Chromeの通知をMacで整理する|二つの層を切り分ける

MacでChromeを使っていて、通知が来ない日と、来すぎて手が止まる日が交互に訪れるなら、設定のどちらか一方しか触っていない可能性が高い。Chromeの通知は、Chromeの中の設定と、macOSの「通知」設定という二つの層を通ってから画面に出る。片方でオンにしても、もう片方で止まっていれば表示されない。

この記事では、その二層がそれぞれ何を決めているのかを公式の案内に沿って切り分ける。そのうえで、届かないときに見る順番と、設定を詰め切っても残る問題がどこにあるのかを整理する。Gmail・Slack・Notionのように、Webアプリを毎日行き来して仕事をしている人ほど、後半の話が効いてくる。

通知は二つの層を通ってから画面に出る

まず構造を押さえる。ここを曖昧にしたまま設定画面を往復すると、直したつもりの箇所が実は効いていない、という事態になる。

一つ目の層はChromeの中にある。どのサイトに通知を送る権限を与えるかを、サイト単位で決める層になる。Googleのヘルプでは、既定ではサイトやアプリや拡張機能が通知を送ろうとするたびにChromeが確認する、と案内されている。許可したサイトの一覧と、ブロックしたサイトの一覧がここに溜まっていく。

二つ目の層はmacOSの側にある。Macの「システム設定」にある「通知」では、アプリごとに通知を許可するかどうか、どんな見え方にするかを決める。Appleの案内では、アプリごとの項目として「通知を許可」「通知スタイル」「アプリケーションアイコンにバッジを表示」「通知音を鳴らす」「プレビューを表示」「通知のグループ化」が並ぶと説明されている。

問題は、この二層の粒度が揃っていないことにある。Chromeはサイト単位で考え、macOSはアプリ単位で考える。Chromeの中で20のサイトに通知を許可していても、macOSから見ればそれは「Google Chrome」という1つのアプリでしかない。集中したいときにmacOS側でChromeを黙らせると、期限の迫ったカレンダーの予定も、読み終えたニュースサイトの続報も、区別なく同時に消える。

Chrome側はサイト単位で細かく決められる

Chromeの中の設定は、細かさという点では充分に用意されている。届く通知を減らしたいときは、まずここから手をつけるのが順番として正しい。

既定の設定を変えるときは、右上のその他アイコンから設定を開き、プライバシーとセキュリティ、サイトの設定、通知と進む。この画面に、既定の動作を選ぶ欄と、サイトごとの一覧が並んでいる。

サイトを明示的に止めたいときは、「通知の送信を許可しないサイト」の横にある追加を選び、そのサイトのアドレスを入力する。逆に確実に受け取りたいサイトは、「通知の送信を許可するサイト」の側に追加する。すでに許可してしまったサイトは一覧に名前が残っているので、その行から取り消せる。

許可を求めるポップアップそのものが邪魔だという場合は、「静かな方法で通知する」を選ぶ。この設定では、サイトは通知の許可を求めることはできるものの、割り込みの形では表示されなくなる。代わりにアドレスの横にベルのアイコンが出るだけになり、必要だと判断したときにそれを選んで許可を与える形になる。

通知がうるさくて作業に集中できないときは、ChromeとmacOSの両方で通知を切る方法があります。ここではその両方のやり方をやさしく手順で紹介しますので初めてでも安心してください。まずはざっくりと特徴を把握しておくと切り替えがスムーズになります。 出典: mac.point-b.jp

Googleのヘルプには、通知の許可を与えた状態を定期的に見直すようChromeが促す、という記述もある。許可の一覧は放っておくと増える一方なので、増えた自覚がない人ほど一度開いてみる価値がある。手順の原文はChromeヘルプで確認できる。

macOS側はアプリ単位でしか効かない

macOSの側は、細かさではなく強さを担当している。Chromeの中でどう設定されていようと、macOS側で止めれば画面には出ない。

システム設定の「通知」を開くと、上部に通知センター全体の扱いがあり、その下にアプリの一覧が並ぶ。全体の扱いでは、プレビューを表示するかどうかを「常に表示」「ロックされていないときのみ」「表示しない」から選べる。加えて、ディスプレイがスリープ中のとき、画面がロックされているとき、ディスプレイをミラーリング中または共有中、という三つの状況それぞれについて、通知を一時停止するか許可するかを決められる。

画面共有をしながら打ち合わせをする機会が多いなら、ミラーリング中の項目は先に確認しておくとよい。共有した画面の右上に個人宛のメッセージの中身が出る事故は、この一項目で防げる。

一覧からGoogle Chromeを選ぶと、アプリごとの設定に入る。通知スタイルは「デスクトップ」「通知センター」「ロック画面」から選べて、さらに「一時的」か「持続的」かを指定できる。バナーが勝手に消えると見落とすという人は持続的に、目の端に入るだけでよいなら一時的に、という決め方になる。バッジと通知音も、ここで別々にオンオフできる。

通知のグループ化は「自動」「アプリケーション別」「オフ」から選ぶ。Chromeで多くのWebアプリを開いている場合、自動のままだとまとめられて中身が読みづらくなることがある。中身を見てから対応を決めたいなら、グループ化を切ったほうが判断が早い。

集中したい時間帯そのものを作るなら、集中モードを使う。Macでは集中モードをオンにしている間、選んだ相手やアプリ以外からの通知が届かなくなる。アプリごとの設定にある「重大な通知を許可」をオンにしておけば、集中モード中でも例外として表示させられる。詳しい項目名はAppleサポートの案内で確かめられる。

通知が届かないときに見る順番

来ないときの原因は複数あるので、上から順に潰す。順番を守ると、切り分けが早く終わる。

  • macOS側でGoogle Chromeの「通知を許可」がオフになっていないか。ここが切れていると、Chrome側で何をしてもバナーは出ない
  • 集中モードがオンになったままではないか。時間で自動的に入る設定にしていると、切り忘れではなく入りっぱなしになる
  • Chromeのサイトの設定で、そのサイトが「通知の送信を許可しないサイト」に入っていないか
  • そのWebアプリ自身の設定で通知がオフになっていないか。Chromeの許可とサービス側の設定は別物で、両方がオンで初めて届く
  • シークレットウィンドウで開いていないか。Googleのヘルプでは、シークレットモードで閲覧している間は通知を受け取らないと明記されている

最後の項目は見落とされやすい。普段使いのウィンドウとシークレットウィンドウを併用している場合、通知が来る日と来ない日の差がここで生まれていることがある。

逆に、来すぎて困っている場合も順番は同じで、上の層から絞る。まずmacOS側で通知スタイルを一時的に変えて表示の強さを下げ、そのうえでChromeのサイトごとの一覧を開き、心当たりのないドメインを許可側から外していく。許可した覚えのないサイトが並んでいることは珍しくない。一度の閲覧で許可してしまったニュースサイトや、キャンペーンの告知を出す通販サイトが、数か月後も通知を送り続けている形になる。

もう一つ、Chromeには悪質な通知への対処が組み込まれている。Googleのヘルプでは、誤解を招く通知や割り込みの多い通知を出すサイトを閲覧したとき、Chromeが自動的に通知をブロックし、そのままブロックし続けることを勧める、と案内されている。届かないサイトがある場合、意図して止めたのではなく、この仕組みが働いている可能性もある。

また、Webアプリの通知は、そのタブが開かれていることを前提にしている場合がある。タブを閉じてしまうと届かない種類の通知があることは、サービス側の案内にも書かれていることが多い。届かない原因をChromeとmacOSの中だけで探し続けても見つからないときは、サービス側の条件を先に読む。タブを閉じても届く仕組みを用意しているサービスもあれば、開いている間だけという条件のサービスもあり、この違いは道具の側では埋められない。

設定を詰めても残る、送り主が分からない問題

ここまでの設定を丁寧に詰めても、Webアプリを大量に開いている人の手が止まる原因は残る。原因は設定の中ではなく、置き場所の側にあるからだ。

通知を受け取ったとき、人が最初にする判断は「いま手を止めるかどうか」になる。その判断には、誰から来たのかと、どの仕事の話なのかが要る。ところがChromeにすべてのWebアプリを入れている状態では、macOSの通知センターに残る履歴の主はGoogle Chromeにまとめられる。どの会社のSlackから来たのか、どの案件のタスク管理から来たのかは、バナーの文面を読むまで分からない。

もう一つの問題は、同じサービスの複数アカウントで起きる。自社のアカウントと客先のアカウントを同じサービスで持っている場合、Chromeのサイト単位の設定はドメインで効くため、自社だけ通知を残して客先は止める、という分け方が作れない。プロファイルを分ければ分離できるものの、プロファイルの切り替えはウィンドウごと切り替わるため、片方を見ている間はもう片方が視界から消える。

通知を減らす方向だけで解こうとすると、今度は大事な連絡に気づかなくなる。実際に起きやすいのは、うるさいので全部切る、気づかないので全部戻す、という往復で、設定画面を開いた回数だけが増えていく状態になる。

窓の分け方から直すという選択肢

粒度が合っていないことが原因なら、粒度を合わせる方向に変える手がある。Webアプリを1つのブラウザのタブに積むのをやめて、サービスやアカウントごとに独立した入れ物に置く形になる。この種類の道具はアプリごとに独立したワークスペースを作るもので、アプリ集約ブラウザと呼ばれる分野にあたる。

置き場所を分けると、通知の扱いも変わる。どのサービスから来たのかが入れ物の単位で分かるため、対応の優先順位をバナーの文面を読む前に決められる。サービスごとの置き場所の考え方はワークスペースのページに、実際にどんな操作ができるのかはできることのページにまとめられている。手元で使っているサービスが対応しているかどうかは使えるアプリの一覧で確認できる。

同じ分野の道具は複数あり、料金も無料で使える範囲も異なる。比較の観点は道具ごとに整理されていて、Waveboxとの比較Shiftとの比較のページでは、それぞれの設計思想と止まりどころが並べられている。費用の目安は料金のページで、導入前によく出る疑問はよくある質問のページで確かめられる。

判断の基準は単純に置ける。1日のうちに、通知を見て手を止めた回数と、そのうち実際に対応した回数を数えてみるとよい。前者に対して後者が半分を切っているなら、足りないのは通知を減らす設定ではなく、開く前に判別できる見せ方のほうになる。Chromeとシステム設定の二層を詰める作業は、その見せ方が用意できている前提の上でこそ効いてくる。

よくある質問

Chromeで通知を許可したのに、Macの画面に出ないのはなぜですか?

macOS側でGoogle Chromeの「通知を許可」がオフになっているか、集中モードがオンになっている可能性が高いです。システム設定の「通知」でアプリの一覧からGoogle Chromeを選び、許可と通知スタイルを確認してください。どちらも問題なければ、Chromeのサイトの設定でそのサイトがブロック側の一覧に入っていないかを見ます。

Chromeの通知だけを一時的に全部止めることはできますか?

できます。macOSのシステム設定の「通知」でGoogle Chromeの「通知を許可」をオフにすると、Chrome側の設定に関係なく表示されなくなります。時間を決めて止めたい場合は集中モードを使い、例外として残したいものはアプリごとの「重大な通知を許可」をオンにしておく方法があります。

サイトごとに通知を許可したり止めたりする手順を教えてください。

Chromeの右上のその他アイコンから設定を開き、プライバシーとセキュリティ、サイトの設定、通知と進みます。「通知の送信を許可しないサイト」または「通知の送信を許可するサイト」の横にある追加を選び、サイトのアドレスを入力します。許可を求めるポップアップ自体を減らしたい場合は「静かな方法で通知する」を選びます。

同じサービスの仕事用と個人用で、通知を分けることはできますか?

Chromeのサイト単位の設定はドメインごとに効くため、同じサービスの二つのアカウントを設定だけで分けることはできません。プロファイルを分ければ分離できますが、切り替えるとウィンドウごと入れ替わります。アカウント単位で独立した入れ物を持つ形の道具を使うと、どちらから来た通知かを開く前に判別できるようになります。

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