Chromeのメモリの使用量が多いとき|使用量の多いタブを調べる

Chromeのメモリの使用量が多いと気づくきっかけは、だいたい他のアプリが重くなったときである。動画の書き出しが進まない、会議アプリの音が途切れる、といった形で表に出る。ここで先に必要なのは設定の変更ではなく、どのタブが使っているのかを特定することである。使用量の内訳を見ないまま設定を触ると、効いたのか効いていないのかが分からなくなる。この記事では調べる手順を先に置き、そのうえで打てる手を順番に並べる。

使用量が多いこと自体は、故障を意味しない

前提を揃えておく。複数のタブを開いたブラウザがメモリを多く使うのは、設計上そうなるためである。

質問者のPC全体としての使い方で、今の状態が約50%だったというだけ。ブラウザでのクロームはメモリ使用が多いのは普通です。バグでもありません。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

判断の基準になるのは使用量の絶対値ではなく、他の作業が待たされているかどうかである。搭載容量16GBの端末で使用率が半分を超えていても、実際の作業が滞っていないなら手を入れる必要は薄い。逆に、搭載容量に余裕があるのに操作のたびに待ちが出るなら、原因はメモリ以外にある可能性もある。

先に見るべきなのは、他のアプリが影響を受けているかどうか、そして影響が出るのが特定のサイトを開いたときに限られるかどうか、という2点である。この切り分けができていれば、あとの作業は短い。

タブ1枚ごとに使用量が積み上がる理由

Chromeは、開いているページを1つのプログラムの中でまとめて処理していない。サイトごとに別のプロセスを立て、それぞれを制限された環境で動かしている。Chromiumの公開資料はこの仕組みをサイト分離として説明しており、異なるサイトのページは常に別のプロセスに入ると書かれている。目的は安全側にあり、あるサイトの不具合が他のサイトの情報に届かないようにするためである。

この設計の代償が使用量に出る。プロセスは互いに独立しているため、それぞれが土台となる領域を持つ。同じサイトを5個のタブで開いた場合と、違うサイトを5個のタブで開いた場合では、後者のほうが積み上がりやすい。

加えて、ページ側の作りも効く。通知を受け続けるサービス、表を常に更新している管理画面、地図や動画を扱うページは、開いたまま放置しても処理を続ける。タブの数ではなく、何を開いているかで使用量が決まる場面はこのためである。拡張機能も同じで、常駐するものは独立して処理を持つ。使用量の内訳を見ると、タブとして見えていない項目が並んでいることがある。

どのタブが使っているのかを調べる

Chromeには内訳を見る道具が同梱されている。公式ヘルプが動作を速くする手順の中で案内しているのが、次の経路である。

  1. 右上のその他アイコンを選ぶ
  2. その他のツール、タスク マネージャの順に選ぶ
  3. メモリ使用量の見出しを選び、使用量の多い順に並べ替える
  4. 終了させたい項目を選び、プロセスを終了を選ぶ

並べ替えたあとに見るのは上位5行である。ここに並ぶのは、想像していたタブとは違うことが多い。ヘルプはヒントとして「バックグラウンド ページ」という項目を探すよう書いている。これは画面に見えていない処理で、拡張機能が持っていることがある。

プロセスを終了する操作には注意点がある。ヘルプは、そのタスクで保存していない作業内容は失われると明記している。入力途中のフォームや、下書きのまま送っていない文章があるタブを終了させると、その内容は戻らない。終了させる前に、対象がどのタブなのかをタスク マネージャの一覧で確かめる。

調べた結果を1回で終わらせず、時間を変えて2回見ると精度が上がる。朝の起動直後と、夕方の作業中では並び順が変わる。時間が経つほど上に来る項目が、開いたままにしているサービスである。

タブの一覧で使用量を見えるようにする設定

毎回タスク マネージャを開くのが手間なら、タブにマウスを重ねたときに使用量を表示させる設定がある。設定の左側からデザインを選び、Macの場合は「タブ マウスオーバーのプレビュー カードにメモリ使用量を表示する」をオンにする。Windows、Linux、Chromebookの場合は、タブ マウスオーバーのプレビュー カードの項目の中に「タブのメモリ使用量を表示する」が用意されている。

この表示が効くのは、疑わしいタブに目星が付いているときである。タブを閉じる前に重ねて数字を見れば、閉じる価値があるかどうかを判断できる。

もうひとつ、タブの見え方に関わる設定として「アクティブでないタブのデザイン」がある。オンにすると、非アクティブになったタブのアイコンがリングの中に表示される。どのタブが畳まれているのかが一目で分かるので、次の節のメモリセーバーと合わせて使うと状態を把握しやすい。

メモリセーバーで、使っていないタブを畳む

設定の左側からパフォーマンスを選ぶと、メモリセーバーの項目がある。使っていないタブを無効化し、アクセスし直したときに自動で再読み込みする仕組みである。非アクティブになるまでの長さは3段階から選べる。

段階 非アクティブになるまで 向いている状況
適度 長時間経過してから 再読み込みの待ちを避けたい
バランス重視(推奨) 最適な時間が経過してから 判断を既定に任せる
最大 短時間経過してから 使用量を強く抑えたい

最大を選ぶと畳まれるタブが増える一方、戻ったときの再読み込みの回数も増える。表を見ながら作業する使い方では、読み込みの待ちが積み上がって逆に遅く感じることがある。

再読み込みを避けたいサイトは、同じパフォーマンスの画面にある「常にアクティブにするサイト」の除外リストへ登録できる。登録は開いているタブから選ぶ方法と、アドレスを手で入れる方法の2通りが用意されている。手で入れる場合、ホストの前にドットを付けるとサブドメインを除外の対象から外せる、という書式の説明が公式ヘルプにある。会議アプリや監視画面のように、畳まれると困るものだけを登録する使い方が扱いやすい。

メモリセーバーが届かない範囲がある

設定を最大にしても使用量が下がらない場合、非アクティブにできない条件に当たっているタブが並んでいる。公式ヘルプは、パソコンの設定や実行中の内容によっては対象外になるとして、次の条件を挙げている。

  • 音声や動画の再生、通話が動いているタブ
  • 画面共有をしているタブ
  • ページ通知を出しているタブ
  • ダウンロードが動いているタブ
  • フォームに途中まで入力があるタブ
  • 固定タブ
  • USBまたはBluetoothで接続済みのデバイスを使っているタブ

毎日使うサービスの多くは、この条件のどれかに当たる。通知を出すチャットは通知の条件に、会議アプリは音声と画面共有の条件に、常に開いておきたい管理画面は固定タブの条件に入る。つまり、メモリセーバーで畳めるのは「使っていないタブ」であって、「使い続けているタブ」には届かない。

固定タブが多い環境では、この点が効いてくる。閉じないために固定した結果、畳む対象からも外れる。固定を外して除外リストで管理する形に切り替えると、扱いが揃う。

拡張機能とプリロードを見直す

タスク マネージャの上位にタブ以外の項目が並んでいる場合、対象は拡張機能である。公式ヘルプは動作を速くする手順の第3段階として、使っていない拡張機能を無効にするか削除することを挙げている。経路は、右上のその他アイコンから拡張機能、拡張機能を管理の順である。

判断の基準は、直近1か月で使ったかどうかに置くと決めやすい。役割が重なっているものは片方に絞る。無効にした状態で数日使い、困らなかったものは削除する。無効と削除を分けて進めると、元に戻す判断ができる。

パフォーマンスの画面にある「ページをプリロードする」は、閲覧と検索を速くするための設定である。先に読み込む動きがあるため、使用量と速さのどちらを優先するかで選ぶ設定になる。合わせて、Chrome自体を最新版に更新する項目がヘルプの第1段階に置かれていることも押さえておく。更新は使用量の改善が入る経路でもある。

端末側で見える数字と、Chromeの中で見える数字は揃わない

macOSのアクティビティモニタでメモリの使用量を見ると、Chromeは1行では表示されない。実際に動いているプロセスを一覧すると、本体のほかに「Google Chrome Helper (Renderer)」という名前の行が何十行も並ぶ。ページの描画を担う部分がプロセスとして独立しているためで、前の節のサイト分離の説明と同じ話である。

ここで起きやすい誤解が2つある。ひとつは、1行の数字だけを見て「Chromeは少ししか使っていない」と判断することである。本体の行はブラウザの枠を動かす部分で、ページの中身は別の行に分かれている。もうひとつは逆で、行数の多さを見て異常だと考えることである。行が多いのは開いているサイトの種類が多いという意味であり、それ自体は設計どおりの状態である。

内訳をタブと結び付けたいなら、端末側の一覧ではなくChromeのタスク マネージャを使う。こちらはタブの名前と拡張機能の名前で並ぶので、どのサービスが上位なのかがそのまま読める。端末側の一覧は、Chromeと他のアプリのどちらが原因なのかを比べるときに向いている。用途で使い分けると、無駄な操作が減る。

タブを閉じる前に、行き先を残しておく

使用量を下げるいちばん確実な方法はタブを閉じることだが、閉じると戻れなくなるという不安が残ると手が止まる。公式ヘルプも動作を速くする手順の第2段階で、使っていないタブを閉じることを挙げており、Macのショートカットとして⌘+Wを示している。

戻れる形を用意してから閉じると判断が速くなる。ひとつはブックマークで、後で読むものをフォルダにまとめて保存してから閉じる。もうひとつはタブグループで、関係するタブをまとめて畳んでおくと、1つの見出しの下に折りたたまれる。畳んだだけでは開いている状態が続くので、使用量を下げたいなら保存してから閉じる形が要る。

閉じる判断の目安は、直近2日で触ったかどうかに置くと決めやすい。触っていないタブは、開いておく理由が「閉じる判断を保留している」ことだけになっている場合が多い。まとめて保存して閉じ、必要になったら開き直す。この運用にすると、メモリセーバーが畳める範囲も広がる。

使用量を抑えても、開きっぱなしのサービスの数は変わらない

ここまでの手を打つと、使っていないタブの分は畳める。それでも残るのが、常駐させているサービスである。メールとチャットと予定表と管理画面を開いたままにしているなら、その4個は非アクティブにできない条件に当たり続ける。

この残りに効くのは、設定ではなく入れ物の分け方である。Webアプリをまとめるブラウザは、サービスごとに専用の入れ物を割り当て、使っていない入れ物を休ませる形で扱う。アプリごとに独立したワークスペースを持たせるので、同じサービスを複数のアカウントで開いても互いのログイン状態が混ざらず、行き先がタブの列から独立する。仕組みの説明はできることとワークスペースにまとまっている。

検討に入る前に見ておくのは、自分が毎日使うサービスが対応しているかである。対応の一覧は使えるアプリにある。同種の製品どうしの条件の違いはWaveboxとの比較やFerdiumとの比較のような1対1の資料で読み取れ、無料の範囲と金額は料金に書かれている。残る疑問はよくある質問に集まっている。

進める順番は変えないほうがよい。タスク マネージャで内訳を見て、拡張機能を絞り、メモリセーバーを設定する。そこまでやって残った常駐サービスの数を数えてから、入れ物を替えるかどうかを決める。内訳を見ないまま道具を替えると、何が効いたのかを確かめられない。

よくある質問

Chromeのメモリの使用量はどのくらいなら問題ですか?

絶対値で線を引くのは難しい。搭載容量16GBの端末で使用率が半分を超えていても、他の作業が待たされていないなら手を入れる必要は薄い。判断の基準は、他のアプリが影響を受けているか、影響が特定のサイトを開いたときに限られるかの2点に置くとよい。

どのタブが使っているのかを調べる方法はありますか?

その他アイコンからその他のツール、タスク マネージャの順に開き、メモリ使用量の見出しを選んで並べ替える。上位に並ぶ項目が対象で、画面に見えない「バックグラウンド ページ」が混ざることもある。プロセスを終了すると保存していない作業内容は失われるため、対象を確かめてから実行する。

メモリセーバーは最大にすべきですか?

最大にすると短時間でタブが畳まれ、その分だけ再読み込みの待ちが増える。推奨はバランス重視で、畳まれると困るサイトは常にアクティブにするサイトの除外リストに登録する使い方が案内されている。音声や通話、画面共有、固定タブなど、そもそも対象外になる条件もある。

設定を変えても軽くなりません。次に何を見ればよいですか?

非アクティブにできない条件に当たっているタブが並んでいる可能性が高い。通知を出すチャット、会議アプリ、固定タブは対象外になる。拡張機能の数を絞り、Chromeを最新版に更新したうえで、常駐させているサービスの数を数える。その数が多い場合は、タブ以外の入れ物に分ける方向が残る。

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