Gmailに向くMacのアプリのおすすめ|専用アプリとブラウザの使い分け
gmail mac アプリ おすすめで検索すると、11選や15選といった一覧が並ぶ。どれも間違いではないが、並べる基準が書かれていないため、読み終わっても選べない。Gmailを扱うMac用のアプリは、実際には3つの系統に分かれる。標準で入っていて追加の費用がかからないもの、Gmailの仕組みに合わせて作られたもの、複数のアカウントや複数のサービスをまとめるものだ。ここでは系統ごとに何ができて何ができないかを示し、料金は各社の公開されている情報で確かめて並べる。読み終えた時点で、自分がどの系統に居るべきかが決まる状態を目指す。
公式アプリが無いところから、選択肢が枝分かれする
前提を1つ押さえる。macOS向けの公式Gmailアプリは配布されていない。これが分かっていないと、App Storeで似た名前のものを選ぶところから始まってしまう。
MacBookを購入しました。gmailのアプリを導入したいのですが、公式のアプリが見つかりません。もしかして純正アプリは存在しないのでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
公式アプリが無いということは、Gmailに接続する側のアプリを自分で選ぶということになる。接続の方式は大きく2つで、IMAPなどの標準的な方式で繋ぐものと、GoogleのAPIを使ってGmail固有の仕組みに合わせるものだ。この差が、使ったときの違いに直結する。
標準的な方式で繋ぐアプリは、Gmail以外のメールも同じ画面で扱える。そのかわり、ラベルやカテゴリのような仕組みは、フォルダとして読み替えられて表示される。GoogleのAPIを使うアプリは、ラベルやカテゴリをそのまま扱えるが、Gmail以外のアカウントは扱えない。どちらが良いかは、手元に何個のアカウントがあるかで変わる。
もう1つの枝がある。メールのアプリを増やさずに、ブラウザの窓の形で受信箱を扱う道だ。この道は、メール以外のWebサービスも同じ仕組みで並べられるという点で、前の2つとは性質が違う。3系統として分けて考えると、比較の軸が定まる。
標準の「メール」から始める場合
Macに最初から入っているアプリで、追加の費用はかからない。Appleの資料では、1つのアプリですべてのメールアカウントの送受信と管理を始められると説明されている。メッセージはプライマリ、トランザクション、アップデート、プロモーションのカテゴリに自動で分類される。
利点は3つある。1つ目は、システム側の通知の仕組みと素直に繋がることだ。システム設定の通知でアプリごとの扱いを決められ、バッジの表示や通知音、プレビューの出し方を細かく決められる。2つ目は、追加のサブスクリプションが増えないこと。3つ目は、macOSの更新とあわせて手当てされることだ。
弱いところも明確だ。Gmailのラベルは、フォルダとして読み替えられて並ぶ。1通に複数のラベルを付ける運用をしていると、同じメールが複数の場所に見える形になり、慣れるまで戸惑う。検索も、Gmailのウェブ版で使える演算子の全部が同じようには使えない。ラベルと検索を軸に受信箱を整えてきた人には、この2点が効いてくる。
判断の目安はこうなる。アカウントが1つか2つで、フォルダの感覚で分類していて、月々の支出を増やしたくないなら、まずここで足りる。ラベルを何十個も使い分けているなら、次の系統を見る段になる。
Gmailの仕組みに合わせた専用アプリ
Gmail専用として作られているアプリの代表がMimestreamだ。GoogleのAPIを使う設計で、ラベルやカテゴリをGmailと同じ形で扱える。公開されている料金は、個人向けで年額49.99米ドル、月額なら4.99米ドルだ。クレジットカードの登録が要らない14日間の無料試用が用意されている。
条件も公開されている。使える端末は5台までで、同じ世帯に住む家族との共有が認められている。買い切りの販売は無く、サブスクリプションだけが購入の形になる。App Storeでは販売しておらず、直接の販売に絞っていると説明されている。直接配布の版もサンドボックス化され、Appleの公証の手続きを通り、開発元のDeveloper IDで署名されていると明記されている。
この系統を選ぶ理由は1つに絞られる。Gmailの仕組みをそのまま使いたいかどうかだ。ラベル、カテゴリ、検索の演算子を毎日使っているなら、専用アプリの方が操作の数が減る。逆に、Gmail以外のアカウントを同じ画面で扱いたいなら、この系統は外れる。Gmail以外に繋がらないという制約が、設計上そこに含まれている。
年額49.99米ドルという数字をどう見るかは、1日に受信箱を開く回数で変わる。1日に30回開く人なら、1回あたりの操作が1つ減るだけでも、年間で1万回近い差になる。ここは支出ではなく手数で比べる場面になる。
複数のアカウントをまとめる系統
複数のメールアカウントを1つの受信箱で扱う設計のアプリも複数ある。料金と条件は各社の公開情報で確かめられる。
Sparkは無料の枠を持ち、その枠でもメールアカウントの数に上限を設けていないと案内されている。有料のPlusは1ユーザーあたり月額10米ドル、年払いにすると年額99米ドルになる。さらに上のProは月額20米ドル、年払いで年額199米ドルだ。
MicrosoftのOutlookはMac App Storeで無料と表示され、アプリ内課金がある形になっている。説明文では、個人のメールアカウントが無料になったこと、Microsoft 365やOutlook.comに加えてGmailやYahoo!、iCloud、IMAP、POPのアカウントに対応することが挙げられている。広告を表示しない形にするにはプレミアムのサブスクリプションを追加する形になる。
Thunderbirdは無料のオープンソースで、Windows、Linux、macOS向けに配布されている。寄付で運営される形を取っており、料金の支払いは発生しない。
HEYは考え方が違う。@hey.comのアドレスを含むサービスとして年額99米ドルで提供され、30日間の無料試用が付く。独自のドメインで使うHEY for Domainsは1ユーザーあたり月額12米ドルで、最初の1人だけ月額10米ドルになる。既存のGmailアドレスをそのまま使い続けたい人の選択肢ではなく、アドレスごと移す前提の道具という位置づけになる。
3系統の比較
| 系統 | 代表 | 料金 | Gmail以外のアカウント | Gmailのラベル |
|---|---|---|---|---|
| 標準アプリ | メール | 無料 | 扱える | フォルダとして表示 |
| Gmail専用 | Mimestream | 年49.99米ドル / 月4.99米ドル | 扱えない | そのまま扱える |
| 複数まとめ | Spark | 無料枠あり / Plus月10米ドル | 扱える | フォルダとして表示 |
| 複数まとめ | Outlook | 無料(アプリ内課金あり) | 扱える | フォルダとして表示 |
| 複数まとめ | Thunderbird | 無料 | 扱える | フォルダとして表示 |
| 独自サービス | HEY | 年99米ドル | 移行が前提 | 対象外 |
金額は各社が公開している米ドル建ての表示で、税や付加価値税が別に加わる場合がある。
表を眺めると、判断の軸が3つに絞れる。1つ目はGmailのラベルを使うかどうか。2つ目はGmail以外のアカウントがあるかどうか。3つ目は月々の支出を増やせるかどうかだ。この3つに答えると、候補は1つか2つに落ちる。
メールのアプリでは解決しない部分
ここまでの系統はすべて、メールの中の話だ。実際に1日を通して詰まるのは、その外側で起きていることが多い。
同じサービスのアカウントを複数持っている場合、メールのアプリは受信箱をまとめてくれるが、その会社の管理画面や資料の置き場は別のタブに残る。会社用と個人用で同じサービスを使っていると、ログインし直す操作が1日に何度も入る。メールのアプリを替えても、この操作の数は変わらない。
通知の重複も残る。メールのアプリ、ブラウザのタブ、iPhoneの3つで同じ新着を受け取ると、1通に対して3回の割り込みが入る。アプリを増やす方向の対処は、この数を増やす方向に働く。
ここで出てくるのが3つ目の系統だ。Webアプリを窓の単位で並べ、アプリごとに独立したワークスペースを持たせる設計の道具を使うと、同じサービスの複数アカウントを別の窓として扱える。メールもその窓の1つとして並ぶため、受信箱だけを特別扱いする必要がなくなる。この考え方の範囲はできることに整理されており、アカウント単位で環境を分ける仕組みはワークスペースにまとまっている。
窓でまとめる系統の料金の形
この系統も複数あり、料金の形が分かれる。Waveboxは無料のBasicで2グループ、各グループに2つのアプリと拡張機能1つまでという構成になっている。有料のProは年払いで月あたり8.33米ドル、Teamsは1ユーザーあたり月額12.50米ドルだ。無料試用は7日間で、クレジットカードの登録は要らないと案内されている。
Ferdiumはコミュニティが作る無料の道具で、アカウントを作らずに使える。同じサービスを2つ以上追加して別々のアカウントでログインできると説明されている。使わないサービスを休止させて資源の消費を抑える仕組みも持つ。
構成の違いは実際の使い勝手に出るので、候補に入れるなら先に確かめる価値がある。拡張機能を多く使う運用ならWaveboxとの比較、チームで揃えるならShiftとの比較、無料から始めるならFerdiumとの比較がそれぞれ設計の差を示している。扱えるサービスの範囲は使えるアプリで、費用の考え方は料金で確かめられる。
乗り換えるときに手が止まる場所
アプリを決めたあと、実際の設定で止まりやすい場所が3つある。先に知っておくと、試用の14日間を設定に費やさずに済む。
1つ目は二段階認証だ。標準的な方式で繋ぐアプリにGoogleのアカウントを追加する場合、二段階認証を使っていると通常のパスワードでは通らないことがある。この場合はアプリパスワードを作って入力する形になる。Googleの案内でも、POPでの接続がサーバーに拒否されたときの対処としてアプリパスワードの作成が挙げられている。
2つ目はラベルの読み替えだ。Gmailで1通に3つのラベルを付けていると、フォルダとして読み替えるアプリでは同じメールが3か所に見える。件数の表示も場所ごとに出るため、未読の合計が実際より多く見える。移す前に、よく使うラベルを5個から10個に絞っておくと、移したあとの見え方が落ち着く。
3つ目は通知の重ね掛かりだ。新しいアプリを入れた時点で、ブラウザのタブで開いていたGmailの通知はそのまま残る。Gmailの設定でデスクトップ通知をオフにするか、システム設定の通知でブラウザ側の通知を止めるか、どちらかを決めておく。両方を残すと、1通に対して2回の割り込みが入る形になる。
この3つを設定の初日に片付けておくと、試用の期間を本来の比較に使える。比べるべきは、受信箱を開いてから返信を送るまでの操作の数だ。見た目の好みは3日で慣れるが、操作の数は毎日積み上がる。
決め方を1つの順番にする
最後に順番だけ示す。まず手元のアカウントを数える。Gmailが1つで他に無いなら、標準のメールで足りるかを2週間試す。Gmailが1つでラベルを多用しているなら、Gmail専用アプリの14日間の無料試用で操作の数を比べる。Gmail以外のアカウントがあるなら、無料枠を持つ複数まとめ系で足りるかを見る。
同じサービスのアカウントが2つ以上あるなら、メールのアプリを選ぶ前に、窓で分ける系統を先に試す順番になる。ここを逆にすると、メールのアプリを選び直しても切り替えの操作が残り、選定をもう一度やることになる。判断に迷う点が残ったらよくある質問に同じ疑問が並んでいることが多い。
よくある質問
Mac用のGmail公式アプリはありますか?
macOS向けの公式アプリは配布されていません。Gmailに接続する側のアプリを選ぶ形になり、標準のメール、Gmail専用のアプリ、複数アカウントをまとめるアプリの3系統から選びます。標準のメールとThunderbirdは無料で使えます。
無料で使えるアプリだけで足りますか?
アカウントが1つか2つで、フォルダの感覚で分類しているなら足ります。標準のメール、Thunderbird、OutlookのMac版、Sparkの無料枠がその範囲です。Gmailのラベルを何十個も使い分けている場合は、有料の専用アプリの方が操作が減ります。
Mimestreamの料金はいくらですか?
公開されている料金は個人向けで年額49.99米ドル、月額なら4.99米ドルです。14日間の無料試用があり、クレジットカードの登録は求められません。使える端末は5台までで、買い切りの販売は用意されていません。
同じサービスのアカウントを2つ使う場合はどう選びますか?
メールのアプリを替えても、会社用と個人用の切り替えの操作は残ります。アカウントごとに保存領域が分かれる作りの道具を先に試し、そのうえでメールのアプリを決める順番が手戻りが少なくなります。