Google Chromeが遅いときの原因切り分け|Macで試す順番
タブを切り替えた瞬間に白い画面が一瞬出る。開いていたはずのページが読み込み直される。検索窓に文字を打ってから候補が出るまでに間がある。google chrome が遅いと感じるときに起きていることは、実はこのようにばらばらで、原因も別々だ。この記事では、遅さを3つに分けて、設定で直る範囲、数字で原因を特定する手順、それでも残るときの候補の選び方を、試す順番に沿って整理する。
「遅い」を3つに分けると、やることが決まる
同じ「遅い」でも、次の3つは原因がまったく違う。
- 起動が遅い。アプリを開いてから使えるようになるまでに時間がかかる。前回のタブの復元と、拡張機能の読み込みが関係する
- 切り替えが遅い。開いているタブを行き来するときに間が空く。休止したタブの読み込み直しか、メモリの不足が関係する
- ページの表示が遅い。特定のサイトだけ重い。回線かサイト側の作りが関係していて、ブラウザを替えても変わらないことが多い
このうち3つ目は、別のブラウザで同じページを開けば数秒で切り分けられる。どちらでも同じように遅いなら、原因はブラウザの外にある。ここを先に確認しておかないと、乗り換えたあとに同じ現象を見て落胆することになる。確認は無料で、数分で済む。
乗り換えの検討に意味があるのは、2つ目が中心になっているときだ。そして2つ目は、設定でかなりの部分が動く。
1つ目の起動の遅さについても、乗り換えは最後の手段になる。前回のタブを全部復元する設定のままなら、起動のたびに数十個のページを開き直していることになる。復元の対象を減らすか、起動時に開くページを固定するだけで、数秒から十数秒の差が出ることがある。ここを試さずに製品を比べ始めると、比較の土俵が最初からずれる。
Chromeの設定で確かめる項目は、パフォーマンスの欄に集まっている
Chromeのヘルプには、動作に関わる設定がまとめて説明されている。中心にあるのが、使っていないタブを休ませる仕組みだ。
To save your computer's memory and help active tabs run smoothly, Chrome deactivates tabs that you aren't currently using. When you access an inactive tab, it automatically reloads. 出典: support.google.com
同じページでは、休ませる強さをModerate、Balanced、Maximumの3段階から選べること、休ませたくないサイトを例外として登録できること、そして休止の対象から外れる条件が並べられている。外れるのは、音声や映像を再生中のタブ、画面共有中のタブ、通知を出しているページ、ダウンロードが進行中のタブ、入力途中のフォームがあるタブ、固定したタブ、USBやBluetoothの機器に接続しているタブだ。
ここが切り替えの遅さの正体になっていることが多い。強さをMaximumにすると、休む速さが上がる代わりに戻るときの読み込み直しが増える。戻るときの白い画面が気になるならBalancedへ下げ、常に起こしておきたい業務システムを例外に登録する。この2つは組みで設定する。例外を先に登録してから強さを上げると、副作用を避けながら効果だけを取れる。
同じ欄には、電源を抜いたときや残量が少ないときに自動で働く省電力の設定と、次に開きそうなページを先に読み込む設定も並んでいる。先読みには標準と拡張の2段階があり、拡張にすると通信と処理が増える。回線が細い場所で作業する日が多いなら、ここを標準へ戻すだけで体感が変わることがある。
何が重いのかを、推測ではなく数字で見る
設定を触る前に、重いものを特定しておくと空振りが減る。方法は2つある。
1つは、タブにメモリの使用量を表示させる設定だ。Macではタブにカーソルを合わせたときのプレビューに使用量を出せる。これを入れると、重いタブが思っていたものと違うことに気づくことが多い。編集中の資料ではなく、朝から開いたままの監視画面やダッシュボードが上位に来る。
もう1つは、アクティビティモニタで機材全体を見ることだ。Appleが公開している利用ガイドには、メモリの使用状況を見る項目と、Macに追加のメモリが必要かどうかを確かめる項目が別々に用意されている。見るべきは使用量ではなく圧力の指標のほうで、使用量が多いこと自体は問題を示さない。macOSは空いているメモリを積極的に使う設計になっている。
圧力が緑のままで遅いなら、原因はメモリではなく、裏で動き続けている処理のほうだ。この場合は機材を買い替えても体感は変わらない。圧力が上がっているなら、同時に開いている数が機材の条件を超えている。切り分けにかかるのは3分ほどで、乗り換えの手間よりはるかに短い。
設定で直らないときに疑う3つ
パフォーマンスの設定を整えても残る遅さには、だいたい次の3つが絡んでいる。
- 拡張機能。タブの数と関係なく常に動き、多くはページを開くたびに処理を挟む。数か月使っていないものを外すと、起動の遅さに効くことがある。外したあとで必要になれば入れ直せるので、判断を急いでも損が出にくい項目になる
- プロファイルに溜まったもの。履歴、キャッシュ、保存された認証情報が積み重なると、起動時に読むものが増える。新しいプロファイルを1つ作って同じサイトを開き、そちらが軽いなら原因はここにある。既存のプロファイルを消す前に、この比較だけ先に済ませておきたい
- 常駐しているWebアプリ。チャット、カレンダー、生成AIの画面のように、閉じずに開いたままにしているものは、休止の対象から外れやすい。上で挙げた除外条件に当てはまるものが多いためだ
3つ目が主因になっている場合だけは、設定では解けない。開いたままにしておく必要があるものを、どこに置くかという構成の問題になるからだ。
見分け方は、朝の状態を思い出すと早い。機材を起動した直後、まだ何も開いていない時点でも遅いなら1つ目か2つ目、夕方に向かって少しずつ遅くなるなら3つ目に寄っている。この差は、いつ遅くなるかという1点で判定できるので、記録を取るまでもない。
再起動で一時的に直る場合も3つ目の疑いが濃い。再起動は溜まったものを捨てているだけなので、同じ使い方を続ければ同じ時間で同じ状態に戻る。週に何度も再起動しているなら、直しているのではなく先送りしていることになる。
乗り換え先を「エンジン」と「設計」に分けて考える
候補を選ぶとき、ページの描画そのものの速さで差が付くことは少ない。Chrome、Edge、Brave、Vivaldi、Operaは、いずれもChromiumを土台にしている。同じ土台の上では、描画の速さで乗り換えるほどの差は出にくい。
差が出るのは、置き場所の設計のほうだ。Vivaldiは機能一覧にタブのスタック、タブの休止、タブの分割表示、ワークスペースを並べている。Zenも公式サイトでワークスペース、コンパクトモード、分割表示を挙げている。どちらもタブという単位を保ったまま、その扱いを細かくする方向で作られている。
もう1つの方向が、Webアプリをタブではなくアプリとして並べる設計だ。アプリごとに独立したワークスペースという考え方で、開いたままにしておきたいものが最初から持ち場を持つ。考え方の中身はワークスペースに、並べられるサービスの一覧は使えるアプリにまとまっている。
この2つの方向は、同じ「遅い」に対して別の答えを出している。前者はタブを整理して探しやすくする方向、後者は開いたままにしておくものを最初から分けておく方向だ。どちらが効くかは、切り替えのときに何を待っているかで決まる。目で探す時間を待っているなら前者、読み込み直しを待っているなら後者になる。
Safariに戻すという選択もある。Safariの利用ガイドにはタブのグループ化とプロファイルの作成が項目として並んでいて、追加の費用なしで整理と分離の両方に手が届く。業務システムの対応ブラウザが指定されている場合は、そちらが優先条件になる。
開いたままにしたいものが多い場合の選択肢
3つ目の型を試すときに見るのは、金額より無料で置ける数の上限になる。2026年9月18日時点で各社が料金ページに掲載している内容は次の通りだ。
| 製品 | 無料で置ける範囲 | 有料 |
|---|---|---|
| Wavebox | 2グループ、各グループ2アプリ | 年払いで月8.33ドル |
| Rambox | アプリ数は無制限、1アプリ2インスタンスまで | 月7.00ドル、年70.00ドル |
| Shift | 5スペース、1スペースあたり10アプリ | 年199.99ドル |
| Ferdium | オープンソースで上限の記載なし | なし |
遅さの話として見るときに効いてくるのは、休止の扱いだ。Ferdiumは公式サイトで、動作が重くならないようにサービスを休止させる機能を挙げている。Ramboxも無料プランの機能一覧に休止を含めている。開くものが増える前提で作られているため、休ませる仕組みが標準で入っている。この境界の違いはFerdiumとの比較とWaveboxとの比較で扱われていて、費用の条件そのものは料金にある。
始めるときの条件も違う。Waveboxは全アカウントが7日間の試用から始まり、Ramboxの試用は30日で、どちらもクレジットカードの登録なしで始められると明記されている。
試すときの進め方にも注意点がある。いまの環境を消して移るのではなく、横に並べて置くことだ。移行を完了させてしまうと、社内システムが動かなかった日に作業そのものが止まる。最初の日に見るのは、日本語入力の挙動、使っているサービスが全部置けるか、通知が届くか、の3点でよい。そして1週間後に、切り替えたときの待ち時間が短くなったかどうかだけで判断する。機能の多さではなく、この1点で決めると比較が終わる。
各社の料金の引き方から読み取れること
Webアプリを並べる系統の製品が公開している情報を横に並べると、共通点が2つ見えてくる。1つは、課金の単位が「置けるアプリの数」になっていること。Waveboxはグループ数とアプリ数、Shiftはスペース数とアプリ数、Ramboxは1アプリあたりのインスタンス数で線を引いている。どこにも、ページの表示速度で課金している製品は無い。
もう1つは、休止の機能がどの製品でも無料の範囲に入っていることだ。有料の目玉ではなく、前提として置かれている。この2つを合わせると、この系統が「速く描く」ではなく「たくさん置いて、使っていないものは眠らせる」という前提で作られていることが分かる。
切り替えの遅さに悩んでいる人にとって、この前提の違いは無視できない。休止から戻るときの読み込み直しが気になるのは、そもそも同時に持ちたいものの数が、タブという単位の想定を超えているからだ。分かれ目はおおよそ12個あたりにある。毎日開くWebアプリが12個を下回るなら、設定を整えるだけで足りることが多い。超えていて、かつ同じサービスを2つ以上のアカウントで使っているなら、設定では追いつかなくなる。機能の一覧はできることに、導入前に確認されることが多い点はよくある質問にまとまっている。
よくある質問
Chromeが遅いとき、最初に何を確認すればよいですか?
遅さの種類を分けることです。起動が遅いのか、タブの切り替えが遅いのか、特定のページだけ重いのかで原因が違います。特定のページだけなら別のブラウザで同じページを開けば数秒で切り分けられます。切り替えが遅い場合は、パフォーマンスの設定にある休止の強さと例外の登録を見直します。
タブを休ませる設定は強くしたほうがよいですか?
強くするとメモリは空きますが、戻るときの読み込み直しが増えます。Chromeでは強さをModerate、Balanced、Maximumの3段階から選べるので、戻るときの待ち時間が気になるなら中間に下げ、常に起こしておきたい業務システムを例外に登録する組み合わせが扱いやすくなります。
乗り換えればページの表示は速くなりますか?
Chrome、Edge、Brave、Vivaldi、Operaは同じChromiumを土台にしているため、描画そのものの差は小さいです。体感が変わるのは、同時に開いているものの置き方が変わったときです。表示が遅いのが特定のサイトだけなら、原因は回線かサイト側にある可能性が高くなります。
無料で試せる選択肢はありますか?
Ferdiumはオープンソースで費用が発生しません。Waveboxは7日間、Ramboxは30日間の試用が用意されていて、どちらもクレジットカードの登録なしで始められると明記されています。試用のあとは無料の範囲に移り、Waveboxは2グループ各2アプリ、Ramboxはアプリ数無制限で1アプリ2インスタンスまでになります。