Chromeのプロファイルの費用|無料でできる範囲
Chromeのプロファイルの料金を調べている人は、たいてい別のものの請求を見ている。プロファイルを作る機能そのものに値段は付いていないからだ。それでも検索されるのは、明細に出ている項目と、画面で起きていることの対応が付かないためになる。この記事では、無料で届く範囲、有料になる周辺の3種類、そして金額としては請求されないのに確実に払っているものを分けて並べる。どこに金が出ていくのかが分かれば、払うべきかどうかの判断は自分で付く。
機能そのものに値段は付いていない
Chromeのプロファイルは、ブラウザに最初から入っている機能になる。追加の購入も、上位版への切り替えも要らない。ブックマーク、履歴、保存したパスワード、拡張機能、サイトごとの許可、そしてログイン状態を持つCookieを、プロファイル単位で分けられる。ここまでが無料で届く範囲になる。
作成数の上限も公開されていない。実際、1台のMacに27個のプロファイルが並んでいる例がある。数を増やすことに課金が発生する作りではないため、上限は機能ではなく運用の側に出る。
Googleアカウントにログインして設定を同期する部分も無料になる。ブックマーク、パスワード、その他の設定が端末をまたいで揃うところまで、個人のGoogleアカウントで届く。別のMacに移ったときに環境を作り直さずに済むのはこの部分で、ここに料金は発生しない。
つまり、個人が仕事用と私用を分けたいだけなら、支払う先は存在しない。プロファイルの料金を調べて何も見つからないのは、情報が隠れているからではなく、無いからになる。
有料になるのは、プロファイルの外側にある3種類
では明細に出ている請求は何かというと、おおむね3つに分けられる。
1つ目は、Googleの業務向けプランの席になる。会社のドメインのメールアドレスを使っている場合、その裏では人数分の契約がある。これはメールやドライブや管理機能に対する支払いで、Chromeのプロファイル機能を有効にするための費用ではない。プランを上げてもプロファイルの作り方は変わらない。
2つ目は、企業向けのサポート契約になる。Googleは管理機能そのものと、サポートを別に扱っている。管理コンソールからブラウザを管理する仕組みについては、ヘルプに費用の扱いがはっきり書かれている。
Microsoft Windows、Apple Mac、Linux、iOS、Android の各種デバイスで動作する Chrome ブラウザを、クラウドベースの単一の管理コンソールで管理できます。追加料金はかかりません。 出典: support.google.com
同じページには、すでに業務向けプランのサポートを利用している場合は追加料金なしでこの管理機能のサポートも使えること、Google提供ドメインを使っている場合は専用のサポートを有料で利用できることが書かれている。つまり有料なのはサポートの側であって、管理の仕組み自体ではない。数百台を管理する情報システムの部門でない限り、ここは関係しない範囲になる。
3つ目が、第三者の道具になる。プロファイルの切り替えを速くする拡張機能、複数のセッションを1つの窓にまとめるブラウザ、パスワード管理、タブの整理。実際に毎月の明細に出るのはここが多い。金額は月額数百円から千円台の範囲に分布していて、買い切りの製品もある。
無料の裏側で、ディスクを払っている
請求書に出ないが確実に払っているものが2つある。1つ目がディスク容量になる。
プロファイルはそれぞれ独立したフォルダを持ち、その中にキャッシュ、拡張機能の実体、保存したデータ、インデックスが入る。実際のMacで測ると、開きはかなり大きい。日常的に使い込んでいるプロファイル1つが1.9GBまで育っている一方で、作っただけでほとんど触っていないものは7.5MBで止まっている。中間には500MB台から600MB台のものが並ぶ。
ここから読めることが2つある。まず、使っていないプロファイルはほとんど場所を取らない。「とりあえず作っておく」ことの費用は実質ゼロに近い。次に、常用しているプロファイルを増やすと、その数だけGB単位で増える。仕事用と取引先用と私用を全部常用しているなら、Chromeだけで数GBを占めている計算になる。
削除すれば戻るが、削除は取り消せない。そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどの設定がパソコンから消える。同期していればGoogleアカウント側に残るので戻せるが、ログインせずに使っていたプロファイルは消した時点で手元から無くなる。容量を空ける目的で消すときは、同期の有無を先に確認することになる。
同時に開く数だけ、メモリを払う
2つ目の見えない費用がメモリになる。Chromeはタブやサイトごとにプロセスを分ける作りなので、プロファイルを3つ開けば、常駐させているWebアプリの分だけプロセスが3系統立ち上がる。
分かりやすいのは同じサービスを重複して開いている場合になる。仕事用のプロファイルでGmailを開き、私用のプロファイルでもGmailを開いていれば、同じ重さのものを2つ動かしていることになる。Slack、カレンダー、Notionのようにタブを閉じずに置いておくサービスが3つあるとして、それを2つのプロファイルで開けば、常駐は6つ分になる。
ここが、プロファイルを増やすことの本当の上限になる。作る数に制限は無いが、同時に開いておける数には限りがある。実務上は3つ前後で頭打ちになりやすく、それを超えると、どの窓に何があるかを覚えておく負担のほうが先に効きはじめる。メモリに余裕のある機械でも、この負担は減らない。
対処としては、常駐させるプロファイルと、必要なときだけ開くプロファイルを分けておくことになる。全部を開けっぱなしにする前提をやめるだけで、体感はかなり変わる。
時間で払っている分を数える
3つ目の費用が時間になる。ここは見積もれる。
プロファイルの切り替えは、右上のアイコンを押して対象を選ぶ操作になる。しかも切り替えると窓が新しく開くため、使い終わった窓を閉じる操作が後ろに付く。この一連が1回あたり数秒。加えて、Cmd+Tabで戻ってきたときに目的の窓ではなかった場合の往復が入る。
回数は人によるが、仕事用と私用を行き来している人で1日20回、取引先のアカウントを含めて3系統を持っている人で40回といった水準になる。1回5秒として、40回なら1日200秒。月20営業日で67分になる。
この数字そのものより重要なのは、切り替えが集中を切っている点になる。作業の途中で窓を探す動作が入ると、戻ってきたときに同じ場所から再開できない。時間として測れる分は氷山の一角で、実際の損失は再開の遅れのほうに出る。
だから、月に数百円の道具を検討するかどうかは、この時間と比べて決めることになる。1日40回の切り替えが半分になるなら、金額の話は数分で片づく。逆に1日数回しか切り替えていないなら、無料の範囲で足りる。判断に必要なのは製品の比較ではなく、自分の切り替え回数になる。
月額と買い切りは、使う年数で入れ替わる
第三者の道具を入れる判断をするなら、支払いの形も見ておく必要がある。この分野には月額の製品と買い切りの製品が混在していて、どちらが安いかは使う年数で入れ替わる。
月額の製品は、開発が続いている限り新しい機能が届く。macOSは毎年更新され、Webアプリの仕様も変わるので、追随が止まった道具は数年で使えなくなる。月額はその追随に対する支払いという性格を持つ。一方で、使い続ける限り払い続けることになるので、3年使えば総額は3年分になる。
買い切りの製品は、初期の負担が大きい代わりに総額が確定する。ただし、その後の更新が含まれるかどうかは製品ごとに違う。メジャーバージョンが上がったときに再購入になる形もあれば、更新が続く形もある。契約の形を先に確認しないと、想定していた総額と合わなくなる。
どちらの形であっても、無料で試せる期間があるかどうかは効く。切り替えの回数が減るかどうかは、実際に自分の使い方で試さないと分からないためだ。支払いの形と試用の条件は料金に整理されている。
そして解約したあとに何が残るかも、契約前に見ておく項目になる。分けていたセッションが消えるのか、設定だけが残るのか、書き出せるのか。ここを確認せずに入れると、やめるときの費用が後から出てくる。
払う前に、どの層の問題かを決める
費用の話を整理すると、判断の順番は決まってくる。
まず、詰まっているのがブックマークと履歴とログイン状態の混在だけなら、支払いは発生しない。Chromeのプロファイルを分ければ終わる。無料で届く範囲の中で解決する話になる。
次に、会社の管理の都合でブラウザに制約をかけたい場合も、管理の仕組み自体は追加料金なしで配られている。ここで発生するのはサポートの費用であって、機能の費用ではない。
支払いを検討する意味があるのは、外側で詰まっている場合になる。リンクの行き先が毎回ずれる、通知がどのアカウントのものか分からない、窓が見つからない。これらはプロファイルの設定に項目が存在しないため、無料の範囲では届かない。Webアプリを1つの窓にまとめて使うブラウザという分類が扱っているのがこの層で、サービスごとに区画を固定するワークスペースという考え方がそれにあたる。何が個別に持てるのかはできることに、対応しているサービスの範囲は使えるアプリに出ている。
同じ分類でも価格の考え方は製品ごとに違う。常駐できるサービス数で段階を付けるもの、人数で課金するもの、機能で分けるものがある。その差はWaveboxとの比較とShiftとの比較、それにSidekickとの比較を並べると見えやすい。無料で使い続けられる範囲を持つ製品もあるため、まずそこで切り替え回数が減るかどうかを確かめてから、金額の話に進むのが順番になる。
よくある質問
Chromeのプロファイルを使うのにお金はかかりますか?
かかりません。プロファイルの作成、切り替え、削除はChromeに最初から入っている機能で、追加の購入は要りません。Googleアカウントで設定を同期する部分も個人のアカウントで無料です。料金が発生するのは、業務向けプランの席や企業向けのサポート、第三者の道具といった周辺になります。
プロファイルをたくさん作るとMacの容量を圧迫しますか?
使っていないプロファイルはほとんど場所を取りません。実測では、ほぼ触っていないものは7.5MB程度で止まる一方、日常的に使い込んでいるものは1.9GBまで育つ例があります。増えるのは常用しているプロファイルの分だけなので、圧迫するかどうかは数ではなく使用量で決まります。
Googleの業務向けプランを契約すると、プロファイルの機能は増えますか?
プロファイルの作り方や分離の範囲は変わりません。業務向けプランの支払いはメールやドライブや管理機能に対するもので、ブラウザを管理コンソールから管理する仕組み自体も追加料金なしと案内されています。有料になるのはサポートの側です。
有料の道具に切り替えるかどうかは、何を基準に決めればよいですか?
1日の切り替え回数を数えるのが早い方法です。仕事用と私用の往復だけで20回、取引先を含めて3系統なら40回といった水準になり、1回5秒なら月に1時間前後を使っている計算になります。その時間と月額を比べ、無料で試せる期間があるうちに回数が実際に減るかを確かめてから決めます。