Macの集中モードで仕事中の通知を絞る方法

Macの集中モードをオンにしたのに、Slackのバナーだけは変わらず出てくる。あるいは、全部止まってしまって大事な連絡を半日見落とした。どちらも、集中モードを「通知を止めるスイッチ」だと考えているときに起きます。集中モードは止める機能ではなく、誰とどのアプリを通すかを決める機能です。ここでは、追加の手順、許可の決め方、自動で切り替える設定、そして集中モードでは止まらない通知の見分け方までを順にたどります。

通知が仕事を削る量と、macOSが用意した答え

集中が切れることの代償は、切れている数十秒ではなく、戻るまでの時間にあります。作業の途中で一度注意がそれると、元の状態に戻るまでにかなりの時間がかかるという話は、働き方の記事で繰り返し引かれてきました。

通知が集中力を削っていませんか?Macで作業していると、メッセージ、メール、アプリの通知が次々と画面に表示されて集中が途切れること、ありますよね。実際、人は一度注意が途切れると元の集中状態に戻るまで平均23分かかるとも言われています。 出典: note.com

この数字は研究の引用として広まったもので、誰にでも当てはまる測定値ではありません。それでも、1日に届く通知が50件を超える働き方をしている人にとって、復帰のコストが積み上がるという構図は実感に近いはずです。

macOSはこの問題に、通知を一律に止めるのではなく「例外を先に決めておく」という形で答えを出しました。Appleのサポート資料は集中モードの役割をこう書いています。

作業に集中したり気が散ることを最小限に抑える必要がある場合は、「集中モード」を使用します。集中モードを使用して、すべての通知を一時停止したり、知らされないようにしたり、特定の通知(緊急のプロジェクトに関する同僚からの通知など)のみを許可したりできます。 出典: support.apple.com

つまり設計の前提が「全部止める」ではなく「通す相手を選ぶ」側にあります。ここを取り違えたまま設定を触ると、止まりすぎるか、止まらなさすぎるかのどちらかに寄ります。

集中モードを追加する手順と、最初に決める3つのこと

追加はシステム設定から行います。アップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーを下にスクロールして「集中モード」をクリックします。右側に「集中モードを追加」があり、ここで「仕事」「ゲーム」のような用意されたものを選ぶか、「カスタム」から自分で名前とカラーとアイコンを決めます。カスタムは最大10個まで作れるので、仕事と勉強と移動中のように場面で分けても余裕があります。

追加した直後に決めるのは3つです。1つ目は「インテリジェントブレークスルーと非通知」を使うかどうか。これをオンにすると、重要と判断された通知が通り、そうでないものは知らされなくなります。明示的に許可した相手と、明示的に知らせないよう指定した相手は、判断に関係なくその通りに扱われます。Apple Intelligenceがオンの環境では「さまたげ低減」という集中モードも選べて、こちらは最も重要な通知だけを残す方向にあらかじめ振られています。

2つ目は、通す相手をどこまで狭めるか。3つ目は、手で切り替えるのか自動で切り替えるのかです。この3つを決めずに項目を上から順に触ると、あとから「なぜこの通知が出たのか」を追えなくなります。名前を用途そのものにしておくと、コントロールセンターから選ぶときに迷いません。

なお、すべてのAppleデバイスで集中モードを最新の状態に保つ設定を有効にしていると、Macで行った変更はiPhoneやiPadにも反映されます。Mac側だけを静かにしたいつもりでiPhoneまで静かになるのは、たいていこの同期が理由です。

許可する通知の選び方は、人とアプリと即時通知の3層で考える

許可の設定は「通知される連絡先」と「通知されるApp」に分かれています。人の側は、ポップアップメニューから「一部の連絡先から許可」を選び、そこに通す相手を足していく形です。逆に、特定の相手だけを止める使い方もできます。仕事用の集中モードであれば、直属の上長と、進行中の案件の担当者だけを入れておけば足りることが多く、ここを広げすぎると集中モードを作った意味が薄れます。

アプリの側は、カレンダーや会議ツールのように「遅れると実害が出る」ものだけを通すのが扱いやすい線引きです。メールやチャットをここに入れると、結局は全部通ることになります。

3層目が即時通知です。カレンダーなど一部のアプリには、通常の通知とは別に即時通知の枠があります。Appleの資料は、集中モード中にこれを確実に受け取るには専用のオプションを選ぶ必要があると明記しています。注意したいのは、この即時通知はシステム設定の「通知」側にも「即時通知を許可」というスイッチがあり、両方が揃っていないと届かない点です。片方だけ見て「許可したのに来ない」と判断すると迷います。

許可の一覧は、作った直後より1週間使ったあとに見直すほうが精度が上がります。集中モード中に鳴って困らなかった相手は残し、鳴って手が止まった相手は外す。この足し引きを2回か3回繰り返すと、手を入れなくてもそのまま使える形に落ち着きます。最初から完成させようとすると、思い付く限りの相手を入れてしまい、結局すべて通る設定になりがちです。

重大な通知はさらに別枠です。ホームアプリに重大な通知を許可しておくと、煙センサーやドアロックの知らせは集中モードがオンでも表示されます。ここは止める対象ではなく、止めてはいけない対象として考えておくほうが安全です。

時刻と場所とアプリで、自動的に切り替える

集中モードは手で入れる前提にしていると、いちばん必要な日に入れ忘れます。設定画面には、オンとオフが自動的に切り替わるようスケジュールを組む項目があり、時刻のほか、特定の場所に着いたとき、特定のアプリを開いたときを条件にできます。

実務で効くのは、時刻よりもアプリ連動です。資料を書くアプリやコードを書くアプリを開いた瞬間に仕事用の集中モードへ入るようにしておくと、作業の開始と通知の遮断が同じ動作になります。時刻で組むなら、午前の2時間だけのように幅を狭めるほうが続きます。1日の大半を覆う設定にすると、オフにする癖がついて機能そのものを使わなくなるからです。

もうひとつ、集中モードの状況を共有する設定があります。オンにすると、対応したアプリで相手側に「通知を知らされない状態である」と表示されます。相手が事情を汲んでくれる反面、社外の相手にも伝わることがあります。誰に見せたいかをはっきりさせてから有効にするのが無難です。

集中モードをオンにしても消えない通知の正体

「集中モードにしたのに出る」という状態には、いくつか決まった原因があります。上で触れた即時通知と重大な通知がまず該当します。次に多いのが、集中モードではなく通知設定そのものが原因になっているものです。

システム設定の「通知」には、集中モードとは別に、表示の条件を決める項目が並んでいます。ディスプレイがスリープ中のとき、画面がロックされているとき、ディスプレイをミラーリング中または共有中のそれぞれで、通知を一時停止するか許可するかを選べます。画面共有の最中にバナーが出て困るという話は、集中モードではなくこの3つ目で解決します。

アプリごとの設定も見る場所です。通知スタイルには、しばらくすると消える「一時的」と、閉じるまで残る「持続的」があります。持続的にしているアプリは、集中モードを抜けた瞬間にまとめて画面へ戻ってきます。バッジと通知音も通知スタイルとは別のスイッチなので、バナーだけ止めたつもりで音が鳴り続けることがあります。

そしてブラウザです。Webサイトからの通知は、ブラウザというアプリの通知としてmacOSに届きます。Macの集中モードから見ると、Gmailの新着もSlackの新着も、同じ1つのアプリから来た通知にしか見えません。そのため「このサービスだけ通す」という切り分けが、macOSの設定画面だけでは成立しません。

切り替えを速くしておかないと、設定は使われなくなる

集中モードは、作り込みよりも呼び出しやすさで続くかどうかが決まります。メニューバー右端のコントロールセンターを開くと集中モードの項目があり、名前をクリックすればその場でオンになります。項目の右側をクリックすると、1時間だけ、今日の夜まで、この場所を離れるまで、といった終わり方も選べるので、切り忘れを減らしたいときはここを使います。

コントロールセンターの中身は並べ替えができます。システム設定の「コントロールセンター」で、集中モードをメニューバーに常に表示する設定に変えておくと、1クリック分短くなります。毎日何度も入り切りするなら、この1クリックの差が効きます。

もうひとつの入口がショートカットアプリです。集中モードのオンとオフはショートカットの部品として用意されているので、キーボードショートカットに割り当てたり、作業開始のショートカットの一部に組み込んだりできます。資料を開く、タイマーを始める、集中モードに入る、という3つを1回の操作にまとめると、切り替えの判断そのものが不要になります。

設定を細かく詰めるほど、その集中モードは特定の場面でしか使えなくなります。使う場面が狭いものほど、呼び出しを速くしておく価値が大きくなると考えてください。

Webアプリが増えるほど、通知の置き場所が問題になる

ここが、集中モードを丁寧に組んでも詰まる地点です。Gmail、Slack、Notion、カレンダー、AIのチャット。仕事で触るものがブラウザの中へ移った結果、通知の出どころがブラウザ1つに集約され、macOS側では区別できなくなりました。タブを30個抱えている状態では、どのタブが鳴ったのかを探すところから始まります。

この構造をアプリの置き場所から変えるのが、アプリ集約ブラウザと呼ばれる種類のmacOSアプリです。サービスごとにアプリごとに独立したワークスペースを与え、通知もサービス単位で扱います。どんな機能でその形にしているかはできることのページにまとまっていて、通知を1つの場所へ集めるという考え方と、キーひとつでアプリを切り替える操作が説明されています。

アカウントの分離はワークスペースのページが詳しく、アプリごとに専用のCookieコンテナを持たせるため、3つのGmailに同時にログインしても互いの存在を知らないという作りになっています。仕事と個人でGmailを行き来している人は、この分離だけで通知の意味が変わります。どこまで無料で使えるかは料金のページに並んでいて、無料の範囲はワークスペース1つとアプリ3つまでです。同じジャンルの製品が無料版で何個まで許しているかを並べた表もあり、Waveboxとの比較では上限と月額の置き方の違いが確認できます。導入前の細かい疑問はよくある質問に集まっています。

集中モードで決めるのは「誰を通すか」、置き場所で決めるのは「どこから鳴るか」です。前者だけを何度も作り直しても届く量が減らないときは、後者を疑うと早く進みます。

よくある質問

集中モードとおやすみモードは何が違いますか?

おやすみモードは、macOSに用意されている集中モードのひとつです。すべての通知を知らされない状態にする最も単純な設定で、コントロールセンターから素早くオンにできます。仕事用やカスタムの集中モードは、通す相手やアプリを細かく選べる点が違います。

集中モードはいくつまで作れますか?

カスタムの集中モードは最大10個まで作成できます。用意されているものと合わせて、仕事、勉強、移動中のように場面ごとに分けても足ります。名前とカラーとアイコンを用途そのものにしておくと、コントロールセンターから選ぶときに迷いません。

集中モードにしたのに通知が出るのはなぜですか?

即時通知と重大な通知は、集中モードがオンでも届く設計です。これに当てはまらない場合は、システム設定の「通知」側でアプリの通知スタイルが持続的になっていないか、画面共有中の表示設定がどうなっているかを確認します。ブラウザ経由の通知も原因になります。

Macで設定するとiPhoneまで静かになるのを止められますか?

すべてのAppleデバイスで集中モードを共有する設定が有効だと、Macでの変更が他のデバイスへ反映されます。片方だけを静かにしたいときは、この共有をオフにしてから、それぞれの端末で個別に集中モードを設定します。

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