Chromeでアプリとしてインストールする|タブから窓へ移す手順

1日に何十回も開くサイトが、いつも同じ場所にない。ピン留めしたタブは並び替えで流れ、掃除のついでに閉じられ、翌日には14番目のタブとして戻ってくる。Chromeでアプリとしてインストールする操作は、この状態を止めるために用意された仕組みで、作業自体は10秒ほどで終わる。時間がかかるのは、出来上がったものが求めていたものかどうかを見極める部分である。

先に結論を書く。インストールで変わるのは中身ではなく入れ物である。同じページが、タブの1枚からDockに並ぶ独立した窓になり、通知の送り主がブラウザからそのアプリ自身に変わる。逆に、拡張機能の一部は使えなくなり、同じサービスを2つのアカウントで同時に開く用途には向かない。この記事では、手順、入れられないサイトの見分け方、つまずきやすい点、そして何本まで入れるべきかを順に扱う。

タブとアプリの違いは「窓を持つかどうか」

インストールと呼ばれてはいるが、ファイルがダウンロードされるわけではない。Chromeはそのサイトが公開している設定を読み取り、そのURLを専用の窓で開くための入り口を作る。中で動いているのは同じWebページである。

Googleの説明では、ウェブアプリはウェブサイトがアプリとして機能し、パソコンやモバイルのランチャーやホーム画面からアクセスできるようになるもので、一部のウェブアプリにはオフラインでコンテンツを閲覧するための追加のストレージ、通知、ファイルシステムへのアクセス、アイコンバッジといった機能が含まれると案内されている。ここで挙げられている4つが、タブのままでは扱いにくかった部分である。

タブと窓の差は見た目の話ではない。タブはブラウザという1つのアプリの内側にある表示領域で、切り替えはブラウザの中で起きる。窓になると、macOSから見た扱いが変わり、Dockに専用のアイコンが並び、アプリを名前で探したときにも出てくるようになる。閉じる操作も独立するので、ブラウザを終了させても残す、という使い分けができる。

もう1つ押さえておきたいのは、オフラインの扱いである。ウェブアプリはオフラインでも動作するが、インターネット接続がないと完全に動作しないことがあるとGoogleは注意している。ネイティブのアプリのように、通信がなくてもすべての機能が動くとは考えないほうがよい。

Chromeでアプリとしてインストールする手順

macOSのChromeでの手順は次の通りである。初めての人でも迷うところは1か所しかない。メニューの文言がバージョンで変わる点である。

  • パソコンでChromeを開く
  • アプリにしたいサイトを表示する
  • 右上のその他アイコンを押し、[キャスト、保存、共有]を選ぶ
  • [ページをアプリとしてインストール]を選ぶ
  • 画面の案内に沿って進める

一部のサイトでは、この経路を通らずに済む。アドレスバーの右側にインストールの表示が出るので、そこを押せば同じ結果になる。表示が出るかどうかはサイト側の作りで決まるため、出ないサイトでも上の経路なら入れられる。

インストールしたあとは、Dockまたはデスクトップでそのアプリのアイコンをクリックすれば起動する。窓の右上にはその他アイコンがあり、[アプリ情報]から[設定]を開くと、そのアプリだけの設定を変更できる。ブラウザ全体の設定とは別枠になっているので、1つのサービスの通知だけを止める、という操作ができる。

ログインした直後から使いたいものは、自動で起動するように変えられる。新しいタブでchrome://appsを開き、対象のアプリを右クリックして[起動時に開く]を選ぶ。解除も同じ場所で行う。メールとチャットのように朝いちばんに開くものだけを指定しておくと、起動のたびの操作が減る。

デスクトップやメニューから素早く開きたい場合は、chrome://appsで対象を右クリックして[ショートカットを作成]を選び、表示する場所を選んで[作成]を押す。Dockのアイコンと重複するので、両方を作る必要はない。

入れられるサイトと、入れられないサイト

すべてのサイトが同じ仕上がりになるわけではない。差が出るのは、サイト側が名前とアイコンと窓の形を宣言しているかどうかである。

宣言があるサイトは、正しい名前と専用のアイコンを持った窓になる。宣言がないサイトでも手動で入れることはできるが、アイコンがページの画像から作られたものになり、Dockに並んだときに見分けにくい。同じサービスを複数入れたときに困るのはこの点である。

同じサイトを2つのプロファイルからそれぞれ入れると、名前もアイコンも同じアプリが2つ並ぶ。Dockに置かれた状態では見分けがつかないため、入れた直後にFinderで名前を変えておくと、後から取り違えずに済む。仕事用には取引先の名前を足す、個人用には用途を足すといった具合に、自分が読んで分かる文字列にしておけばよい。

入れられない種類のものもある。ログインの途中の画面や、ファイルのダウンロードだけを目的にしたページは、アプリとして入れても次に開いたときに同じ状態に戻らない。アプリ化が向いているのは、開いたときに常に同じ画面で待っているサービスである。判断の目安は、そのURLをブックマークして毎日押しているかどうかに置くと分かりやすい。

インストール後に名前やアイコンが変わることもある。Googleは、ウェブアプリが表示名やアイコンを更新する場合にChromeから通知が届き、[更新]で承認する、[無視]で見送る、[アンインストール]で取りやめる、の3つを選べると説明している。名前が別のアプリに似た形へ変わるなど、意図の読めない変更が疑われるときはアンインストールするよう案内されている。この確認は、窓の右上に出る[アプリのアップデートをご利用いただけます]から[アプリの更新を確認]に進んで行う。

入れて得られる4つの利点

上位で紹介されている利点は、整理すると次の4つに収れんする。

まず、開くまでの手数が減る。タブを探す、検索する、履歴から辿るという動きが、Dockのアイコンを1回押す動きに置き換わる。1日に40回開くサイトなら、この差はそのまま積み上がる。

次に、表示できる範囲が広がる。タブの列とアドレスバーとブックマークバーが消えるため、同じ画面でも縦の表示領域が増える。表の並んだ管理画面や、行数の多い一覧では体感が変わる。

3つめは、いまどこにいるのかが分かりやすくなることである。アプリの窓は特定のサイトのために作られているので、リンクをたどって別のドメインへ移ったときに区別がつく。タブの中では気づきにくい遷移が、窓の作りとして見える。

4つめが通知とバッジである。タブのままでは、通知はブラウザの名前で届く。止めようとするとブラウザ全体の通知を止めることになり、他のサイトも一緒に黙る。アプリとして入れると、システム設定の通知の一覧にそのアプリの項目が並び、そこだけを切り替えられる。アイコンに未読の数を出すバッジも、窓を開かずに件数を確かめる手段になる。集中モードで「チャットだけ通す」という設定が成り立つのは、通す相手が独立したアプリとして存在している場合である。

Webブラウザでこの機能を使う意味について、次のような整理がされている。

Google ChromeやMicrosoft EdgeなどのWebブラウザでは Webサイトを「アプリとしてインストール」する機能 がある。Webサイトをタスクバー上の一般的なアプリのように起動して使えるようになるものだが、メリットがよく分からず利用していない、という人もいるかもしれない。しかし、使ってみるとかなり便利だ。 出典: pc.watch.impress.co.jp

つまずきやすい5つの点

失敗として語られやすいものを、原因とあわせて並べる。

  • 拡張機能が使えない場合がある。ページの内容に手を入れる種類のものは動くことが多い一方、ツールバーのボタンを押して使うものは、押す場所が窓に存在しないため使えない。広告の除去やパスワードの入力に頼っている人は、日常の道具を移す前に確かめたほうがよい
  • 同じサービスを2つのアカウントで同時に開けない。1つのブラウザでは1つのアプリにつき1つしか入らない。プロファイルを分ければ2つ入るが、アイコンと名前が同じものがDockに並ぶので、どちらがどちらか分からなくなる
  • Dockからアイコンを外してもアンインストールにはならない。外れるのは入り口だけで、アプリはchrome://appsに残り、検索でも出てくる
  • 入れすぎる。手軽さゆえに10本以上入れてしまい、タブの散らかりがDockの散らかりに移るだけになる。毎日開くものだけに絞ると4本から6本あたりで落ち着く
  • オフラインを期待しすぎる。前述のとおり、接続がないと完全には動作しないことがある

初めて試す人は、いちばん頻度の高い1本だけを入れて1週間使うのが分かりやすい。使い方が変わるのか変わらないのかは、本数を増やす前に判断できる。

管理とアンインストールの場所

入れたものは静かに増える。何が入っているのかを一覧で確かめる場所は、新しいタブで開くchrome://appsである。ここに並ぶのは、そのプロファイルで入れたものに限られる。仕事用と個人用でプロファイルを分けている場合、片方の一覧には他方のアプリが出てこない。

アンインストールの手順は次の通りである。対象のウェブアプリを開き、窓の右上にあるその他アイコンから[(アプリ名)をアンインストール]を選び、[削除]を押す。このとき[Chrome からもデータを削除する]を選ぶと、Chromeが保持していたそのアプリのデータも消える。ログイン状態を残したまま入れ物だけを外したい場合は、この項目を選ばない。

窓の見た目やアイコンが崩れたときは、入れ直しが早い。アンインストールしてから同じ手順で入れると、サイト側が現在宣言している名前とアイコンで作り直される。データを残す形でアンインストールすれば、ログインをやり直す手間も避けられる。

何本入れるかを窓の数で決める

この機能の限界は、サイト単位でしか分けられないことである。仕事用と個人用、あるいは取引先ごとにアカウントを分けている人が求めているのは、同じサービスの窓が2枚並び、それぞれ別のログイン状態を保っている形である。1つのブラウザで1つという制約は、そこに届かない。

その先まで必要な場合の道具立てが、アプリごとに独立したワークスペースを前提に作られたブラウザである。macOS向けのアプリ集約ブラウザは、Webアプリ1つずつに窓とアイコンと保存領域を割り当てる。何ができるのかを整理したできることのページと、用途ごとにアプリを束ねて名前を付けるワークスペースのページを見ると、Chromeのアプリ化との差がどこにあるのかが分かる。対応しているサービスは使えるアプリに一覧がある。

同じ領域の製品を並べて比べたい場合は、Waveboxとの比較やRamboxとの比較に、機能と費用の違いが整理されている。費用の条件だけを先に確かめたいときは料金を見るのが早い。

決め方をひとまとめにすると、次の2段になる。毎日開く1本か2本をChromeでアプリとして入れて1週間使い、残りはタブに置いたままにする。そこで困ったことが「拡張機能が使えない」であれば戻す判断になり、「同じサービスを2つ開けない」であれば、窓と保存領域を最初から分ける道具に移る判断になる。どちらの答えが出るかは、入れてみないと分からない。

よくある質問

メニューに「ページをアプリとしてインストール」が見つかりません。どうすればよいですか?

右上のその他アイコンから[キャスト、保存、共有]を開いた中にあります。文言はChromeのバージョンで変わるため、同じ階層にある似た表現を探してください。サイト側が対応している場合は、アドレスバーの右側にインストールの表示が出るので、そちらからでも同じ結果になります。

アプリとして入れると動作が軽くなりますか?

軽くはなりません。中で動いているのは同じWebページなので、使う資源はタブのときとほぼ同じです。変わるのは資源ではなく注意の向け先で、タブの列に埋もれなくなり、用が済んだ窓を閉じる判断がしやすくなります。

拡張機能はアプリの窓の中でも働きますか?

一部は働きます。ページの内容に手を入れる種類のものは動くことが多い一方、ツールバーのボタンを押して使うものは、窓に押す場所がないため使えません。広告の除去やパスワードの入力に頼っている場合は、毎日使う道具を移す前に確かめてください。

Dockからアイコンを外せばアンインストールできますか?

できません。外れるのは入り口だけで、アプリ自体はchrome://appsに残り、検索でも出てきます。取りやめる場合は、そのアプリの窓を開いて右上のその他アイコンから[(アプリ名)をアンインストール]を選び、[削除]を押してください。ログイン状態も消したい場合は[Chrome からもデータを削除する]を選びます。

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