MacでChromeが重いとき|Mac側とChrome側を切り分ける
MacでChromeが重いと感じたとき、最初にやるべきことは対処ではなく切り分けです。原因がMac側にあるのにChromeの設定を触っても戻りませんし、Chrome側にあるのにMacを整理しても変わりません。この記事では、どちらに原因があるのかを数分で見分ける方法を先に置き、そのうえでそれぞれの側で効く手順を、公式のヘルプに出ている名前のまま並べます。
どちらの側に原因があるかを、別のブラウザで確かめる
切り分けの起点になるのが、Macに最初から入っている別のブラウザで同じ画面を開いてみることです。そちらでも同じように鈍いなら、原因はMac側の余力にあります。そちらは快適なのにChromeだけが鈍いなら、Chromeが抱えている中身の側です。この1回の確認で、以降の手順が半分に絞られます。
道具の比較そのものを目的にした資料でも、この確かめ方が出発点として置かれています。
Safariへの切り替えを試してみましょう。いくつかのテストによると、SafariはChromeよりも20%程高速です。 そのほかにも、Mozilla FirefoxやOperaなどのMac向けの一般的なブラウザの選択肢もあります。 ただし、他のブラウザが使いにくいと感じるようであれば、タブや拡張機能を整理してみるのが得策です。 出典: macpaw.com
乗り換えを勧める文脈で書かれた比較ですが、後半の一文のほうが実務では重要です。使い慣れたブラウザを手放す前に、抱えている中身を整えるほうが手戻りが小さいという順番になります。乗り換えは、それを試したあとに検討する選択です。
Mac側の余力を見るときに開く場所
Mac側が原因だった場合、見るべき場所は決まっています。まず、動かしているアプリの数です。使い終わったアプリのウインドウを閉じても、アプリ自体は終了していません。Dockのアイコンの下に小さいドットが付いている状態が、まだ動いているという印です。終了させるにはcommandキーとqキーを押します。
応答が返らなくなったアプリがあるときは、optionキーとcommandキーとescキーで強制終了の画面を開けます。この組み合わせは、Appleが公開しているキーボードショートカットの一覧に載っています。
内訳を数字で見たい場合は、ユーティリティフォルダにあるアクティビティモニタを使います。ユーティリティフォルダは、Finderでshiftキーとcommandキーとuキーを押すと開きます。ここで、Chrome以外に重い処理を抱えているものがないかを見ます。同期の仕組みを持ったアプリ、バックアップ、更新の取得などが上位に来ているなら、Chromeは巻き込まれている側です。
Macユーザガイドには「ストレージ領域を最適化する」「Macのバッテリー駆動時間を最適化する」という項目が独立して並んでいます。ストレージの空きが乏しい状態や、電源につながずに長く作業している状態は、体感の鈍さとして出てきます。Chromeの設定を触る前に、この2つの状態を確かめておくと、原因を取り違えずに済みます。
外部ディスプレイをつないでいる場合も見ておく価値があります。表示する面積が広がるほど描画の仕事は多くなり、高い解像度のディスプレイを2枚つないだ状態では、1枚のときと同じ軽さにはなりません。外して比べると差が出るなら、原因はChromeではなく表示の負荷の側です。この確認も設定を変えずにできるので、切り分けの早い段階で試せます。
長く電源を入れたままのMacでは、起きているだけで積み上がるものもあります。動かしたまま忘れているアプリ、開いたままの書類、常に通信を続けている仕組みです。再起動で片付く場合もありますが、録画や配信のように止められない作業を走らせているなら、先に個別のアプリを終了させていくほうが安全です。切り分けとしても、どれを終了させたときに戻ったかが分かるため、原因の特定に繋がります。
Chrome側で効く手順は、公式ヘルプに並んでいる順に
Chrome側が原因だった場合、Googleのヘルプが動作を速くするための手順を4つの段階に分けて案内しています。順番は、更新する、使っていないタブを閉じる、不要なプロセスを無効にするか停止する、先読みの設定を見る、という流れです。
最初の更新は、見落とされやすいところです。表示の速さに関わる修正は更新に含まれて配られ、反映されるのは再起動のときです。何日も立ち上げたままなら、直っているはずの不具合を抱えたままになります。
2番目のタブを閉じる手順では、Macのキー操作としてcommandキーとwキーが案内されています。ヘルプには、開いているタブが多いほど動作は遅くなると明記されています。閉じた瞬間に軽くなるなら、抱えている量が効いていたということです。
3番目が内訳を見る手順です。右上のその他アイコンから「その他のツール」を開き、「タスク マネージャ」を選ぶと、動いているタブと拡張機能が行で並びます。「メモリ使用量」をクリックすると多い順に並べ替わります。ヘルプでは、行の中に「バックグラウンド ページ」という名前のものがないか探すよう案内されています。止めるときは行を選んで「プロセスを終了」を押しますが、そのタブで保存していない入力内容は失われます。
拡張機能を見直す手順も同じ段階に入っています。右上のその他アイコンから「拡張機能」、続いて「拡張機能を管理」を開き、使っていないものを無効にします。削除ではなく無効から始めると、効かなかったときに戻せます。
拡張機能は、数よりも割り込む範囲で効き方が変わります。特定のサイトだけで動くものは他の画面に影響しませんが、すべてのページの中身を読んで書き換えるものは、表示のたびに処理を足します。広告を止めるもの、見た目を整えるもの、翻訳するもの、パスワードを差し込むものが後者に当たります。同じ役割のものが二重に入っていると、同じ処理が二度走るため、役割ごとにひとつへ絞る作業が効きます。
4番目の先読みの手順は、設定画面の「パフォーマンス」にある「ページをプリロードする」に対応します。次に見る節で扱う設定と同じ場所なので、まとめて確かめると往復が少なくなります。
メモリセーバーとパフォーマンスの設定を使う
Chromeの設定画面には、重さを抑えるための項目がまとまっています。左側で「パフォーマンス」を選ぶと出てきます。
「メモリセーバー」は、使っていないタブを無効にして、アクティブなタブが滑らかに動くようにする仕組みです。無効になったタブに戻ると自動で読み込み直されます。強さは3段階で、「適度」は長い時間が経ってから、「バランス重視(推奨)」は中間、「最大」は短い時間で無効にします。
止まってほしくない画面は、同じ設定画面の「常にアクティブにするサイト」へ加えると除外できます。ヘルプによれば、音声や動画の再生中、画面共有中、記入途中のフォームがある場合、固定タブなどは、設定に関わらず無効化の対象から外れます。
「ページをプリロードする」は、これから開きそうなページを先に読み込む設定です。回線に余裕があるときは表示が速くなりますが、細い回線では逆に詰まります。外出先で急に鈍くなるなら、ここを切って比べる価値があります。
見え方を整える設定もあります。Macでは「デザイン」の中に「タブ マウスオーバーのプレビュー カードにメモリ使用量を表示する」という項目があり、タブにポインタを合わせたときに使用量が見えるようになります。重いタブを日常の動きの中で見つけられるので、タスク マネージャを開く回数が少なくなります。
効きにくい対処と、思い込みで疑われやすいもの
重いという症状に対して、効きにくい対処もあります。代表がブックマークの整理です。数が多いことそのものが遅さの原因になるという説明は、実態と合いません。
端的に言うと、アクセスしたり同期しない限り、遅くはなりません。 Redditユーザーの中には、1,000件以上のブックマークがあっても、Chromeのパフォーマンス低下を感じたことがないという人もいます。 出典: macpaw.com
閲覧データの削除も、最初に選ぶ手段には向きません。効くのは、保存されていたデータが壊れている場合や、特定のサイトで古い表示が残り続けている場合です。同時にログイン状態や入力の履歴も消えるため、切り分けが終わる前に使うと、あとで各サービスへ入り直す手間だけが残ります。
設定を初期の状態に戻す方法もヘルプに載っていますが、これは効き方が大きい代わりに、拡張機能や設定のやり直しが必要になります。ここまでの手順を全部通したあとの選択として扱うのが順番です。
もうひとつ疑われやすいのが、Chromeを入れ直すことです。入れ直しても、同期しているアカウントの設定と拡張機能は戻ってくるため、原因が拡張機能や設定の側にあった場合は同じ状態に戻ります。入れ直しで変わるのは本体のファイルだけなので、切り分けをせずに選ぶと、時間だけを使って同じ症状に戻ります。
疑う順番を決めておくと、この種の遠回りを避けられます。別のブラウザで比べる、Mac側の余力を見る、Chromeのタスク マネージャで内訳を見る、拡張機能を無効にして比べる、という4段階です。前の段で原因が確定したら、後の段は触らないで済みます。
開いている枚数が戻るなら、重さも同じ周期で戻る
ここまでの手順は、今日の重さを解くためのものです。ただ、切り分けて直したあと、数日で同じ状態に戻った経験を持つ人は少なくありません。理由は単純で、タブの枚数が増える理由に手が付いていないからです。
枚数が増えるのは、注意が散っているからではなく、置き場所が決まっていないからです。連絡の画面、案件の画面、調べるための画面が同じ帯の中に混ざっていると、どれも閉じられなくなります。仕事ごとに窓を分けて、その窓の中に出るものを決めておくと、帯そのものが短くなります。Webアプリを1つの窓にまとめて扱うブラウザは、この考え方を土台にしています。分け方の考え方はワークスペースに整理されています。
同じサービスを仕事用と個人用で使い分けている場合、1つのブラウザで切り替えるやり方だと、切り替えるたびに読み込みが走ります。アカウントごとに独立した入れ物を持てる形になっていれば、その読み込みが要りません。どのサービスをその形で扱えるかは使えるアプリに、機能の全体像はできることにまとまっています。
この分野には選択肢が複数あり、料金の形も対応しているサービスの範囲も異なります。事実を並べた比較としてはWaveboxとの比較とShiftとの比較、無償で使える仕組みを含めた見方はFerdiumとの比較にあります。費用の条件は料金、導入前に出やすい疑問はよくある質問で確かめられます。
切り分けて直す作業と、増え方を変える作業は別のものです。前者は今日の詰まりに効き、後者は来月の詰まりに効きます。同じ手順を月に何度も繰り返しているなら、手を付ける場所は設定ではなく置き方の側です。
よくある質問
MacとChromeのどちらが原因かを見分ける方法は?
Macに最初から入っている別のブラウザで、同じ画面を開いて比べます。そちらでも鈍いならMac側の余力、そちらは快適でChromeだけが鈍いならChromeが抱えている中身の側です。この確認は設定を何も変えずにできるため、対処を試す前の最初の1手として向いています。
ブックマークが多いと重くなる?
数そのものが原因になるという説明は実態と合いません。参照や同期が走らない限り速度には表れず、1,000件を超えていても低下を感じないという報告も紹介されています。重さを解くために整理する対象としては、タブの枚数と拡張機能のほうが先に来ます。
Chromeのタスク マネージャはどこから開く?
右上のその他アイコンから「その他のツール」を開き、「タスク マネージャ」を選びます。「メモリ使用量」をクリックすると多い順に並べ替わり、タブと拡張機能を同じ表で比べられます。止めるときは行を選んで「プロセスを終了」を押しますが、そのタブで保存していない入力内容は失われます。
何をしても数日で元に戻るのはなぜ?
タブの枚数が増える理由に手が付いていないからです。連絡・案件・調べものの画面が同じ帯に混ざっていると、どれも閉じられず、枚数は元の水準へ戻ります。仕事ごとに窓を分けて、その窓の中に出るものを決めておくと、増え方そのものが変わります。