Raycastの使い方|Webアプリまで一手で開く設定

raycast 使い方を調べる人の多くは、入れたあと1週間で使わなくなった経験を一度している。機能の数が多く、紹介記事はどれも別の機能を推しているため、自分の作業のどこに当てればよいかが決まらないまま終わる。ここでは公開されている手引きと料金表に沿って、無料でできる範囲、最初に決める設定、そして毎日Gmail・Slack・Notionを行き来している人の場合にどこまで届いてどこが残るのかを順に示す。読み終えた時点で、入れるかどうかと、入れたあと最初に触る画面が決まる状態を目指す。

無料でどこまで使えるかを先に確定させる

判断を早くするには、料金の線引きを先に見るのが速い。公開されている個人向けの月額は次の通りになる。

プラン 月額(個人)
Free 0ドル
Pro 10ドル
Plus 20ドル
Max 50ドル

チーム向けは1人あたりの月額で、無料が0ドル、Proが15ドル、Plusが25ドル、Maxが65ドルと案内されている。学生には、Proに限って50%の割引が用意されている。

重要なのは、無料の範囲が思われているより広いことだ。公式のよくある質問では、個人向けプランには課金しないと明言されていて、無料のプランでクリップボード履歴、カレンダー、ウインドウ管理といった標準の拡張すべてと、コミュニティが作った公開済みの拡張すべてが使えると書かれている。無料プランとチームの無料プランは、法人環境を含む組織での利用も可能で、無料の機能を使うために有料へ上げる必要はないとされている。

有料と無料の差が出るのは主にAIになる。有料のProプランはすべてAIを含む形で、AIなしのProは提供されていない。設定からAIを完全にオフにすることはできる。チームの無料プランには期限は無いが、共有できるスニペットが30個、共有できるQuicklinksが30個、拡張全体でのコマンドが5個までという上限がある。

つまり、AIを目的としないなら、まず無料で全部試してから決められる。

入れた直後に決める設定は3つだけ

機能の一覧を上から触ると挫折する。公式の手引きも、最初にやることを5段に絞っている。その中で設定として決めるべきものは3つになる。

1つ目は呼び出しキーだ。既定では ⌘ Space または Alt Space が「Raycastを開く、または閉じる」に割り当てられていて、変更できると案内されている。⌘ Space はmacOSでSpotlightに使われているため、そのまま使うならSpotlight側を外すか、Alt Space のままにするかを先に決める。ここを曖昧にすると、呼び出しに失敗した記憶だけが残る。

2つ目はAction Panelの位置づけだ。アプリ、ファイル、フォルダ、コマンド、検索結果を選んだ状態で ⌘ K を押すと、その項目に対して実行できる操作が全部並ぶ。公式の説明では、Raycastにできることの多くはここから引き出されるとされている。覚えるキーはこの1つで、あとは並んだ中から選ぶ形になる。

3つ目はエイリアスになる。コマンドに短い合言葉を割り当てると、検索欄にその文字を打った時点で候補の先頭に来る。公式の例では、Google Chromeに gc、クリップボード履歴に cb を割り当てる形が挙げられている。設定方法は2つあり、検索結果でコマンドを選んで ⇧ ⌘ , を押すか、Action Panelから Configure Command を開いて Set Alias を選ぶ。完全に一致したときは最上位に来るため、あいまい検索より結果が予想しやすい。

この3つを決めるだけで、ランチャーとしての形は整う。残りの機能は、必要になった時点で足せばよい。

クリップボード履歴とスニペットの使い方

実際に効く時間が長いのは、この2つになる。どちらも標準の機能で、無料の範囲に入っている。

クリップボード履歴は、コピーしたテキスト、画像、ファイル、リンク、メールアドレス、色を記録する。呼び出したあと ⌘ P を押すと、種類で絞り込める。貼り付けは returnで、⌘ K を押すと書式を落として貼る Paste as Plain Text などの操作が並ぶ。設定で「常に書式なしで貼る」を有効にしておくこともできる。画像に写っている文字を取り出す操作や、QRコードから文字とリンクを取り出す操作も同じ画面から呼べる。公式は、この機能には合言葉か専用の呼び出しキーを設定して、常に直接開ける状態にしておくことを推奨している。

スニペットは、繰り返し打つ文章を登録して、どのアプリでも呼び出せるようにする機能になる。作り方は、Create Snippet を開いて本文と名前を入れ、必要なら合言葉を付ける。合言葉を付けておくと、どのアプリの入力欄でもその文字を打った瞬間に本文へ置き換わる。ブラウザ、エディタ、メール、チャットのどれでも同じように働く。本文の上限は65,000文字と案内されている。

合言葉の付け方には注意点がある。公式は、うっかり打ってしまわない文字を選ぶよう促していて、先頭に感嘆符、セミコロン2つ、スラッシュ2つを付ける形を例に挙げている。普通の単語を合言葉にすると、文章を書いている途中で勝手に置き換わる事故が起きる。

ウインドウの配置と操作スペースも扱える

画面の整理まで1つの入口から行える点は、道具を減らしたい人には大きい。

用意されているコマンドは細かく分かれている。全画面の切り替え、最大化、高さだけの最大化、幅だけの最大化、左右と上下の半分への移動、中央への配置、画面の端への移動、直前の大きさと位置に戻す操作。座標や大きさを数字で指定する形もあり、100,100のように打ち込める。Reasonable Size は画面の60%の大きさに整える指定で、上限は1025×900ピクセルと案内されている。

複数のディスプレイを使っている場合は、前後のディスプレイへ窓を送る操作が使える。macOSの操作スペースについても、前後のスペースへ窓を送る操作と、番号で仮想デスクトップを開いたり閉じたりする操作が用意されている。Mission Controlを開いてドラッグする往復が消えるため、操作スペースを役割ごとに分けている人には効きやすい。

画面を3分割、4分割、6分割の位置に収める指定もあるので、同時に見比べる資料が複数あるときは、この系統のコマンドに合言葉を付けておくと手が速くなる。

呼び出しキーをアプリごとに割り当てる

ここが、ランチャーを入れたときにいちばん体感が変わる部分になる。よく開くアプリやQuicklinkに専用のキーを割り当てると、検索欄に文字を打つ手順すら消える。

手順は、検索欄でアプリを選び、Action Panelを ⌘ K で開き、Configure Command から Set Hotkey を選んで、使いたいキーを押す。以後はどのアプリの中からでも、そのキーでその画面へ飛べる。公式は、optionキーとアプリの頭文字を組み合わせる形を、始めるときの分かりやすい決め方として挙げている。

この形の利点は、押す回数が固定されることだ。command + tab は最近使った順に候補が並ぶため、目的のアプリに着くまでの回数が毎回変わる。専用のキーなら常に1回で、回数が変わらない操作だけが指に定着する。

道具を入れる動機は、だいたい同じところから来る。

Macを使っていて、こんな風に感じたことはありませんか? 日々の作業効率を上げたいけれど、なかなか良い方法が見つからない。そんな悩みを抱える方は少なくないでしょう。 出典: chatgpt-lab.com

割り当てを決めるときの目安は、1日に10回以上開く相手に限ることになる。数が増えるとキーの組み合わせを思い出せなくなり、結局検索欄に戻る。最初は3つか4つで十分だ。

Webアプリの行き来には、届く部分と残る部分がある

毎日Gmail・Slack・Notionを開いている人にとって、ここが判断の分かれ目になる。

届く部分は明確にある。公式サイトには、開いているタブ、ブックマーク、閲覧履歴をGoogle Chromeの中から検索する拡張が並んでいて、Arcについても開いているタブと履歴をたどる拡張が用意されている。つまり、ブラウザのタブを名前で探して開く動作は、ランチャーの側から呼べる。⌘ + option + 矢印で隣のタブへ動く操作に比べれば、押す回数は確実に減る。

残る部分は、同じサービスを複数のアカウントで開いている場合になる。仕事用のGmailと個人用のGmailは、タブの名前がほとんど同じになる。名前で探す方式は、名前が違うことを前提にしているので、ここでは候補が並んだあとに目で選ぶ工程が戻ってくる。ログインの切り替えが必要な場合は、そもそも同時に開けていないため、探す対象が存在しない。

もう1つ残るのは通知になる。ランチャーは呼び出しを速くする道具であって、どのアプリに何件届いているかを見張る役ではない。通知が来たから見に行く、という往復の回数自体は変わらない。

この2点が自分の詰まりに当たっているかどうかで、次に足すものが変わる。当たっていないなら、ランチャー1つで足りる。

窓に分けると、指定が一意になる

同じサービスの複数アカウントと通知が残るなら、対象をタブから窓に移す方向が噛み合う。アプリを1枚のタブではなく1つの窓として扱えば、名前ではなく置き場所で指定できるようになる。

Webアプリを窓の単位で並べる考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、仕事用と個人用のGmailが別の窓として同時にログインしたまま並ぶため、候補から選ぶ工程も、ログインし直す往復も消える。通知を1か所に集める仕組みや、アプリごとに拡大率と消音を覚える形はできることに並んでいる。ターミナルを同じ窓の中に置いたまま作業する形はターミナルにある。

同じ方向の道具は複数あり、引き受ける範囲が違う。複数アカウントの分離、通知の集約、拡張機能の可否といった項目ごとに並べたものがWaveboxとの比較とSidekickとの比較にある。ランチャーと役割が重なる部分は少ないので、どちらかを選ぶ話ではなく、どちらが自分の詰まりに当たっているかという話になる。

導入の順番を決めておく

最後に、順番の目安を置く。同時にいくつも変えると、効いたものが分からなくなる。

第1週は無料のまま、呼び出しキーとAction Panelだけを使う。アプリとファイルを開く動作をここに寄せて、Spotlightに戻らずに済むかを確かめる。戻ってしまうなら呼び出しキーが手に合っていないので、キーを変える。

第2週にエイリアスとクリップボード履歴を足す。毎日使うコマンドに2文字か3文字の合言葉を付け、履歴には専用の呼び出しキーを割り当てる。ここまでで、有料にする理由があるかどうかが自分で判断できる。

第3週に、残っている詰まりの性質を見る。開きたい画面の名前が思い出せないのか、名前は分かっているが同じ名前の画面が複数あるのか。前者ならランチャーの設定を詰める。後者なら置き場所の問題なので、窓に分ける方向を1週間だけ試して、探す動作が消えるかを確かめる。試した結果で判断できるため、どちらの側にも先に金額をかける必要はない。

なお、複数の端末を使っている場合は、Windows向けも公開されている。バージョンは2.5.2.0で、Windows 10以降に対応し、WinGetから入れられると案内されている。設定を両方の端末で揃えたいときの材料になる。

よくある質問

Raycastは無料でどこまで使えますか?

個人向けの無料プランは、クリップボード履歴、カレンダー、ウインドウ管理といった標準の拡張すべてと、コミュニティが公開した拡張すべてを含みます。無料プランは法人環境を含む組織での利用も可能で、無料の機能を使うために有料へ上げる必要はないと案内されています。有料との差は主にAIの部分です。

呼び出しキーは何にするのが良いですか?

既定では ⌘ Space または Alt Space が割り当てられていて、変更できます。⌘ Space はmacOSでSpotlightに使われているため、そちらを外すか、Alt Space のまま使うかを先に決めます。ここを決めないまま使い始めると、呼び出しに失敗した記憶だけが残って定着しません。

スニペットの合言葉は、どんな文字にすればよいですか?

公式は、うっかり打ってしまわない文字を選ぶよう促しており、先頭に感嘆符、セミコロン2つ、スラッシュ2つを付ける形を例に挙げています。普通の単語を使うと、文章の途中で勝手に置き換わります。本文の上限は65,000文字です。

ブラウザのタブで開いているGmailやSlackにも飛べますか?

開いているタブ、ブックマーク、履歴をGoogle Chromeの中から検索する拡張が公開されているため、名前で探して開くことはできます。ただし仕事用と個人用のGmailのようにタブの名前が似ている場合は、候補から目で選ぶ工程が残ります。通知が来たアプリを見張る役はランチャーの担当ではありません。

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