Chromeのタブを整理する順番|増える原因から見直す
Chromeのタブ整理でつまずくのは、道具を知らないからではない。固定もタブグループもタブ検索もメモリセーバーも、名前は知られている。それでも週明けにはまた40個並んでいる。原因は、増える理由を分けずに、手前から順に片付けようとしているところにある。整理の効き方は当てる順番で変わるので、ここでは原因の切り分けから始めて、どの道具をどの順で当てるかを公式の仕様に沿って並べていく。
タブが増える理由は4種類に分かれる
並んでいるタブを1つずつ見ていくと、性質の違う4種類が混ざっている。
1つ目は、あとで読むつもりで開いたページ。検索結果から数件まとめて開いたもの、共有されたリンク、気になった記事が入る。読む予定はあるが、今日でなくてもよい。
2つ目は、いま進めている作業の資料。仕様書、参照しているドキュメント、比較している候補のページ。作業が終われば用済みになる。
3つ目は、1日中開いたままにしておきたいWebアプリ。メール、チャット、カレンダー、タスク管理。閉じると通知が届かなくなるので、閉じる選択肢がそもそも無い。
4つ目は、閉じ忘れ。すでに終わった作業の残りで、本人も何のタブか思い出せない。
この4種類は、必要な処置が違う。あとで読むものは置き場所を変える話、作業の資料は束ねる話、常駐するWebアプリは閉じない前提で扱う話、閉じ忘れは捨てる話になる。一緒くたに「タブを減らす」と考えると、閉じてはいけないものを閉じ、閉じるべきものを残す形になって、翌日には元の数に戻る。
同じ悩みは、道具の使い方を紹介する記事でも入口として語られている。
新しい作業をしようと思ったとき、今のウィンドウで作業してたらタブが混じるからと別のウィンドウを立てるもいつの間にかウィンドウが乱立しそれぞれのウィンドウにも複数の作業のタブが混在していてわけわからなくなるとき 出典: note.com
ウィンドウを増やして逃げた結果、混ざる場所がタブからウィンドウへ移っただけになる。分け方の軸が決まっていないと、器を増やしても同じことが起きる。
手を付ける順番は「常駐を外す、束ねる、捨てる」
整理が続かない原因の多くは、順番にある。左端から順に閉じるやり方だと、いちばん重要な常駐するWebアプリが左端に居るため、最初に判断を迷って止まる。
効く順番は逆になる。最初に常駐するものをタブの列から外し、次に作業単位を束ね、最後に残ったものを捨てる。この順で進めると、判断の難しいものが早い段階で列から消えるため、後半は機械的な作業になる。
具体的には次の4手になる。第1手、1日中開いておくWebアプリを固定タブにして列の左端へ固定する。第2手、進行中の作業ごとにタブグループを作って畳む。第3手、畳んだあとに残っているものを、あとで読むものと閉じ忘れに分けて処理する。第4手、探す動作をタブ検索に寄せて、同じページを二重に開く癖を止める。
所要時間は15分ほどで、週に1度回せば形が保たれる。逆に、週に1度回しても保たれないなら、それはタブの整理では解けない問題が混ざっている合図になる。最後の節でそこに触れる。
常駐するWebアプリは、まず固定タブへ出す
固定は、タブを列から外して別の身分にする操作になる。Chromeのヘルプには、タブを右クリックして固定を選ぶと、固定タブは他のタブに比べて小さく、サイトのアイコンのみの表示になると書かれている。解除は同じく右クリックから固定を解除を選ぶ。
固定タブには、整理の観点で重要な性質が2つある。
1つは、列の左端に集まり、ドラッグで動かす普通のタブと混ざらないこと。閉じるボタンも出ないので、勢いで閉じてしまう事故が起きない。メールとチャットを固定タブにしておくと、その日の作業でどれだけタブが増えても、この2つは常に同じ位置に居る。
もう1つは、メモリセーバーの対象外になることだ。後述するメモリセーバーは使っていないタブを非アクティブにする仕組みだが、公式のヘルプは非アクティブにできない条件を列挙しており、その中に固定タブが入っている。アクティブな音声や動画、画面共有、ページ通知、アクティブなダウンロード、一部記入済みのフォーム、接続済みのUSBやBluetoothデバイスと並んで、固定タブは対象から外れる。
つまり固定は、見た目を整える機能ではなく、扱いを変える宣言になる。閉じたくないもの、寝かせたくないものを固定に寄せる。これが第1手になる理由はここにある。
作業単位はタブグループで束ね、畳んで見えなくする
タブグループは、タブを右クリックしてタブをグループに追加を選び、新しいグループか既存のグループを選ぶと作れる。左側の色付きの円か名前を右クリックすると、名前を付ける、色を選ぶ、タブを追加する、グループを削除する、といった操作にたどり着く。既存のグループへ入れたいときはタブをドラッグすればよく、外すときは右クリックからグループから削除を選ぶ。
整理の効果が出るのは、作った後に畳む操作にある。名前または色付きの円を選ぶと折りたたみと展開が切り替わり、タブバーにはグループ名か色付きの円だけが残る。8個のタブを抱えた作業が、畳めばタブ1個分の幅になる。タブの数を減らさずに、見えている数だけを減らせるのがここの本質になる。
閉じる操作と消す操作の違いは、先に押さえておく価値がある。グループを右クリックしてグループを閉じるを選んだ場合、閉じたグループは削除されず、ブックマーク バーまたはメニューに保存され、再度開くことができる。一方でグループを削除すると、削除したデバイスだけでなく、同じGoogleアカウントを使用している他のデバイスからも削除される。グループを解除した場合も、タブはその端末で開いたままになるが、グループのほうは他のデバイスからも削除される。
ここには前提が付いている。ヘルプの書き出しはこうなっている。
閲覧履歴とタブが Google アカウントと同期されている場合、タブグループに加えられた変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。 出典: support.google.com
同期が前提なので、保存の実体はアカウント側にある。同期をオフにしている端末では自動保存が働かない。片付けの操作は閉じるに寄せ、削除と解除は本当に不要になったときだけ使う、という閉じると消すの使い分けを先に決めておくと、他の端末で組が失われる事故を避けられる。
表示まわりの設定も先に見ておきたい。設定のデザインで、ブックマーク バーにタブグループを表示する、新しいタブグループをブックマーク バーに自動的に固定する、の2つをオンにできる。後者をオンにすると、同じGoogleアカウントで他のデバイスで作成した新しいタブグループも固定される。
探す動作をタブ検索に寄せると、二重に開く癖が止まる
タブが増える隠れた原因が、同じページを二度開くことになる。開いているはずのタブを探すより、検索して開き直すほうが速いと感じると、重複が積み上がる。
タブ検索は、タブバーのタブ検索を選び、サイトのキーワードを入力して使う。開いているタブの一覧から選んで開くほか、右側の閉じるボタンでその場で閉じられる。ショートカットはMacの場合 command+shift+a になる。既定ではオンで、タブバーに自動的に固定されている。使わないなら右クリックから固定を解除できる。
もう1つの入口として、アドレスバーに「@タブ」と入力してTabキーまたはSpaceキーを押すと、タブを検索する候補に切り替わる。アドレスバーに手が伸びる癖のある人は、こちらのほうが定着しやすい。
一括で処理したいときは、複数選択が使える。Ctrlキーを押しながら個別に選ぶか、最初のタブを選んでShiftキーを押しながら最後のタブを選ぶと範囲で選べる。選んだ状態で右クリックすると、グループ化、移動、新しいウィンドウへのドラッグ、閉じるが一度にかかる。閉じ忘れを片付ける第3手は、ここで20個まとめて選んで一息に閉じるのが速い。
残ったタブは、メモリセーバーに任せる
数を減らしたい理由が「動作が重い」であるなら、閉じるかどうかの判断を全部引き受けなくてよい。設定のパフォーマンスにあるメモリセーバーが、使っていないタブを無効にする。アクティブでないタブにアクセスすると、自動的に再読み込みされる。
非アクティブ化の強さは3段階から選べる。適度はタブが長時間経過してから非アクティブになり、バランス重視は最適な時間が経過してから、最大は短時間で非アクティブになる。既定はバランス重視で、まずここから触る必要はない。
同じ画面に、アクティブでないタブのデザインという設定もある。オンにすると、非アクティブになったタブのアイコンがリングの中に表示される。どのタブが寝ているのかが見えるようになるので、閉じる判断の材料になる。
除外したいサイトは、常にアクティブにするサイトの一覧に追加する。現在開いているサイトから選ぶか、ウェブアドレスを手で入力する。長時間の処理を走らせる管理画面や、再読み込みで入力内容が失われる画面はここに入れておく。
なお、Chrome側から非アクティブ化を勧める通知が出ることがある。パフォーマンスが低下しているときに表示され、今すぐ修正をクリックすると適用される。この通知が不要なら、設定のパフォーマンスの全般にあるパフォーマンスの問題に関するアラートをオフにできる。
ウィンドウに名前を付けて、束の上に束を作る
タブグループで束ねてもまだ足りないとき、次の器はウィンドウになる。Chromeはウィンドウに名前を付けられる。タブバーの空いている場所を右クリックしてウィンドウに名前を付けるを選ぶか、右上のその他アイコンからその他のツール、ウィンドウに名前を付けると進む。
名前が効くのは3つの場面になる。最小化したウィンドウにカーソルを合わせたとき、Alt+Tabでウィンドウ間を移動するとき、タブを右クリックしてタブを別のウィンドウに移動を選ぶときに表示される。名前が無いと、移動先の選択肢が「新しいタブ」の羅列になり、選べない。
タブを別のウィンドウへ移す操作には条件が1つある。両方のウィンドウで同じプロフィールにログインしていることを確認する必要がある。プロファイルを仕事用と個人用で分けている場合、ウィンドウ間の移動はプロファイルの内側でしか起きない。
週に1度回しても数が戻るなら、原因はタブ整理の外にある
ここまでの4手を回しても、月曜にまた同じ数に戻る場合がある。そのとき増えているのがどの種類かを見ると、たいてい3つ目、つまり1日中開いておくWebアプリになる。メール、チャット、カレンダー、タスク管理、生成AIの画面。どれも閉じられないので、整理の対象にならないまま列の場所を取り続ける。
固定タブは、この問題を半分だけ解く。列からは外れるが、通知はブラウザからまとめて届き、どのサービスから来たのかは開くまで分からない。同じサービスを2つのアカウントで使っている場合はさらに難しい。プロファイルを分ければセッションは分かれるが、ウィンドウが増え、移動もできなくなる。
言い換えると、常駐するWebアプリは仕切りの問題ではなく置き場所の問題になる。アプリごとに独立したワークスペースを持つ形にすると、メールはメールの窓、チャットはチャットの窓に収まり、タブの列には作業中の資料だけが並ぶ。Webアプリを1つの窓にまとめるブラウザで何ができるのかはできることに整理されており、作業単位で窓の組を切り替える考え方はワークスペースで説明されている。どのサービスが対象になるかは使えるアプリで確かめられる。
同じ方向の道具は他にもあり、料金体系も設計思想も違う。月額と機能の考え方を並べたWaveboxとの比較、軽さを優先する設計との違いを扱ったShiftとの比較、無料で自分で組む選択肢を扱ったFerdiumとの比較を見ると、どこを譲れないかが決めやすくなる。費用の目安は料金にある。
判断の順番だけ書いておく。まず1週間、固定タブとタブグループで運用する。それでも常駐するWebアプリが列を圧迫しているなら、タブの整理を続けるより器を変えたほうが早い。数えるのは1日で足りる。
よくある質問
タブグループを閉じると中のタブは消えますか?
消えない。公式のヘルプでは、閉じたグループは削除されず、ブックマーク バーまたはメニューに保存され、再度開くことができるとされている。消えるのは削除とグループ解除のほうで、こちらは操作した端末だけでなく、同じGoogleアカウントを使っている他のデバイスからも削除される。片付けの操作は閉じるに寄せるのが安全になる。
タブを何個まで開いても大丈夫ですか?
上限の数字は公開されていない。判断の基準は数ではなく、探す時間と動作の重さになる。目的のタブを探すのにタブ検索を使わないと見つからない状態なら、束ね方を見直す時期になる。動作が重いだけならメモリセーバーが非アクティブ化を引き受けるので、閉じる必要はない。
メモリセーバーをオンにすると、作業中の入力が消えませんか?
一部記入済みのフォームは非アクティブ化の対象から外れる条件に含まれている。ほかに、アクティブな音声や動画、画面共有、ページ通知、アクティブなダウンロード、接続済みのUSBやBluetoothデバイス、固定タブも対象外になる。それでも心配な画面は、設定のパフォーマンスにある常にアクティブにするサイトへ追加しておけばよい。
タブ検索とアドレスバーの「@タブ」はどちらを使うべきですか?
やっていることは同じで、入口が違うだけになる。タブバーのボタンから入るタブ検索はMacで command+shift+a、アドレスバーからは「@タブ」と入力してTabキーまたはSpaceキーを押す。アドレスバーに手が伸びる癖があるなら後者のほうが定着しやすい。どちらか1つに決めて、検索して開き直す癖を止めるのが目的になる。