Macのブラウザを比較する|見るべき項目を絞る

ブラウザ 比較 macで検索すると、9選や7選といった記事が並ぶ。読むほど候補は増えるのに、決め手が出てこない。理由は比べる軸が多すぎることにある。起動の秒数、搭載機能の数、世界のシェア、見た目の好み。どれも書けるが、毎日Webアプリを行き来する人の判断にはほとんど効かない。ここでは捨ててよい軸を先に外し、残す項目を5つに絞り、そのうえで既定のブラウザを変える手順と、変えても切り替わらない画面があることまでを並べる。

先に捨ててよい比較の軸

比較記事によく出てくるが、判断に効かない軸が3つある。

  • 起動にかかる秒数。1日に何度も起動し直す使い方でなければ、合計しても差は小さい
  • 搭載している機能の数。使わない機能は速さも安定性も上げない
  • 世界のシェア。多数派であることは、自分が開く画面が正しく動く保証にならない

代わりに効くのは、自分の環境で毎日起きていることに直結する項目だけになる。機能の一覧表を読む前に、まず毎日開く画面を全部書き出す。ここを飛ばすと、どの記事を読んでも結論が変わって決まらない。

書き出した画面に対して、片方でしか動かないもの、機能拡張が要るもの、iPhoneやiPadと行き来するもの、通知を受け取り続けたいものに印を付ける。印の分布がそのまま答えになる。ある利用者の記録には、こうした割り切りの視点が次のように書かれている。

究極、インターネットを問題なく見れれば良いと思うので、ブックマーク移行の手間等が苦にならなければ、他のブラウザにチャレンジしてみると発見があるかも。 出典: note.com

ここで言われている移行の手間が、実際の障壁になる。だから比較の項目は、性能ではなく持ち物の側に寄せたほうが実用的になる。

残す5項目と、その見方

macOS上で動くものとして、Appleがベンチマークの比較対象に挙げているのはChrome、Microsoft Edge、Firefoxの3つで、Safariを含めた4つはいずれも現行のmacOSで使える。この4つに絞ってから、下の項目で見る。

見る項目 判断のしかた
機能拡張 毎日使う2つか3つの名前を書き出し、移る先の配布元に同じものがあるかを確認する
プロファイル 仕事と私用を分けるなら、何が分かれるのかを製品ごとに読む。分かれる範囲は同じではない
パスワードの保管先 iPhoneやiPadとの行き来が多いなら、同じ系列にそろえたほうが往復が減る
休止と省電力の設定 設定があるかではなく、自分が開く画面が休止の対象外に入っていないかを見る
動かない画面の有無 特定のブラウザでしか正しく動かないと案内されている管理画面があるかを先に確認する

5項目のうち、下の2つを見落としている比較記事が多い。休止の設定は、製品ごとに条件が公開されている。たとえばChromeの場合、音声や動画の再生または通話、画面共有、ページ通知、アクティブなダウンロード、一部記入済みのフォーム、固定タブ、接続済みのUSBやBluetoothのデバイスが当たると、タブを無効にできないとChromeのヘルプに記載されている。仕事で開く画面はこの条件に引っかかるものが多いので、休止の機能があっても実際には効かない場面が出てくる。

公開されている数字は測定条件と一緒に読む

性能の数字を比べるなら、誰がどの機材で測ったかまで見る。Appleは自社のSafariの製品ページで、JetStream 3.0、MotionMark 1.3.2、Speedometer 3.1という3つのベンチマークの結果を公開していて、テストは2026年8月に実施されたと書かれている。機材はApple M5を搭載した15インチMacBook Airで、比較対象はそのとき最新の安定版のChrome、Microsoft Edge、Firefoxとなっている。

macOS上のFirefoxを基準値に置いたときの倍率は、JavaScriptの処理で1.8倍、アニメーションの描画で5.3倍、Webアプリの反応速度で1.2倍と示されている。ページの読み込みは別の条件で測られていて、シミュレートしたネットワーク環境で12の一般的なウェブサイトのスナップショットを読み込み、Chromeより平均45パーセント速いという結果になったと記載されている。電力については、同じ機材で最大18時間のビデオストリーミングができ、Chromeより最大5時間長いとあり、条件は1080pのコンテンツを再生し、明るさは最低輝度から8回クリックした位置、キーボードのバックライトはオフとなっている。

読み方の注意は2つある。1つは、これが製品を売る側が自社の環境で実施したテストだという点だ。もう1つは、測られているのがページを1枚読み込む速さと動画を再生し続ける持ち時間であって、タブを30枚開いたまま8時間使う状態ではないという点になる。自分の使い方が後者なら、この数字の差はそのまま体感にならない。

機能拡張と動かない画面は事前に確かめられる

5項目のうち、移行を止める要因になりやすいのは機能拡張と、特定のブラウザでしか動かない画面の2つになる。どちらも移る前に確かめられる。

機能拡張は配布の窓口が製品ごとに分かれている。Safariの場合はApp StoreにSafari専用のカテゴリーが用意されていて、そこから追加する形だとAppleの製品ページで案内されている。Chromeは専用のウェブストアが窓口になる。同じ名前の道具が両方に出ているとは限らず、名前が同じでも機能の範囲が違うことがある。だから確かめる順番は決まっている。まず、いま入っているものの一覧を開き、この1か月で実際に使ったものだけを残して名前を書き出す。次に、その名前を移る先の配布元で検索する。ここで2つ以上が見つからないなら、移行を急がないほうがよい。

動かない画面のほうは、対象が業務の側に多い。金融機関の管理画面、社内の申請の仕組み、行政の手続きの画面などは、対応しているブラウザを案内のページに明記していることがある。書き出した画面の一覧を持って、その案内を先に読む。案内に名前が無いだけで実際には動くこともあるが、動かなかったときに問い合わせても対応してもらえない。締め切りのある手続きをその場でやり直すことになるので、確かめる価値がある。1つか2つだけ引っかかるなら、その画面のためだけに前のブラウザを残しておく形で足りる。

既定のブラウザを変える手順

比較して決めたら、既定のブラウザを切り替える。macOSでの手順は公開されていて、項目名も決まっている。アップルメニューからシステム設定を選び、サイドバーで「デスクトップとDock」をクリックする。下にスクロールが必要な場合がある。そこにある「デフォルトのWebブラウザ」の横のポップアップメニューから、使いたいブラウザを選ぶ。

ここで併記されている注意が実務では重要になる。Appleのサポートには、デフォルトブラウザ以外のブラウザでWebページを開くアプリもあると書かれている。つまり既定を変えても、アプリの中のリンクが別のブラウザで開くことがある。切り替えた直後に前のブラウザが立ち上がってくるのは故障ではなく、そのアプリ側の設定でそうなっている。メールのクライアントやチャットのアプリは、自分の中に開く先の設定を持っていることがあるので、そちら側も見る。

切り替えのあとで必ず確かめる画面を決めておくと、戻る判断が早くなる。よく開く5つの画面を順に開いて、表示の崩れ、ログインの維持、ファイルの書き出しの3点を見る。ここで引っかかるものが出たら、原因が拡張機能なのかサイト側なのかを切り分ける。新しいプライベートな窓で同じ画面を開いて直るなら、原因は拡張機能か保存されているデータの側にある。

もう1つ、既定を変えてもDockに残っているアイコンは変わらない。Dockから前のブラウザを押す癖が残っている間は、切り替えた実感が出ない。移行の初日にDockの並びまで整えておくと、戻ってしまうことが減る。手順の詳細はAppleのサポートに載っている。

プロファイルで分かれるものは製品ごとに違う

仕事と私用を分けたいという要求は、比較の結論を左右する。両方がプロファイルという仕組みを持っているが、分かれる範囲と操作が違う。

Safariの場合は、Safariメニューから設定を開き、プロファイルをクリックする。最初の1つを作るときは「プロファイルを使い始める」を押し、名前を入力してアイコンとカラーを選び、そのプロファイル用のお気に入りのブックマークフォルダを選ぶ。作成後に機能拡張をクリックして、そのプロファイルで使うものを選ぶ形になっている。作ったものとは別に「個人用」というプロファイルが常に存在する。切り替えはファイルメニューから新規ウインドウを選び、そのプロファイル名の新規ウインドウを開く操作になる。注記として、iCloudキーチェーンで保存したパスワードは、作成したどのプロファイルでも使用できると書かれている。

削除の挙動も明記されている。Safariでプロファイルを削除すると、そのプロファイルに関連付けられているタブ、履歴、Webサイトデータが消去され、そのプロファイルで開いているすべてのWebサイトが閉じる。お気に入りのフォルダは、空でなければ残る。Chromeの側はさらに広く、プロファイルを削除すると、そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどの設定がパソコンから削除されると案内されている。どちらも整理のつもりで消すと戻せないので、要らなくなったものは切り替え先から外すだけにしておくほうが安全になる。

比較の項目に入らないまま残る詰まり

5項目で絞って乗り換えても、毎日開くサービスが6つや7つある人には残るものがある。比較表の行にならないので見落としやすい。

1つは、同じサービスを2つのアカウントで使っているときの見分けだ。仕事用のGmailと個人用のGmailは、タブの上でほぼ同じ文字列になる。プロファイルで分ければ混ざらないが、切り替えると一方が視界から消える。もう1つは通知の置き場所になる。どのサービスに何件届いているかを一覧で見張る役は、タブの並びでは担えない。3つ目が、アプリごとに文字の大きさや音の設定を変えたいという要求で、これもタブ単位では持ちにくい。

この3つが自分の詰まりに当たっているなら、比較の対象をブラウザ同士から、Webアプリを窓の単位で並べる道具に移すほうが噛み合う。アプリを1枚のタブではなく1つの窓として置けば、名前ではなく置き場所で指定できる。考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、2つのGmailが同時にログインしたまま別の窓として並ぶため、探す工程とログインの往復が消える。通知を1か所に集める形や、アプリごとに拡大率と消音を覚える形はできることに並んでいる。

移る前に確かめるのは、上の5項目と同じでよい。項目ごとに並べた比較はWaveboxとの比較とShiftとの比較にあり、対応しているサービスの一覧は使えるアプリにまとまっている。無料で使える範囲と有料になる線は料金で確認できる。判断に必要なのは機能の数ではなく、毎日開く6つが揃っているかどうかだ。細かい疑問はよくある質問にまとめられている。

よくある質問

Macのブラウザを比較するとき、最初に何を見ればよいですか?

毎日開く画面を全部書き出すことから始めてください。そのうえで、片方でしか動かないもの、機能拡張が要るもの、iPhoneやiPadと行き来するもの、通知を受け取り続けたいものに印を付けます。印の分布がそのまま答えになります。起動の秒数、搭載機能の数、世界のシェアは、毎日Webアプリを行き来する使い方の判断にはほとんど効きません。

既定のブラウザを変える手順を教えてください。

アップルメニューからシステム設定を選び、サイドバーで「デスクトップとDock」をクリックします。下にスクロールが必要な場合があります。そこにある「デフォルトのWebブラウザ」の横のポップアップメニューから使いたいブラウザを選びます。なお、デフォルトブラウザ以外のブラウザでWebページを開くアプリもあるとAppleのサポートに書かれているため、切り替え後も別のブラウザが立ち上がることがあります。

性能のベンチマークはどこまで信用してよいですか?

測定条件まで読めば参照できます。Appleは2026年8月にM5搭載の15インチMacBook Airで実施したテストとして、JetStream 3.0、MotionMark 1.3.2、Speedometer 3.1の結果と、ページ読み込みがChromeより平均45パーセント速いという数字を公開しています。ただし売る側が自社の環境で測ったもので、測っているのはページを1枚読み込む速さです。タブを30枚開いたままの状態とは別の指標になります。

プロファイルはどの製品でも同じものが分かれますか?

違います。Safariはプロファイルごとに機能拡張を選べ、タブ、履歴、Webサイトデータが分かれます。削除するとそれらが消去され、そのプロファイルで開いているすべてのWebサイトが閉じますが、お気に入りのフォルダは空でなければ残ります。Chromeはブックマーク、履歴、パスワードなど情報全体が分かれ、削除するとそれらがパソコンから削除されます。範囲を読んでから決めてください。

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