Figmaでアカウントを切り替える方法|同時ログインの上限と使い分けの設計

自社のFigmaアカウントとクライアントの組織アカウント、学習用に作った個人アカウントが混ざり、開こうとしたファイルが見つからない。Figmaでアカウントを切り替えたい人が本当に困っているのは操作の場所ではなく、どのアカウントにどのファイルが置かれているのかを見失うことです。ここでは、Figmaでアカウントを切り替える具体的な手順、同時にログインできる上限、追加するときに決めておく設計、そして切り替えでは解決しない場面の対処までを整理します。

デザインの現場でアカウントが増えていく理由

Figmaは、ひとつの組織の中だけで使われるツールではありません。発注側と受注側が同じファイルを開き、コメントで指示をやり取りする使い方が広がったことで、外部の組織に招待される機会が増えました。受注側の立場で仕事をしていると、クライアントごとに別の組織へ招待され、そのたびに会社のメールアドレスでのログインを求められることがあります。

さらに、Figmaのプランは組織単位で契約されます。クライアントがビジネスプラン以上を使っていて、SAML SSOを必須にしている場合、そこへ入るためのアカウントは会社のIDプロバイダー経由になります。個人で契約しているアカウントとは別物として扱われるため、ひとつにまとめることはできません。

つまり、Figmaでアカウントが増えるのは、使い方が散らかっているからではなく、契約と認証の境界が組織ごとに引かれているからです。増える前提で運用を組むほうが現実的で、そのときに軸になるのが切り替えの手順と、ファイルの置き場所の管理です。

同時にログインできるアカウントの数

Figmaは、複数のアカウントに同時にログインした状態を保てます。公式ヘルプで示されている上限は次の通りです。

同時に最大10個のアカウントにログインでき、これらをすぐに切り替えられます。figma.comにアクセスすると、最後に表示したアカウントでファイルブラウザが開きます。 出典: help.figma.com

同時ログインが10個まで使えるため、実務でアカウントが足りなくなる場面はほとんどありません。ここで注意したいのは後半の一文です。figma.comを開いたときに表示されるのは、最後に見ていたアカウントのファイルブラウザです。前の作業でクライアントのアカウントに切り替えたまま閉じていれば、次に開いたときもそのアカウントから始まります。

この挙動が、ファイルを探して見つからない原因の多くを占めます。ブックマークから開いたファイルが「アクセス権がありません」と表示される場合、ファイルが消えたのではなく、いま開いているアカウントがそのファイルの共有先ではない、という状態です。切り替えてから同じURLを開き直すと表示されます。

ファイルブラウザからアカウントを切り替える手順

切り替えの前提は、切り替え先のアカウントにログイン済みであることです。公式ヘルプに沿うと、操作は次の流れになります。

  • ファイルブラウザで、画面の左上隅にあるユーザーの名前をクリックする
  • 表示された一覧から、切り替えるアカウントを選択する
  • 目的のアカウントが一覧にない場合は「アカウントの追加」をクリックし、先にログインする

選択すると、そのアカウントでファイルブラウザが開きます。アカウントメニューからは、コミュニティプロフィールやインストール済みのプラグイン、アカウント設定も確認できます。プラグインはアカウントごとに管理されるため、片方で入れたプラグインがもう片方に出てこないのは仕様通りの挙動です。

アカウントを追加するときは、ログイン方法を選べます。メールアドレスとパスワード、Googleシングルサインオン、サードパーティのIDプロバイダーによるSAML SSOの三つで、どれが使えるかは元のサインアップ方法とプランによって変わります。SAML SSOはビジネスプランとエンタープライズプランで利用できる仕組みです。

デスクトップアプリとブラウザで変わる部分

Figmaのデスクトップアプリでも、ログインと切り替えの操作は同じです。ただし認証の途中でブラウザが介在する点は押さえておく価値があります。Google SSOやSAML SSOでデスクトップアプリにログインする場合、ブラウザウインドウが開いて認証が始まり、ログインが済むとデスクトップアプリに戻る流れになります。

アカウントを追加する操作でも同じことが起こります。追加を選ぶとFigmaの新しいブラウザタブが開き、そこでメール、Google SSO、SAML SSOのいずれかでログインします。認証が通るとタブが閉じ、デスクトップアプリか元のタブに戻ります。会社の端末でブラウザの既定が意図しないプロファイルになっていると、この途中で別のアカウントに紐づいてしまうことがあります。デスクトップアプリで追加がうまくいかない場合は、既定のブラウザにどのアカウントでログインしているかを先に確認すると原因が絞れます。

モバイルアプリでも、メール、Google SSO、SAML SSOのすべてが使えます。Appleの端末でログインできないときは、Safariの設定でCookieが有効になっているかを確認する手順が案内されています。設定からSafariを開き、プライバシーとセキュリティの項目で、すべてのCookieをブロックする設定を無効にする流れです。

ファイルが片方のアカウントに残る問題

切り替えの手順を覚えても解決しないのが、ファイルの置き場所の問題です。個人アカウントの下書きに作ったファイルは、そのアカウントの持ち物です。クライアントの組織アカウントに切り替えても、そこには現れません。案件が進んで納品先が決まった段階で、ファイルを移す作業が必要になります。

Figmaには、ファイルやプロジェクトの所有権を移す仕組みと、フォルダやチームを別のアカウントへ移す仕組みが用意されています。移動には受け取り側の承認が必要な形になっており、送信と承認の二段階で進みます。この手続きがあることを知らずに、コピーを作って渡す運用をしていると、コメント履歴やバージョン履歴が引き継がれません。

もうひとつ起きやすいのが、コメントの通知が届くアカウントと、作業しているアカウントがずれている状態です。クライアントの組織アカウント宛てに届いたコメント通知のメールからリンクを開くと、ブラウザで最後に使っていた個人アカウントで開こうとして権限のエラーになります。通知メールを受け取るアドレスと、そのファイルを開くアカウントの対応を頭の中で結びつけておくと、この行き違いを減らせます。

実務での対処は、着手の時点で決めておくことに寄ります。クライアントに納品するファイルは最初からクライアントの組織に作る、検証用や学習用のファイルは個人アカウントに作る、という線引きです。この線引きがあると、切り替えの回数そのものが減ります。どのアカウントで作業を始めるかを最初に決めることが、あとからの移動作業を防ぐ手段になります。

ログイン方法を揃えておくと切り替えが軽くなる

複数のアカウントを持つときに、意外と効いてくるのがログイン方法の組み合わせです。Figmaはメールアドレスとパスワード、Googleシングルサインオン、SAML SSOの三通りでログインできますが、どれを使ったかによって、切り替えのたびに必要な操作が変わります。

メールアドレスとパスワードでログインしたアカウントは、パスワード管理ツールに登録しておけば入力の手間が小さく済みます。Googleシングルサインオンを使ったアカウントは、ブラウザにログインしているGoogleアカウントに引きずられます。会社のGoogleアカウントと個人のGoogleアカウントの両方でブラウザにログインしている状態だと、追加の途中でどちらを使うかを選ぶ画面が出て、選び間違えると意図しないアカウントが作られることがあります。

SAML SSOのアカウントは、クライアント側のIDプロバイダーの設定に従います。セッションの有効期限が短く設定されていれば、一定時間で自動的にログアウトされ、そのたびに認証を通し直すことになります。この差があるため、どのアカウントがどの方式なのかを手元に書き出しておくと、切り替えに時間がかかる原因を特定しやすくなります。

複数のアカウントを持つ場合に決めておきたいのは、常時開いておくアカウントと、必要なときだけ開くアカウントの線引きです。毎日触るアカウントはログイン状態を保ち、月に数回しか使わないアカウントは都度ログインする。この区別をつけておくと、同時ログインの枠を持て余すことも、枠を使い切って探し回ることもなくなります。

切り替えの負荷はアプリの数だけ積み上がる

Figmaの切り替えは、ひとつのアプリの中で完結する仕組みです。ただし、デザインの仕事はFigmaだけでは終わりません。Slackで指示を受け、Notionで仕様を確認し、Gmailで先方とやり取りし、Google Driveで素材を受け取る。それぞれのサービスに、それぞれのアカウントがあります。

問題は、切り替えの作法がサービスごとに違うことです。Figmaは左上のユーザー名、別のサービスは右上のアバター、また別のサービスはブラウザのプロファイル。クライアントを切り替えるたびに、この違いを順番に思い出しながら手を動かすことになります。ひとつの切り替えにかかる時間は数秒でも、一日に何度も繰り返せば、注意が途切れる回数として積み上がります。

ここで発想を変えると、対策はアプリごとの切り替え機能を磨くことではなく、アカウントの組み合わせを丸ごと切り替えられる状態を作ることに向かいます。アプリごとに独立したワークスペースを持てるアプリ集約ブラウザを使うと、クライアントAの案件で使うFigma、Slack、Notionをひとつのまとまりとして開き、別の案件は別のまとまりに分けられます。セッションが窓ごとに独立しているため、同じサービスの別アカウントを同時に開いたままにできます。

案件単位で窓を分けるという設計

Webアプリをまとめるブラウザを検討する場合、見る点は三つに絞れます。同じサービスを複数アカウントで同時に開けるか、通知をアプリ単位で切り分けられるか、使っているサービスが登録済みの一覧に入っているか。アプリごとに領域を分ける考え方はワークスペースのページに整理されており、通知の扱いやショートカットを含む全体像はできることにまとまっています。

Figmaのように業務の中心になるサービスが登録済みかどうかは使えるアプリで確認できます。同じ分野の他の選択肢と比べたい場合は、代表的な製品との違いを並べたWaveboxとの比較Shiftとの比較が判断材料になります。費用の考え方は料金に、導入前に出やすい疑問はよくある質問にまとめられています。

Figmaのアカウントは、仕事の相手が増えるほど増えていきます。上限が10個ある以上、数で困ることは少なく、実際に効いてくるのはどのアカウントで何を開くかという設計です。着手の時点で置き場所を決め、案件ごとに窓を分けておく。この二つを先に固めておくと、切り替えの操作は迷わなくなります。

よくある質問

Figmaは何個のアカウントに同時にログインできますか?

公式ヘルプでは、同時に最大10個のアカウントにログインでき、それらをすぐに切り替えられると案内されています。ログアウトとログインを繰り返す必要はありません。figma.comを開いたときは、最後に表示していたアカウントのファイルブラウザから始まる挙動になっています。

アカウントを切り替える操作はどこにありますか?

ファイルブラウザの左上隅にあるユーザーの名前をクリックすると、アカウントの一覧が開きます。そこから切り替えたいアカウントを選ぶと、そのアカウントでファイルブラウザが表示されます。一覧に出てこない場合は、アカウントの追加から先にログインする必要があります。

ファイルを開こうとしてアクセス権がないと表示されるのはなぜですか?

いま開いているアカウントが、そのファイルの共有先になっていない状態です。ファイルが消えたわけではないため、共有先のアカウントに切り替えてから同じURLを開き直すと表示されます。ブックマークから開く運用では、この取り違えが起きやすくなります。

個人アカウントで作ったファイルをクライアントの組織に移せますか?

Figmaにはファイルやプロジェクトの所有権を移す仕組みと、フォルダやチームを別のアカウントへ移す仕組みがあります。移動は受け取り側の承認を伴う二段階の手続きです。コピーで渡すとコメントやバージョンの履歴が引き継がれないため、正式な移動の手順を使うほうが安全です。

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