回数だけ切り替えが起きているということでもある。ブックマークが分散しているのは、アカウントが分散していることの写しに近い。

サービスごとに専用の入れ物を持たせるWebアプリをまとめるブラウザという道具立ては、この分散を別の形で扱う。アプリごとに独立したワークスペースを割り当てるため、同じサービスを複数のアカウントで開いてもログイン状態が混ざらず、行き先はブックマークの並びではなくサイドバーの項目として固定される。何がどう変わるのかはできることと、分け方そのものを説明したワークスペースに整理されている。

検討に入るときは、毎日開くサービスが対応しているかを先に見ることになる。対応の一覧は使えるアプリにある。似た製品のあいだで条件がどう違うのかはWaveboxとの比較やRamboxとの比較のように1対1で並べた資料が読みやすく、無料で使える範囲と金額は料金に書かれている。残る疑問はよくある質問に集まっている。

順番としては、まず今のブックマークをHTMLファイルとして書き出して手元に確保する。構成を変えるのはそのあとでよい。控えが無い状態で入れ物を移すと、戻す先が無くなる。

よくある質問

同期をオンにしていればバックアップは不要ですか?

同期は複数の端末で同じ状態を保つ仕組みで、過去の状態を保管する仕組みではない。フォルダを削除すれば同期先でも削除される。別のGoogleアカウントへ移す用途にも同期は使えないため、HTMLファイルへの書き出しを別に取っておく形になる。

書き出したファイルはどこに保存すればよいですか?

端末の入れ替えに備えるなら、本体の中だけに保存しない。クラウドの保存先か外付けの保存先へ写しておく。ファイル名に日付を入れて3世代ほど残しておくと、どの時点まで戻すかを選べる。容量は数百キロバイト程度で、保存先を選ぶうえでの負担にはならない。

復元したのにブックマークバーに出てきません。どこにありますか?

Chromeにすでにブックマークがある状態で読み込むと、既存の並びには混ざらず新しいフォルダにまとめて追加される。ブックマーク マネージャを開き、左側のフォルダの一覧を確認する。同じファイルを2回読み込むと同じ内容のフォルダが2つできるため、重複した場合はフォルダごと削除する。

プロファイルを削除するとブックマークはどうなりますか?

公式ヘルプは、プロファイルを削除するとそのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどがパソコンから削除されると明記している。削除の前に、そのプロファイルでブックマークを書き出しておく。書き出しは操作中のプロファイルだけが対象になるため、プロファイルの数だけ実行する必要がある。

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