LINEを複数アカウントでPCから使う|2つ目を開く手順と境目

仕事用と個人用でLINEのアカウントが分かれている人が、パソコンで両方を開こうとすると、たいてい同じ場所で止まる。パソコン版のアプリを起動しても、ログインできるのは一度に1つのアカウントだけだからだ。ここで必要になるのは裏技ではなく、LINEがどの単位でアカウントを数えているかという前提と、パソコン側でセッションをいくつ持てるかという話になる。この2つが分かると、2つ目をどこに置けばよいかが決まる。

パソコンでLINEが2つ開けない理由

LINEのアカウントは電話番号に紐づいている。同じ番号で2つ目を作ることはできないので、そもそも2つのアカウントを持っている人は、番号を2つ持っているか、以前使っていた番号のアカウントを引き継いでいるか、どちらかの状態にいる。ここが出発点になる。

次に、パソコンのLINEは「サブ端末」という扱いになる。スマートフォンのアカウントをそのまま持ち込む形で、新しくアカウントを作る場所ではない。

スマートフォン版「LINE」アプリからLINEアカウントを作成し、メールアドレスとパスワードを設定すると、パソコンからもLINEを使うことができます。スマートフォンのLINEアカウントで登録している友だちとのトークや無料通話を、パソコンからも行うことができます。 出典: guide.line.me

サブ端末としてログインするには、メイン端末側で許可が要る。スマートフォンのホームから設定へ進み、アカウントの中にあるログイン許可をオンにしておく操作がそれにあたる。ここがオフのまま、パソコン側でメールアドレスとパスワードが合わないのだと思い込んで時間を使う例は多い。

そして、1つのアプリは1つのセッションしか持たない。パソコン版のアプリを2つ起動しても、片方がもう片方を追い出すだけで終わる。LINEのヘルプでも、サブ端末が自動的にログアウトする理由として、他のサブ端末からのログイン、認証情報の変更、メイン端末からのログアウト操作などが挙げられている。つまり、2つ目のアカウントを置く場所は、アプリの中ではなくアプリの外にしかない。

2つ目のアカウントをパソコンで開く手順

置き場所として現実的なのは、パソコン版のアプリとブラウザの拡張機能を分けて使うやり方になる。アプリのセッションと、ブラウザの拡張機能が持つセッションは別物なので、同じ画面の中に2つのアカウントを並べられる。

手順は次の順番で進める。

  • メインで使うほうのアカウントを、パソコン版のアプリに入れる。WindowsでもMacでも考え方は同じ
  • 2つ目のアカウントのスマートフォンで、設定からログイン許可をオンにする
  • Chromeに拡張機能版のLINEを入れ、2つ目のアカウントでログインする
  • それぞれの通知設定を開き、どちらから通知を出すかを決める

始める前に確かめておきたいことが2つある。1つは、2つ目のアカウントにメールアドレスとパスワードが設定されているかどうか。電話番号だけで使い続けてきたアカウントは、ここが空のままになっていることがあり、サブ端末からログインできない。もう1つは、そのアカウントのスマートフォンが手元にあるかどうかになる。本人確認の番号入力や、ログイン時に表示される数字の照合を求められる場面があるためだ。

うまくいかないときに最初に見る場所も決まっている。ログイン許可がオンか、入力しているのが正しいアカウントのメールアドレスか、そして同じアカウントで別のサブ端末に入っていないか。3つ目は見落とされやすい。自宅のパソコンと会社のパソコンの両方に同じアカウントを入れておくと、後から入ったほうが前のほうを黙って追い出す。

なお、どちらの入口を主にするかは先に決めておいたほうがよい。返事を打つ回数が多いアカウントをパソコン版のアプリ側に置き、見る回数のほうが多いアカウントを拡張機能側に置くと、入力の快適さと画面の広さがうまく噛み合う。逆に置くと、よく使うほうが狭い画面に押し込まれて、毎回窓の大きさを直す動きが増える。ファイルの受け渡しが多いアカウントもアプリ側が向いている。アプリのほうがドラッグでの添付や保存先の指定が素直に動くためだ。

拡張機能側の制約も知っておくとよい。ブラウザを閉じればログイン状態の窓も消えるため、常に鳴っていてほしいアカウントを拡張機能側に置くと、ブラウザを落とした時間帯の連絡に気づけない。逆に、一日に数回しか開かないアカウントなら、常駐させないほうが画面は静かになる。どちらの性質に当てはまるかは、直近1週間で何回そのアカウントを開いたかを数えれば見当がつく。

同時に使うときに壊れやすいところ

2つ並べたあとに困るのは、ログインそのものではなく、どちらが手前にいるか分からなくなる時間帯になる。

通知が典型になる。アプリと拡張機能の両方が通知を出す設定のままだと、同じ音が2種類の経路から鳴る。どちらのアカウント宛なのかは音では分からないので、鳴るたびに画面を確認する動きが増える。片方の通知を切ると静かになるが、今度は切ったほうの返事が遅れる。ここは静かさと速さのどちらを取るかという選択で、正解は仕事の内容によって変わる。

誤送信も起きる。両方に同じ相手が登録されている場合、手前にあった窓に返事を書いて、送ってから差出人が違うと気づくことになる。LINEには送信取消があるが、相手の画面に一度は表示されたうえで消える形になるため、無かったことにはならない。

端末の把握そのものが難しいという指摘は、この使い方を続けている人からも出ている。

2026年時点では、便利さよりも「どの端末に、どのアカウントでログインしているか」を把握しておくことが大切だと感じています。 出典: taupe.site

共用のパソコンでは、自動ログインを切っておく判断も要る。入れたままにすると、次にそのパソコンを使う人の画面に、自分のトーク一覧がそのまま出る。席を離れる時間が長い職場ほど、ここが重くなる。

通知の設計を先に決めてしまうと、この時間帯は短くなる。仕事用のアカウントは音を出して即座に気づく形にし、個人用のアカウントは音を切って件数の表示だけにする。日中に見るものと夜に見るものを分けておけば、鳴った音がどちらのものかを考える必要がなくなる。休日は仕事用の側だけを閉じる、という運用も取りやすくなる。

既読の扱いにも癖がある。パソコンで開いたまま席を離れると、画面に出ているトークは読んだものとして扱われる。相手からは返事を待たれている状態になるため、席を離れる前に前面の窓を切り替えておくか、閉じておく判断が要る。スマートフォンだけで使っていたときには起きなかった動きで、パソコンを足した人が最初に戸惑う点になる。

ブラウザ側でセッションを分ける考え方

拡張機能を使うやり方は、2つ目までは軽い。ただし、これはLINEに限った話ではなく、同じ問題は他のサービスでも同時に起きている。仕事用と個人用のGmail、2社分のSlack、取引先ごとのNotion。どれも同じ形で、ログイン状態はCookieに入り、Cookieはタブではなくブラウザのプロファイルに属している。

Chromeはこれを分ける仕組みを標準で持っている。

プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com

右上のプロファイルから追加を選び、名前と色を決めるだけで作れる。色を変えておくと、どちらの窓かが目で分かるようになるので、誤送信はここで減る。一方で、プロファイルを増やすと窓も増える。3つ目、4つ目と足していくうちに、今度はどの窓に何が入っていたかを探す時間が生まれる。

そこで出てくるのが、サービスごとに置き場所を決めてしまう考え方になる。アプリを左側の一覧に並べ、それぞれが自分のセッションを持ち、クリックすれば必ずそのアカウントが出る形だ。窓を増やすのではなく、窓の中を区切る発想で、名前を付けた集まりとして束ねる方法はワークスペースに整理してある。LINEを含めて、どのWebサービスがこの形で扱えるかは使えるアプリで確認できる。

同じアカウントを複数のパソコンで使いたい場合も、考え方は変わらない。サブ端末として入れるのは一度に1台までなので、自宅と職場の両方に入れておくと、片方を開いたときにもう片方が落ちる。毎日行き来する使い方をするなら、持ち歩ける1台に寄せるか、どちらか一方を主として決めておくほうが揺れない。

使い分けと共有を切り分けて考える

ここまでの手当ては、すべて1人が複数のアカウントを持っている場合の話になる。似て見えるが性質が違うのが、1つのアカウントを複数の人で回している場合だ。後者はブラウザをどう分けても解決しない。誰が操作したかの記録がサービス側に残らないからで、必要なのは権限の分け方の見直しになる。

LINEの場合、仕事で使うなら公式アカウントという別の仕組みが用意されている。こちらは担当者ごとに権限を付けられるので、パスワードを配って回す形から抜けられる。個人のアカウントを2つ持って運用し続けるより、後片付けが楽になる場面は多い。

LINE公式アカウントを複数作ることには多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。ここでは、実際に運用を始める前に知っておきたいデメリットを整理してお伝えします。 出典: x-kakeru.com

判断の順番はこうなる。中身を自分以外が見る必要がないなら、直す対象はパソコン側で、アプリと拡張機能、あるいはプロファイルの分け方の問題になる。自分以外が見る必要があるなら、直す対象はサービス側で、権限と担当者の設定の問題になる。この切り分けをせずにパソコンの設定だけを触り続けると、何をしても落ち着かない。

窓の数で作業を立て直す

LINEを2つ開きたいという要望は、たいてい単独では現れない。同じ人の画面には、メールが2つ、チャットが2つ、管理画面がいくつか並んでいることが多く、タブは30個を超えている。アカウントを増やすたびにタブが増える構造のままでは、切り替えの手数は減らない。

道具を選ぶときに見る点は3つある。1つ目は、同じサービスの複数アカウントを、別のものとして並べられるかどうか。2つ目は、通知をサービスごとに細かく止められるかどうか。3つ目は、macOSで動くかどうかになる。この分類の製品は考え方が製品ごとに違い、価格帯も幅がある。代表的なものとの違いはWaveboxとの比較やShiftとの比較にまとめてある。

アプリごとに独立したワークスペースを持たせる形にすると、LINEの2つ目は拡張機能に押し込まれた居候ではなく、他のサービスと同じ並びの1つになる。何ができるようになるかはできることに、費用の目安は料金に書いてある。細かい疑問はよくある質問にまとめられている。

手を動かす順番としては、まず2つ目のアカウントにメールアドレスとパスワードを設定し、ログイン許可をオンにするところまで済ませておくとよい。ここが済んでいれば、置き場所を拡張機能にするか、プロファイルにするか、サービスごとに窓を分ける道具にするかは、後からでも切り替えられる。

よくある質問

パソコン版LINEのアプリだけで2つのアカウントを同時に開けますか?

開けません。1つのアプリが持てるログイン状態は1つだけで、2つ目を起動しても片方が追い出されます。同じ画面に2つ並べたい場合は、パソコン版のアプリとChromeの拡張機能版のように、セッションを別々に持つ入口を2つ用意することになります。

同じ電話番号でLINEのアカウントを2つ作れますか?

作れません。LINEのアカウントは電話番号に紐づいているため、2つ目のアカウントには別の番号が必要です。すでに2つ持っている人は、番号を2つ持っているか、以前使っていた番号のアカウントを引き継いでいる状態にあたります。

パソコンからログインできないときは何を確認すればよいですか?

最初に見るのは、スマートフォン側のログイン許可がオンになっているかどうかです。次に、そのアカウントにメールアドレスとパスワードが設定されているか、入力しているのが正しいアカウントのものかを確認します。同じアカウントで別のパソコンやタブレットにログインしていると、後から入ったほうが前のほうを自動的にログアウトさせます。

Chromeのプロファイルを分ける方法とは何が違いますか?

プロファイルを分ける方法は、ブックマーク、履歴、パスワードなどをまとめて別々にするやり方で、LINEに限らずすべてのサービスに効きます。ただし窓の数がそのまま増えるため、扱うサービスが多いと探す手間が生まれます。サービスごとに置き場所を決める道具は、窓を増やさずに中を区切る形になります。

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