Googleのブックマークを移行する|書き出しと読み込みの手順
新しいパソコンを開いたら、ブックマークバーが空だった。前の機械には毎日開くWebアプリが並んでいたのに、移す方法を調べ始めると、同期の話とファイルの書き出しの話が混ざって出てくる。「google ブックマーク 移行」で検索した人が最初に知りたいのは、どちらを選べばよいのかという1点である。
道は2つしかない。Googleアカウントに保存して同じアカウントでログインするか、HTMLファイルとして書き出して移行先で読み込むかである。以下では、それぞれの公式の手順と、読み込んだブックマークが実際にどこへ入るか、そして移行が終わったあとに残る問題までを分けて整理する。
移行の道は2つで、選ぶ基準は1つ
どちらを選ぶかは、移行先でもそのアカウントを使い続けるかどうかで決まる。使い続けるなら同期、一度だけ移したいなら書き出しと読み込みである。
| 方法 | 向いている状況 | 移行後の関係 |
|---|---|---|
| Googleアカウントで同期 | 同じアカウントで新しい機械を使い続ける | 以後も両方の機械で同じ状態が続く |
| HTMLに書き出して読み込む | 一度だけ移す。移行元と移行先でアカウントが違う | 移した時点の複製ができ、以後は別々に育つ |
この切り分けを短くまとめた説明が、移行の手順を紹介する記事にも出てくる。
ブックマーク移行は「同期する」か「エクスポートしてインポートする」のどちらかでOK。普段から同じアカウントで作業するなら同期が便利。一度だけ移したいなら、エクスポート&インポートの方法がいちばん手っ取り早いです。 出典: note.com
判断を迷わせるのは、この2つが排他ではないことである。同期を使っている人でも、会社のアカウントから個人のアカウントへ移すときや、別のブラウザへ渡すときは書き出しの道を通る。逆に、いま書き出しで移した人が、翌月から同期を始めることもできる。片方を選んだら戻れないという性質のものではないので、いまの状況に合う側から始めればよい。
もう1つ、先に決めておくとよいことがある。移行先で「前の機械の状態をそのまま再現したい」のか、「使っていないブックマークを落として作り直したい」のかである。前者なら同期が速い。後者なら書き出したHTMLを開いて中身を眺め、必要なものだけを選び直すほうが、あとの手間が減る。
同期で引き継ぐときに見る3か所
同期を選ぶ場合、操作はログインだけで終わる。Googleのヘルプによれば、パソコンでChromeを開き、右上のプロファイルから「Chromeにログイン」を選んでログイン情報を入力すると、Googleアカウントに情報を保存できる状態になる。
保存の対象は、ブックマークだけではない。ヘルプはブックマーク、リーディングリスト、パスワード、お支払い情報、ドキュメントや連絡先情報などのID、拡張機能、ウェブアプリ、設定を挙げている。移行という言葉で頭に浮かぶものの大半が、この一覧に含まれている。
ただし、履歴とタブは扱いが分かれている。Googleのヘルプは、右上のその他アイコンから「設定」の「Googleの設定」を開き、アカウント名を選んで「履歴とタブ」をオンにすると、タブと閲覧履歴もGoogleアカウントに同期できると案内している。ブックマークは来たのに履歴が来ないという状態は、ここが切れている形である。
保存する情報を選ぶ場所も同じ画面にある。設定の「Googleの設定」からアカウント名を選ぶと、Googleアカウントに保存する情報を選べる。仕事の機械にはブックマークだけを持ってきて、パスワードは持ってこないという使い方は、この画面で作る。
すでに手元にあるブックマークの扱いにも注意点がある。Chromeからログアウトしている間に作ったブックマークは、その機械にしか無い。ヘルプは、Chromeにログインしたうえで右上のプロファイルから「アカウントに x 件のアイテムを保存」を選び、保存する情報を選んで「アカウントに保存」を選ぶ手順を案内している。新しい機械でログインしたのに古いブックマークが出てこないときは、移行元でこの操作が済んでいない可能性を先に見る。
同期にはもう1つ、知っておくと事故を避けられる設定がある。パスフレーズである。Googleのヘルプは、パスフレーズを使うとGoogleにデータを読み取られることなくChromeのデータを保存できると説明する一方で、設定すると新しいデバイスでログインするときにパスフレーズが必要になり、保存したパスワードをpasswords.google.comで確認したりSmart Lock for Passwordsを使ったりすることはできなくなり、Googleアカウントに履歴が一切同期されなくなると書いている。移行のときにパスフレーズを忘れていると、同期そのものが止まる。
HTMLファイルに書き出して読み込む手順
一度だけ移す場合は、ファイルを1つ作って運ぶ。Googleのヘルプに載っている書き出しの手順は次のとおりである。
- パソコンでChromeを開く
- 右上のその他アイコンから「ブックマークとリスト」の「ブックマーク マネージャ」を選ぶ
- 上部のその他アイコンから「ブックマークをエクスポート」を選ぶ
これでブックマークがHTMLファイルとして書き出される。ヘルプは、このファイルを使って別のブラウザにブックマークをインポートすると説明している。書き出したファイルは日付を入れた名前に変えておくと、あとで複数の世代が混ざらない。
読み込む側の手順も公式に決まっている。Chromeを開き、右上のその他アイコンから「ブックマークとリスト」の「ブックマークと設定をインポート」を選び、「ファイルを選択」をクリックして、ファイルを選んで「開く」と「完了」を選ぶ。Chromebookでは、ブックマーク マネージャを開いて左上の「管理」をクリックし、プルダウンメニューで「HTMLファイルからブックマークをインポート」を選んで、保存したHTMLファイルをアップロードする。
読み込んだあとに探す場所も、ヘルプに書かれている。Chromeにそれまでブックマークが無かった場合、インポートしたブックマークはブックマークバーに表示される。すでにブックマークがある場合は、ブックマークバーの最後にある「その他のブックマーク」フォルダに追加される。Chromebookの説明では「インポートしたブックマーク」という新しいフォルダに入る。移したはずのブックマークが見つからないという相談は、ほとんどがこの置き場所の話である。
書き出しと読み込みが何をしているのかを言葉で押さえておくと、操作の順番を間違えにくい。
エクスポートしてインポートとは何かというと、移行元のパソコンからデータを出力(エクスポート)して、移行先のパソコンに入力(インポート)することを指します。つまり元のパソコンで使っていたブックマークを他のパソコンでも利用できるというわけです。 出典: dime.jp
移行元の機械がまだ手元にあるうちに、書き出しだけ先に済ませておくのが安全である。返却や初期化の日が決まっているなら、同期を試す前にHTMLを1つ作っておく。同期が思ったように動かなかったときの戻り道になる。
別のブラウザとのあいだで受け渡すとき
移行先がChromeではない場合も、通り道は同じHTMLファイルである。Googleのヘルプは、FirefoxやSafariなどほとんどのブラウザからブックマークをインポートできるとして、そのブラウザで示される手順に沿ってブックマークをHTMLファイルとして保存またはエクスポートしてから、Chromeで読み込む流れを案内している。
逆向きも同じ形になる。Chromeから書き出したHTMLを、移行先のブラウザの読み込み機能で開く。読み込みの入口の名前と場所はブラウザごとに違うため、移行先の公式の案内を当たるのが確実である。ブラウザを乗り換える相談で「ブックマークだけは持っていきたい」という条件が通りやすいのは、この形式が事実上の共通の受け渡し口になっているからである。
受け渡しで運べないものも、先に把握しておく。拡張機能とパスワードはブックマークのHTMLには入らない。パスワードはGoogleパスワードマネージャーの側に別の書き出しの手順があり、拡張機能は移行先で入れ直すことになる。ブックマークだけが移って仕事が再開できないのは、ここを別の作業として数えていないときである。
移行でつまずきやすい4か所
手順どおりに操作しても結果が合わないときは、次の4つを順に見ると原因が絞れる。
- プロファイルの取り違え。Chromeは複数のプロファイルを使い分けられる。ブックマークはプロファイルごとに別なので、読み込んだプロファイルと日常で使っているプロファイルが違えば、当然どこにも出てこない
- アカウントの取り違え。仕事と私用で別のGoogleアカウントを使っている場合、ログインしたアカウントのブックマークしか降りてこない。Googleのヘルプも、パソコンを共有する場合や仕事とプライベートを使い分けたい場合は新しいプロファイルを作る形を案内している
- 二重の読み込み。同じHTMLを2回読み込むと、同じブックマークが2組できる。読み込み直す前に、前回の読み込みで作られたフォルダを確かめる
- 書き出したファイルの置き忘れ。移行が終わったあと、HTMLをデスクトップやダウンロードフォルダに残したままにしない。ブックマークにログイン用のURLが入っていることは珍しくない
つまずいたときの復旧のしやすさも、方法によって違う。書き出しと読み込みは、移行元をそのまま残したまま複製を作る操作なので、失敗しても元が消えない。同期は状態が両方に伝わるため、移行先で整理した結果が移行元にも及ぶ。整理と移行を同じ日にやるなら、この違いを意識しておく。
移したあとに残るのは、置き場所の問題
移行が終わって気づくのは、ブックマークバーがすでに機能していないという事実である。数年前のブックマークは「ときどき見るページ」の入れ物だったが、いまそこに並んでいるのはGmail、チャット、案件管理、生成AIの画面といった、1日に何十回も戻る作業場である。戻る回数が多いものをブックマークに置くと、毎回タブを探す時間が乗ってくる。
ここで効くのは、ブックマークを整理することではなく、毎日戻るものをブックマークから外すことである。アプリごとに独立したワークスペースという考え方で作られたWebアプリをまとめるブラウザは、サービスごとに窓とログインの置き場所を分ける。仕組みの説明はワークスペースにあり、何ができるかはできることにまとまっている。自分が毎日開いているサービスが扱えるかどうかは、開けるサービスを並べた使えるアプリで確かめられる。
この形にすると、ブックマークの役割が変わる。毎日戻るサービスは窓の側にあるので、ブックマークバーには資料や社内のページだけが残る。タブを30枚開いたまま目的のページを探す動きが減り、移行のときに運ぶ対象も小さくなる。開発の作業まで同じ並びに置きたい場合の扱いはターミナルにある。
導入の前に知っておく損得もある。サービスごとにログインをやり直す手間が要り、窓を開いたままにするのでメモリの使用量は増える。この種の道具は月額の有無と対応OSで性格が変わるため、条件を並べたWaveboxとの比較を先に読み、費用の考え方は料金で確かめてから決めると外しにくい。導入前に出やすい疑問はよくある質問に並んでいる。
今日のところは、順番だけ決めておけばよい。移行元の機械が手元にあるうちにHTMLを1つ書き出す。移行先で同じアカウントを使い続けるならログインして同期を入れ、使わないならそのHTMLを読み込む。読み込んだブックマークは「その他のブックマーク」を先に見る。この3手で、移行そのものは終わる。
よくある質問
同期と書き出しは、どちらを選べばよいですか?
移行先でも同じGoogleアカウントを使い続けるなら同期が速く、ログインするだけで済みます。移行元と移行先でアカウントが違う場合や、一度だけ移したい場合は、HTMLファイルに書き出して読み込む方法が向いています。移行元の機械を返却する予定があるなら、同期を試す前にHTMLを1つ書き出しておくと戻り道が残ります。
読み込んだはずのブックマークが見つかりません。どこにありますか?
Chromeにすでにブックマークがある場合、読み込んだブックマークはブックマークバーの最後にある「その他のブックマーク」フォルダに追加されます。もともとブックマークが無かった場合はブックマークバーに表示されます。Chromebookでは「インポートしたブックマーク」という新しいフォルダに入ります。まずこの3か所を見てください。
ブックマークと一緒にパスワードや拡張機能も移りますか?
ブックマークのHTMLファイルには、パスワードも拡張機能も含まれません。Googleアカウントにログインして同期する場合は、ブックマークのほかにパスワードや拡張機能なども保存の対象になりますが、書き出しと読み込みで移す場合はブックマークだけです。パスワードはパスワードマネージャー側の書き出し、拡張機能は移行先での入れ直しになります。
書き出したHTMLファイルは、そのまま保管してよいですか?
移行が終わったら消すか、他人が触れない場所へ移してください。ブックマークには社内のページやログイン用のURLが入っていることがあり、ファイルはそのまま開いて中身を読める形です。移行の記録として残すなら、日付を入れた名前にして、共有フォルダやデスクトップではない場所に置いてください。