Franzアプリの今|無料の範囲・料金・Ferdiumとの関係

franz アプリは、Slack・WhatsApp・Gmailなどのサービスを1つの窓にまとめるデスクトップアプリで、いまも配布と更新が続いている。ただし、昔の紹介記事にある「無料で何でも並べられる」状態ではない。2026年10月18日に公式の料金ページを確かめた時点で、無料のStarterはサービス3つとワークスペース1つまでで、それを超えると年60ドルのProからになる。無料で数を気にせず使いたい場合は、Franzから分かれたオープンソースのFerdiumが受け皿になる。この記事では、いまのFranzの料金と制限、有料をやめたときに何が残るか、同じ分野の候補の無料の上限を並べ、どれを選ぶかを決める手がかりを順に書く。

このサイトは、Mac向けのアプリ集約ブラウザの開発元が運営している。比べる製品の数字は、各社の公式ページで確かめた値だけを載せる。

Franzは何をするアプリか

Franzがしているのは、ブラウザのタブで開いていたWebサービスを、専用の窓の左側に並べて切り替えられるようにすることだ。メッセンジャー向けとして知られてきたが、実際にはURLで開けるサービスなら何でも並べられる。公式サイトはWhatsApp・Slack・メール・Signalを含む75以上のサービスに対応すると書いている。

利用者の声としてよく挙がるのは、同じサービスを別のアカウントで並べられる点と、再ログインの手間が減る点だ。レビューサイトには次のような声が残っている。

・おなじアプリを別のアカウントでログインしても同様に管理できるので、用途別の使い分けがしやすい ・少なくともFranzを終了させなければ、いちいち再ログインしなくてよくなる 出典: itreview.jp

同じレビュー欄には「Franz自体が重いので、起動やアプリの切り替えが遅いと感じる」という声も並ぶ。中身は各サービスのWeb版をそのまま動かす作りなので、並べた数だけブラウザのタブと同じくらいの資源を使う。この性質はFranzに限らず、同じ分野の道具に共通している。

ここ数年でFranzは方向を変え、AIで返信の下書きを作る機能や、自前のメール機能を前面に出すようになった。Mac App Storeからも入手できる。調べ物の途中で見かける古い画面写真と今の画面が違うのは、この作り直しが理由になる。

2026年10月時点のFranzの料金と無料の範囲

公式の料金ページに並ぶプランは4つある。数字は2026年10月18日に確かめたもので、表示は税抜き、国によっては付加価値税が足される。

プラン 料金 主な中身
Starter 無料 サービス3つ、ワークスペース1つ
Pro 年60ドル(月払い換算5ドル) サービスとワークスペースが無制限、定型文、翻訳、アプリのロック
Max 年120ドル(月払いなら月12ドル) Proの中身に加え、会話から下書きを埋める定型文、月500万トークンのAI
Lifetime 買い切り199ドル(通常239ドル) サービスとワークスペースが無制限、以後の更新を含む

ProのAIは、利用者が自分で用意したモデルを指して動く。費用はモデルの提供元から直接請求され、Franzには払わない。Maxはその準備をせずに使えるよう、Franz側でAIをまかなう。買い切りのLifetimeでFranz側のAIを使いたい場合は、月4ドルの追加になる。

見落としやすいのは、有料をやめたときの扱いだ。料金ページの質問欄には、支払いをやめるとアカウント・手元のデータ・保存した定型文は読める状態で残り、機能は無料の範囲(サービス3つ、ワークスペース1つ)に戻ると書かれている。並べていたサービスが10個あれば、そのうち3つしか使えない状態に戻るということになる。

もう1つ、以前のPro Cloudというプランは名前がMaxに変わった。既存の契約者は契約時の値段のまま、新しく申し込む人の月払いは12ドルと案内されている。

無料で使い続けたいならFerdium

Franzの無料枠に収まらず、費用もかけたくない場合に選ばれているのがFerdiumだ。Franzのソースを元に分かれ、さらにFerdiという派生を経て今の名前になった。公式サイトは、同じサービスを2回以上追加して複数のアカウントにログインできること、アカウントを作らずに使え、その場合データは手元に残ることを機能として挙げている。アカウントを作れば、サービスとワークスペースを複数のパソコンで同期できる。

更新も続いていて、GitHubのリリース一覧では安定版の7.2.3が2026年9月7日に出ている。ただし、無料であることと引き換えに知っておきたい点がある。公式のFAQは、Ferdiumが法人として認められた組織ではないため、署名の証明書が運営者の1人の個人名義で取られていると説明している。Windowsで発行元を確かめると個人名が表示されるのはこのためだ。macOSでは公証を通っているので、インターネットから入手したアプリとして初回に確認が出るだけで済む。

困ったときに頼れるのは、DiscordやGitHub、Redditの利用者の集まりになる。有料の窓口はない。業務で止まったら困る使い方なら、この点を含めて選ぶことになる。なお公式サイトの冒頭には、Ferdiumの正式なドメインはferdium.orgだけで、名前をかたる別のサイトはマルウェアを配っている恐れがあるという注意書きが出ている。入手は公式からに限りたい。細かな違いはFerdiumとの比較に分けてある。

同じ分野の候補を、無料の上限で並べる

「Franz以外では何があるか」は上位の記事でも必ず取り上げられる話題だが、比べるときに効くのは機能の数より無料の上限だ。2026年10月18日に各社の公式ページで確かめた値を並べる。

製品 無料でできる範囲 有料の入口
Franz サービス3つ、ワークスペース1つ 年60ドル
Ferdium 上限なし(オープンソース) なし
Rambox アプリ数は無制限、1アプリにつき2つまで 月7ドル、年70ドル
Wavebox グループ2つ、各グループにアプリ2つ、拡張機能1つ 年払いで月8.33ドル
Shift スペース5つ、1スペースにつきアプリ10個 年199.99ドル

Ramboxは新しいアカウントに30日間のPro試用を付け、その後は無料のBasicに移るか、Proを続けるかを選ばせる。ワークスペースと、同じアプリへの複数ログインはProの側にある。Waveboxは7日間のPro試用のあと無料に戻る形で、無料ではGmailを仕事用と個人用の2つ並べる程度の使い方を想定している。30日間の返金保証も書かれている。Shiftは無料の枠が広いかわりに、有料のAdvancedが年199.99ドルと一段高い。

上位の記事でFranzと並べてよく紹介されてきたStationは、2026年10月18日に旧公式のドメインを開いたところ、まったく別の内容のサイトになっていた。古い比較記事を頼りに探すと、こうした行き止まりに当たる。各製品の個別の比較はRamboxとの比較、Waveboxとの比較、Shiftとの比較にまとめてある。

選ぶ前に数えておく2つの数

候補を並べても決めきれないときは、手元の使い方から2つの数を数えると絞りやすい。

1つめは、毎日開くサービスの数だ。3つ以下ならFranzの無料枠で足りるし、ブラウザのピン留めタブで済ませる選択もある。4つ以上になると、Franzでは有料が前提になり、無料で続けるならFerdiumかShiftの無料枠が候補に残る。

2つめは、同じサービスを別アカウントで開きたい数だ。仕事用と個人用のGmail、取引先ごとのSlackのように、同じサイトに別人としてログインしたいものが何組あるかを数える。ログイン状態はCookieとサイトの保存領域に置かれていて、ここを分けないと同じサイトに2人目としては入れない。この分け方が無料に含まれるかどうかは製品で違い、RamboxはProの機能として分けている。

この2つを数えると、だいたい次のように分かれる。

  • サービスが3つ以下で、重複アカウントがない: Franzの無料枠で試す
  • サービスは多いが費用はかけたくない: Ferdium
  • 重複アカウントが多く、困ったときの窓口も欲しい: 有料の製品を試用期間で比べる

試すときは、本番と同じ数のサービスを初日に全部登録するのがよい。3つだけ並べて軽いと判断しても、20個並べたときの切り替えの速さは分からない。翌朝いちばん最初に開くまでの待ち時間まで見てから決めると、乗り換えたあとに戻ることが少ない。

乗り換えで手が止まる場面

使う製品を決めたあとにも、つまずきやすい場面がある。

まず、並べていたサービスの一覧は製品をまたいで持ち出せない。20個並べていたなら、新しい製品で20回ログインし直すことになる。2段階認証を設定しているサービスはその分だけ確認の手間が増えるので、時間に余裕のある日にまとめてやるほうがよい。

次に、メールやカレンダーから開いたリンクの行き先だ。macOSが既定として使うブラウザは1つだけで、外から開いたリンクはそこへ飛ぶ。せっかく集約アプリで仕事用のGoogleアカウントにログインしていても、リンクだけ普段のブラウザの個人用アカウントで開いてしまう、ということが起きる。既定のブラウザの変え方はAppleのサポートページにあるが、変えられるのは1つだけだ。リンクをサービスやアカウントごとに振り分ける仕組みを持つ製品もあるので、毎日リンクを踏む人は試用中に確かめておきたい。

最後に、通知の出方だ。どのサービスから届いたかは分かっても、どのアカウント宛てかまでは出ないことが多い。同じサービスを2つのアカウントで並べるなら、試用中に実際に通知を受けて確かめておくと判断がぶれない。

まとめて開く道具を選ぶときの見方

ここまでの話を、Mac向けのアプリ集約ブラウザの作りから見直すと、比べる軸は3つに絞れる。サービスごとにログイン状態を分ける単位、外から開いたリンクの行き先、無料の上限と有料の値段だ。

この分野の道具の多くは、アプリごとに独立したワークスペースを持ち、3つのGmailに同時にログインしても互いが混ざらない作りを取っている。分け方の仕組みはワークスペースに、ほかの機能はできることにまとめてある。たとえば当サイトの運営元が作るアプリ集約ブラウザは、無料版がワークスペース1つ・アプリ3つまで、有料のProが月額980円(税込)・年額8,800円(税込)・買い切り19,800円(税込)で、Slackのリンクを開くとSlackを登録した場所で開く振り分けを持っている。料金の詳細は料金に、対応するサービスの一覧は使えるアプリにある。

どの製品を選ぶにしても、決め手になるのは製品の評判より手元の数だ。毎日開くサービスの数と、同じサービスを別アカウントで開きたい組の数。この2つを数えてから表を見直すと、候補は1つか2つに絞られる。

よくある質問

Franzは無料で使えますか?

無料のStarterプランがあり、サービス3つとワークスペース1つまでなら料金はかかりません。4つ以上のサービスを並べるには、年60ドルのPro、年120ドルのMax、買い切りのLifetimeのいずれかが必要です。数字は2026年10月18日に公式の料金ページで確かめた値で、表示は税抜きです。

Franzの有料プランをやめるとデータは消えますか?

公式の料金ページによると、支払いをやめてもアカウント、手元のデータ、保存した定型文は読める状態で残ります。ただし機能は無料の範囲に戻るため、使えるのはサービス3つとワークスペース1つまでになります。多くのサービスを並べていた場合は、使う3つを選び直すことになります。

FerdiumはFranzと何が違いますか?

FerdiumはFranzのソースから分かれたオープンソースのアプリで、料金がかからず、サービスやワークスペースの数に上限がありません。アカウントを作らずに使えば、データは手元に残ります。一方で有料のサポート窓口はなく、署名の証明書は運営者個人の名義です。入手は公式のferdium.orgからに限るよう公式サイトが注意しています。

Franzのような集約アプリを使うとパソコンは重くなりますか?

この分野の道具は各サービスのWeb版をそれぞれ動かすため、並べた数だけブラウザのタブと同じくらいのメモリを使います。レビューにも起動や切り替えが遅いという声があります。10個以上を常に開くなら、しばらく使っていないサービスを休ませる設定があるかどうかを試用中に確かめると安心です。

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