BraveとChromeの違い|乗り換えで変わることと変わらないこと

BraveとChromeのどちらを使うべきかで迷っているなら、先に結論を置きます。両者は同じChromiumという土台で動いているため、画面の操作、拡張機能、ブックマークの扱いはほぼ同じです。違いが出るのは、何も設定しない状態で広告とトラッカーを遮断するかどうかと、VPNやAI、暗号資産の報酬といった付属サービスの部分です。つまり乗り換えは「別のブラウザに移る」というより「初期設定と付属品が違う同じ系統の道具に替える」作業で、手間は小さく、元に戻すのも簡単です。ただし、複数のアカウントを行き来する仕事の不便さは、どちらを選んでも解消されません。この記事では、乗り換えで変わることと変わらないことを、BraveとGoogleの公式の説明をもとに分けて整理します。

BraveとChromeは土台が同じで、初期値が違う

Braveは米国のBrave Software, Inc.が開発するブラウザで、Chromeと同じくオープンソースのChromiumを基盤にしています。Brave自身の比較ページでも、Edge、Opera、Vivaldiを含めてChromium系であること、Chromeで動く拡張機能はBraveでも動くことが明記されています。macOS、Windows、Linux、Android、iOSのいずれにも提供されている点も共通です。

Braveはダウンロードしてすぐにお使いいただけます。煩雑な設定や拡張機能の追加、専門知識は不要です。 出典: brave.com

この一文が、両者の違いをいちばん正確に表しています。Chromeでも、広告ブロックの拡張機能を入れ、Cookieの設定を見直せば、Braveに近い状態は作れます。Braveは、その作業を最初から済ませた状態で配られている、という位置付けです。

BraveのChromeとの比較ページ(2026年10月18日に確認)では、初期状態で有効になっている保護として、サードパーティの広告とクロスサイトトラッカーの遮断、サードパーティCookieの遮断、フィンガープリントからの保護、Cookieの同意バナーの遮断、HTTPSへの自動アップグレード、バウンストラッキングの遮断などが並んでいます。比較ページはBrave側が作った資料なので、Chromeへの評価の部分は割り引いて読む必要がありますが、どの保護が初期状態でオンになっているかという事実の一覧としては役に立ちます。

乗り換えで変わること

実際の使い心地として差が出るのは、次の3つです。

広告とトラッカーの遮断が最初から動く

Braveの保護機能はShieldsと呼ばれ、サイトごとにオンとオフを切り替えられます。Shieldsの説明ページによると、遮断にはEasyListとEasyPrivacy、uBlock Originのプロジェクトのフィルタリスト、そしてBraveが独自に作ったリストを使っています。トラッカーが自分を一次ドメインに見せかけるCNAMEクローキングを見破る仕組みや、フィンガープリントに使われるブラウザの情報を少しずつ揺らす仕組みも含まれます。

業務で使うSaaSの管理画面には外部の広告がほとんど載っていないため、Gmailと顧客管理を往復しているだけの時間は、どちらのブラウザでも体感はあまり変わりません。差が出るのは、調べ物で開くニュース記事や技術ブログ、動画サイトのほうです。決済画面やログイン画面が正しく動かないときは、そのサイトだけShieldsを切ると直ることがあります。この切り替えが1クリックで済むことは、保護を使い続けられるかどうかに直結します。

付属サービスが増える

Braveには、AIアシスタントのLeo、有料のVPN、暗号資産で報酬を受け取るBrave Rewardsが組み込まれています。Leoの案内ページでは、アカウントやログインなしで使えること、チャットを保持したり学習に使ったりしないことが説明されています。Rewardsは利用者が自分で選んで参加する方式で、アドレスバーのBATのアイコンから有効にしない限り報酬の仕組みは動きません。Chrome側にはGoogleのGeminiとの連携があります。どちらのAIを日常で使いたいかは、この比較で決めてよい項目です。

検索エンジンの初期値が変わる

Braveの初期の検索エンジンは、独自のインデックスを持つBrave Searchです。Googleの検索結果に慣れている人は、設定から検索エンジンをGoogleに戻せます。乗り換えたあとに「検索結果が違う」と感じる原因の多くはここにあります。

乗り換えても変わらないこと

一方で、次の項目はBraveにしてもChromeのままでもほぼ同じです。

項目 Brave Chrome
基盤のエンジン Chromium Chromium
拡張機能 Chromeウェブストアのものが動く Chromeウェブストア
対応するOS macOS・Windows・Linux・Android・iOS macOS・Windows・Linux・Android・iOS
同じサービスの別アカウント プロファイルを分けて別の窓で開く プロファイルを分けて別の窓で開く
タブグループ・固定タブ あり あり
危険なサイトの警告 GoogleのSafe Browsingを利用 GoogleのSafe Browsing

最後の行は意外に思われることがあります。Braveのブラウザのプライバシーポリシーには、危険なサイトやダウンロード、拡張機能から守るためにGoogleのSafe Browsingを自動で使っていると書かれています。端末側にURLのハッシュを保存し、危険な可能性があるサイトを開いたときに部分的なハッシュだけをGoogleに送る仕組みで、実際のURLは送られないと説明されています。

表の中で仕事への影響がいちばん大きいのは4行目です。ChromeもBraveも、1つのプロファイルが持てるログイン情報は1組です。Gmailを会社用と個人用の2つで同時に開くには、プロファイルを2つ作り、窓を2つ持つことになります。プロファイルごとに拡張機能もブックマークも別々になるので、どの窓で作業しているかを毎回確かめる手間は、Braveでも同じだけ残ります。

過去に指摘された問題を、一次資料で確かめる

BraveとChromeの比較を調べると、Braveの過去の不具合に触れた記事がよく出てきます。代表的なのは2020年6月の件で、アドレスバーに特定の暗号資産取引所のURLを入力すると、確定する候補にBraveの紹介コードが付く状態になっていました。Braveは公式ブログの記事で誤りを認め、候補表示の設定の初期値をオフに変えて対処したと説明しています。同じ記事では、この件で個人情報が漏れたことはなく、Webページ上のリンクが書き換えられることもなかったと書かれています。

この件をどう評価するかは人によって違います。ただ、隠されたまま続いている問題ではなく、公表されて修正された問題であることは確認できます。勤務先の規程で暗号資産に関する機能を持つソフトウェアが制限されている場合は、Rewardsが組み込まれていること自体が判断材料になるので、導入前に情報システムの担当者に確かめておくと確実です。

ChromeからBraveへ移る手順と、戻す手順

両者は土台が同じなので、移行は短時間で終わります。Braveのダウンロードの案内では、インストールが終わるのを待ってから、Chromeからブラウザの設定をインポートする流れが示されています。Chromeを消す必要はないため、しばらくは両方を並べて使い比べられます。

逆に、Braveを試したあとでChromeに戻したいときや、ブックマークだけを別のブラウザに移したいときは、Chrome側の機能を使います。Googleのブックマークと設定をインポートするヘルプによると、手順は次のとおりです。

  • Chromeの右上のその他アイコンから「ブックマークとリスト」を開き、「ブックマーク マネージャ」を選ぶ
  • 上部のその他アイコンから「ブックマークをエクスポート」を選ぶと、HTMLファイルとして書き出せる
  • 取り込む側では「管理」から「HTML ファイルからブックマークをインポート」を選ぶ
  • Chromeにすでにブックマークがある場合、取り込んだものはブックマーク バーの最後にある「その他のブックマーク」フォルダに入る

試す期間の目安は1週間です。普段の業務で使うサイトがすべて正しく動き、調べ物のページが軽くなったと感じられれば、乗り換えの目的は果たせています。

どちらを選ぶかの判断軸

ここまでの事実を、選ぶときの基準に置き換えると次のようになります。

  • 拡張機能を入れずに広告とトラッカーを遮断したいなら、Braveの初期設定がそのまま当てはまる
  • GoogleのアカウントでGemini、Googleドライブ、Chromeの同期をまとめて使っているなら、Chromeのままのほうが手間は少ない
  • すでにChromeに広告ブロックの拡張機能を入れて整えているなら、Braveに移って増える保護は小さい
  • 暗号資産の機能が組み込まれていることが社内規程に触れるなら、Braveは導入前の確認が要る

どの基準に当てはまっても、残る問題が1つあります。Gmailを3つ、Slackを2つのワークスペースで使い、顧客ごとにNotionを切り替えるような働き方では、ブラウザの銘柄を替えてもプロファイルと窓の数は減りません。

アカウントの行き来が問題なら、別の系統を検討する

複数のアカウントを同時に開いておきたいという悩みには、ブラウザをページを読む道具ではなくWebアプリの入れ物として作り直した、アプリ集約ブラウザという系統があります。当サイトが案内しているアプリ集約ブラウザもその1つで、アプリごとにCookieの保存場所を分けるため、同じGmailを複数のアカウントで同時にログインしたまま並べられます。仕組みと画面の構成はワークスペースのページで確認できます。

料金は料金のページに載っていて、無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまで、期間の制限はありません。同じサービスに複数のアカウントで入る機能はProの範囲で、Proは月額980円(税込)です。インストールから14日間はカードの登録なしですべての機能を試せます。Chromeウェブストアの拡張機能が使えること、Chrome、Brave、Safariなど8つのブラウザからブックマークをフォルダの構成ごと取り込めることは、よくある質問にまとまっています。

同じ系統の製品はほかにもあり、無料で使える範囲がそれぞれ違います。アプリの数に上限がない代わりに分けて使う機能が有料の製品についてはRamboxとの比較、オープンソースで無料の製品についてはFerdiumとの比較で条件を並べています。BraveかChromeかを決めたあとも窓の多さが気になるなら、こちらを比べてみてください。

よくある質問

BraveとChromeでは、どちらが安全ですか?

どちらもChromiumを基盤にしており、危険なサイトの警告にはどちらもGoogleのSafe Browsingを使っています。違いは、Braveが広告とトラッカーの遮断、フィンガープリントからの保護を初期状態でオンにしている点です。Chromeでも拡張機能を入れれば近い状態にできるため、何も設定せずに保護を効かせたいかどうかで選ぶのが現実的です。

ChromeからBraveに乗り換えると、拡張機能やパスワードはどうなりますか?

Braveのダウンロードの案内では、インストールのあとにChromeからブラウザの設定をインポートする流れが示されています。Chromeウェブストアの拡張機能はBraveでもそのまま動きます。Chromeを消す必要はないので、両方を並べて1週間ほど試し、合わなければChromeに戻すこともできます。

Braveの暗号資産の機能は、使わなくても動いていますか?

Brave Rewardsは初期状態ではオフです。アドレスバーのアイコンから自分で有効にしない限り、報酬を受け取る仕組みは動きません。ただし機能そのものはブラウザに組み込まれているので、勤務先の規程で暗号資産に関するソフトウェアが制限されている場合は、導入前に情報システムの担当者に確認してください。

BraveでもChromeでも、同じサービスに複数のアカウントで同時にログインできますか?

1つの窓の中ではできません。どちらもプロファイルごとにログイン情報を1組持つ仕組みなので、2つ目のアカウントには2つ目のプロファイルを作り、別の窓で開きます。1つの窓で複数のアカウントを同時に開いておきたい場合は、アプリごとにCookieの保存場所を分けるアプリ集約ブラウザを検討します。

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