MacでGmailをアプリ化する手順|通知とウィンドウの設定まで

mac gmail アプリ 化を調べる人が最初に突き当たるのは、App Storeを探しても目的のものが出てこないという事実だ。公式のMac用Gmailアプリは提供されていない。それでも、Dockにアイコンを置いてウィンドウを独立させ、通知を受け取る形にするところまでは、追加のソフトを入れずに標準の機能だけでできる。ここではSafariとChromeの2通りの手順を分けて示し、そのうえでアプリ化しても残る問題を先に明かす。読み終えた時点で、どちらの手順を踏むか、複数のアカウントをどう分けるかまで決められる状態を目指す。

公式のMac用アプリは無い、という前提から始まる

検索する人の多くは、iPhoneのGmailアプリと同じものがMacにもあると考えている。実際にはmacOS向けの公式アプリは配布されていない。この食い違いは質問サイトにもそのまま現れている。

MacBookを購入しました。gmailのアプリを導入したいのですが、公式のアプリが見つかりません。もしかして純正アプリは存在しないのでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

代わりに用意されているのが、Webサイトをアプリの形で開く仕組みだ。ブラウザの機能としてWebアプリ化に対応しており、Dockにアイコンが並び、ウィンドウからはアドレスバーやタブの列が消える。Appleは自社の資料でこの形を「WebサイトをDockに追加してアプリにする」と説明している。Googleも同様に、Chromeの機能として「ページをアプリとしてインストール」を案内している。

つまり、探すべきものはアプリそのものではなく、手元のブラウザに入っているアプリ化の機能ということになる。この違いを押さえておくと、App Storeで似た名前の非公式アプリを選んでしまう回り道を避けられる。非公式のものは料金体系も更新の頻度も配布元ごとに違い、Googleのアカウントの資格情報を通す先が増える。標準の機能で足りる範囲なら、そこで止めておくほうが管理する対象が少なくて済む。

選び方の分かれ目は2つある。1つは普段どのブラウザを使っているか。もう1つは、同じサービスのアカウントを複数持っているかどうかだ。前者は手順の違いで、後者はアプリ化そのものの限界に関わる。

SafariでDockに追加してWebアプリにする

Safariを主に使っているなら、手順は4段で終わる。

1つ目にSafariでGmailを開く。2つ目にツールバーの共有のボタンをクリックする。3つ目に「Dockに追加」を選ぶ。4つ目に「追加」をクリックする。これでDockとSpotlightにアイコンが並ぶ。

見落としやすい利点が1つある。Appleの資料では、そのWebサイトにサインインしていた場合はほとんどの場合そのままWebアプリにもサインインされ、ユーザ名とパスワードは同じままだと説明されている。つまり、アプリ化のあとに認証をやり直す必要は基本的に無い。二段階認証を設定していても、ブラウザ側で通っている状態が引き継がれる。

できあがったWebアプリには簡易版のツールバーが付き、Webアプリからも通知を受け取れる。ここが重要なところで、アプリ化はウィンドウの見た目を整えるだけの機能ではなく、通知の受け皿を1つ増やす機能でもある。

作ったあとの調整もできる。DockのWebアプリを開き、メニューバーでアプリ名をクリックして設定を開くと、一般の項目で次の内容を変えられる。アプリケーション名、アプリケーションURL、Dockのアイコンの画像、ナビゲーションコントロールを表示するかどうか、タイトルバーにカラーを表示するかどうかだ。

アカウントを2つ以上アプリ化する場合、ここの「アプリケーション名」が効いてくる。既定の名前はどちらも同じになるため、Dockに同じ名前のアイコンが並んで見分けが付かない。会社用と個人用のように名前を変えておくと、Spotlightから呼び出すときにも取り違えが減る。アイコンの画像を別にしておけば、Dockを目で追うだけで判別できる。

Chromeでページをアプリとしてインストールする

Chromeを主に使っている場合は、別の手順になる。Chromeでインストールしたいサイトを開き、右上のその他のアイコンから「キャスト、保存、共有」を選び、「ページをアプリとしてインストール」を選ぶ。サイトによっては、アドレスバーの右端にインストールのアイコンが出ることもある。あとは画面の指示に沿って進める。

インストールしたWebアプリは、Googleの資料では追加のストレージ、通知、ファイルシステムへのアクセス、アイコンバッジなどの機能を持ちうるものとして説明されている。バッジは未読の件数をDockのアイコンに重ねる表示のことで、受信箱を開かずに件数だけ把握したい人には効く。

作ったあとの管理場所は chrome://apps だ。ここに並んだアプリを右クリックすると、ショートカットを作成してデスクトップやメニューに置けるほか、「起動時に開く」を選んでMacにログインしたときに自動で立ち上げる設定にできる。朝の立ち上げで毎回同じ4つか5つのアプリを開いているなら、ここで自動化しておくと操作が減る。

外したいときも同じ場所から扱える。Webアプリを開いた状態で右上のその他のアイコンからアンインストールを選ぶ。このとき「Chromeからもデータを削除する」を選ぶかどうかを聞かれる。選ばなければ、次に同じサイトをアプリ化したときにサインインの状態が残る。

なお、プロフィールを分けてアカウントを使い分けている場合、アプリ化したWebアプリはそのプロフィールに紐づく。あとからプロフィールを整理すると、アプリ側の参照先が変わることがある。アプリ化の前に、どのプロフィールで作業しているかを確かめておくほうが手戻りが少ない。

アプリ化しても直らないこと

手順を踏めばDockにアイコンは並ぶ。それでも次の3つは残る。先に知っておくと、期待の置き所を間違えない。

1つ目は同じサービスの複数アカウントだ。アプリ化はサイトのURLを開く窓を作る機能であって、認証の入れ物を分ける機能ではない。同じブラウザのプロフィールの中で2つのアカウントをアプリ化すると、どちらの窓も同じセッションを見る。Googleは複数のアカウントに同時にログインする方法を案内しているが、同時にログインしている状態では、新しいウィンドウを開いたときにどのアカウントを使うかをGoogle側で判断できない場合があるとも書いている。その場合はデフォルトのアカウント、多くは最初にログインしたアカウントの設定が適用される。

2つ目はキーボードでの切り替えだ。Safariで作ったWebアプリは独立したアイコンになるが、Chromeでアプリ化した窓の扱いは作りに依存する。Dockのアイコンが分かれても、Command+Tabでの並びや切り替えの挙動が期待通りになるとは限らない。窓が増えたぶん、目で探す時間が増える場合もある。

3つ目は通知の重複だ。アプリ化した窓とブラウザのタブの両方でGmailを開くと、同じ新着に対して通知が2回出る。iPhoneを併用していれば3回になる。アプリ化は受け皿を増やす操作なので、増やしたあとに整理しないと、集中を切る回数は増える方向に動く。

この3つのうち、1つ目だけは設定では解決しない。アカウントごとに保存領域が分かれる作りの道具に移すか、ブラウザのプロフィールを分けて運用するかの二択になる。アプリごとに独立したワークスペースを持つ設計の道具を選ぶと、同じサービスの複数アカウントを別の窓として扱える。この種の道具の機能の範囲はできることで整理されており、アカウント単位で環境を分ける考え方はワークスペースにまとまっている。

通知の設定を、増やしたあとに整える

アプリ化したあとに必ず通るのが通知の調整だ。Gmail側とmacOS側の2か所で設定が要る。

Gmail側は、ブラウザでGmailを開いた状態で右上の設定アイコンから「すべての設定を表示」を開き、デスクトップ通知まで下にスクロールする。ここで「メール通知(新規メール)ON」「メール通知(重要メール)ON」「メール通知 OFF」の3つから選び、最後にページの下部で変更を保存する。同じ場所でメールの通知音も選べる。音を鳴らしたくない場合は「なし」を選ぶ。

注意点が2つある。1つは、受信トレイのカテゴリを使っていて新着メールの通知をオンにした場合、メインのカテゴリの新着に関する通知だけが表示されるという点。もう1つは、ブラウザの通知をすべてオフにしていると通知が届かないという点だ。Chromeでは既定により、サイトが通知を表示しようとするたびに確認のメッセージが出る。この確認で拒否した記憶がないか、設定のプライバシーとセキュリティからサイトの設定、通知の順に開いて確かめる。割り込みを減らしたいだけなら、同じ画面の「静かな方法で通知する」を選ぶ手もある。

macOS側は、アップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーで通知を選ぶ。アプリケーションの通知の一覧からアプリ化した窓を選ぶと、通知を許可するかどうか、通知スタイルをデスクトップと通知センターとロック画面のどこにするか、一時的にするか持続的にするか、アプリケーションアイコンにバッジを表示するか、通知音を鳴らすかを個別に決められる。プレビューを表示の設定は、常に表示、ロックされていないときのみ、表示しないの3つから選ぶ。画面を共有して打ち合わせをする機会が多いなら、ロックされていないときのみか表示しないに寄せておくと、メールの冒頭が相手に見える事故を避けられる。

通知のグループ化も同じ画面にある。自動を選ぶと、メールのメッセージの通知はメールアカウント別にグループ分けされる。アカウントを複数使っているなら、この設定が効く。

窓を増やす前に、数を決める

アプリ化は手段であって、目的ではない。目的は、受信箱を確かめるまでの手数を減らし、割り込みの回数を必要な分だけに絞ることだ。ここを取り違えると、Dockのアイコンが12個に増えて、探す時間が伸びるだけで終わる。

実務では、先に数を決めてから作るほうが収まりがよい。1日に何度も開くものだけをアプリ化し、週に1度しか開かないものはブックマークに残す。この線引きをしておくと、Dockの並びが固定され、位置で覚えられるようになる。位置で覚えられれば、アイコンを目で探す時間がほぼ消える。

複数のWebアプリを毎日行き来する仕事なら、1つずつアプリ化していく方式と、まとめて1つの窓に並べる方式のどちらが合うかを比べる段に来る。まとめる側の道具は複数あり、それぞれ設計が違う。拡張機能を多く使うならWaveboxとの比較が参考になり、無料で始めて必要な分だけ広げたいならRamboxとの比較やFerdiumとの比較で構成の差を確かめられる。

Waveboxは無料のBasicで2グループ、各グループに2つのアプリと拡張機能1つまでという構成で、有料のProは年払いで月あたり8.33米ドルと案内されている。Ferdiumはコミュニティが作る無料の道具で、アカウントを作らずに使え、同じサービスを2つ以上追加して別々のアカウントでログインできると説明されている。料金の形が違えば、置ける窓の数も、拡張機能の扱いも変わる。

どの道具を使うにしても、扱えるサービスの範囲は先に確かめておく価値がある。対応しているサービスの一覧は使えるアプリで、費用の考え方は料金で確かめられる。判断に迷う点が残ったらよくある質問に同じ疑問が並んでいることが多い。

アプリ化した窓を、仕事の順に並べる

最後に、作ったあとの並べ方に触れる。Dockは左から右に並ぶので、朝に開く順で並べておくと、操作が一方向になる。受信箱、予定表、連絡の道具、作業の道具という順に固定しておくと、どこまで確認したかを位置で思い出せる。

窓の数が増えたら、通知を出す窓を絞る。受信箱は通知を出し、資料の置き場は出さない。この線引きを1度決めておくと、あとから足した窓も同じ基準で判断できる。アプリ化の効果が出るのは、アイコンが並んだ時点ではなく、通知の数が必要な分まで落ちた時点になる。

よくある質問

Mac用のGmail公式アプリはありますか?

macOS向けの公式アプリは提供されていません。代わりに、SafariのDockに追加やChromeのページをアプリとしてインストールを使って、Gmailをアプリの形で開く方法が用意されています。どちらも追加の費用はかからず、標準の機能だけで完結します。

アプリ化するとGmailの通知は届きますか?

届きます。ただしGmail側とmacOS側の両方で設定が要ります。Gmailの設定でデスクトップ通知をオンにし、システム設定の通知でそのアプリの通知を許可します。受信トレイのカテゴリを使っている場合、新着の通知はメインのカテゴリに限られます。

複数のGmailアカウントを別々の窓にできますか?

標準のアプリ化では分けられません。同じブラウザのプロフィールで作った窓は同じセッションを見るため、片方を切り替えると両方が変わります。ブラウザのプロフィールを分けるか、アカウントごとに保存領域が分かれる道具に移す形になります。

アプリ化した窓を消すとメールも消えますか?

消えません。アプリ化は表示の窓を作る機能で、メールはGoogleのサーバー側に残ります。Chromeでアンインストールするときにデータの削除を選ぶと、次に開いたときにサインインからやり直す形になりますが、受信箱の中身には影響しません。

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