Macでフルスクリーンのアプリと他の画面を行き来する方法
mac フルスクリーン 切り替えで検索する人の多くは、同じ場面に立っている。資料を読むためにアプリをフルスクリーンにしたところ、他のアプリに戻る道が分からなくなった。Dockも見えない、メニューバーも消えている、Command+Tabを押すと切り替わったように見えるのに画面はそのまま。
この状態は故障ではない。macOSのフルスクリーンは「ウインドウを大きく表示する機能」ではなく、そのアプリを専用の場所へ移す機能になっているためで、戻るときの操作も普通のウインドウとは違う系統になる。ここを理解すると、行き来の手数は一気に減る。macOS 27時点の公式手順に沿って整理する。
フルスクリーンは操作スペースを1つ増やしている
最初に仕組みを押さえる。ここが分かれば、あとの操作はすべて同じ理屈で説明がつく。
macOSではデスクトップを複数持てる。追加のデスクトップは操作スペースと呼ばれ、Mission Controlから作る。ある操作スペースで作業しているときは、その中にあるウインドウだけが表示される。
アプリをフルスクリーンにすると、そのアプリは自分だけの操作スペースへ移る。だからDockもメニューバーも消え、他のアプリのウインドウも視界から外れる。Mission Controlに入ると、画面の上端に並ぶSpacesバーの中に、そのアプリのサムネールが独立して並んでいるのが見える。
この見え方の意味は大きい。フルスクリーンから戻る操作は、ウインドウを閉じる操作ではなく、操作スペースを移動する操作になる。ウインドウを探しても見つからないのは、探す層が違うからになる。
行き来する経路は4つある
macOSには、フルスクリーンのアプリと他の画面を行き来する方法が複数用意されている。どれか1つが効かなくても、別の経路が残っている。
| 経路 | 操作 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| トラックパッド | 3本指または4本指で左右にスワイプ | 隣の画面へ連続して移る |
| キーボード | Controlキーを押しながら左右の矢印キー | 手をホームポジションから離さない |
| Mission Control | Control+上矢印で入り、Spacesバーのサムネールをクリック | 今どこに何があるかを目で確かめる |
| Command+Tab | アプリを選ぶ | 目的のアプリが決まっている |
Command+Tabだけは動きが違う。アプリを選ぶ操作なので、選んだ先がフルスクリーンの操作スペースにいれば、画面はそこへ移る。一方で、同じアプリの別ウインドウを行き来したいときには使えない。アプリ単位の操作だという前提を持っておくと、思ったところへ飛ばない理由が分かる。
Magic Mouseを使っている場合は、2本指でスワイプすると操作スペース間を移動できる。トラックパッドが接続されていないMacでは、この経路とキーボードの経路が主役になる。
並び順も知っておくと迷いが減る。Spacesバーの並びは左から順で、Controlキーと右矢印キーは右隣へ、左矢印キーは左隣へ1つずつ進む。目的のアプリが3つ離れていれば3回押すことになる。フルスクリーンのアプリを増やすほどこの距離が伸びるため、席の数そのものを絞るほうが効く。なお「システム設定」の「デスクトップとDock」には「最新の使用状況に基づいて操作スペースを自動的に並べ替える」という項目があり、オンのままだと並び順が変わる。位置で覚えて移動したい場合は、ここをオフにしておくと距離感が安定する。
スワイプが効かないときに見る設定
「3本指で左右にスワイプしても動かない」という相談は、ほとんどが設定の場所を取り違えていることによる。
アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「トラックパッド」をクリックして、「その他のジェスチャ」を見る。ここに並ぶ項目のうち、フルスクリーンのアプリの間を移動する動作を持っているのは「フルスクリーンアプリケーション間をスワイプ」になる。名前に操作スペースやデスクトップという語が入っていないため、探しても見つからないと感じやすい。
この項目のポップアップメニューで、3本指と4本指のどちらを使うかが決まる。反応しないときは、ここの本数が自分の指と合っていないか、項目そのものがオフになっている。
同じ画面の「Mission Control」という項目は別物で、こちらはMission Controlに入る操作を受け持つ。3本の指で上にスワイプして入り、下にスワイプして出る。フルスクリーンから抜け出す道としてMission Controlを使うなら、先にこちらが有効かを確かめる。
キーボード側で効かない場合は、「システム設定」の「キーボード」から「キーボードショートカット」を開き、サイドバーで「Mission Control」を選ぶ。既定で無効になっている項目があるため、該当する行のチェックボックスをオンにする。変更したショートカットは、使っているアプリを終了して開き直すと有効になる。ほかの機能と同じ組み合わせが重なっていると、どちらも動かない点にも注意する。
フルスクリーンのままメニューバーとDockを出す
行き来の回数を減らしたいなら、フルスクリーンの中でできることを増やすほうが早い場合もある。
メニューバーは、画面の上部にポインタを移動すると現れ、離すと隠れる。常に出しておきたい場合は「メニューバー」設定で、メニューバーを自動的に表示または非表示にする設定を「しない」に変える。文字入力のモードや時計を視界に置いておきたい人には効く調整になる。
Dockも同じで、Dockのある画面の端にポインタを移動すると現れる。Dockが出れば、フルスクリーンのままでも別のアプリを起動したり、アイコンの通知バッジを確認したりできる。
フルスクリーンを解除するときは、ウインドウ左上の緑色のボタンにポインタを置き、表示されるメニューから解除の項目を選ぶ。Mission Controlに入り、Spacesバーのサムネールにポインタを合わせて出てくる終了ボタンをクリックしても抜けられる。
Split Viewへ広げる、Split Viewから戻す
フルスクリーンのまま2つのアプリを見たい、という要望にはSplit Viewが対応する。
フルスクリーンのアプリがある状態でControl+上矢印キーを押してMission Controlに入り、別のウインドウを、Spacesバーにあるフルスクリーン表示のアプリのサムネールの上までドラッグする。その後、Split Viewのサムネールをクリックすると2画面になる。Spacesバーの中で、一方のアプリのサムネールをもう一方の上にドラッグする方法でも作れる。
Split Viewに入ったあとの操作も覚えておくと使いやすくなる。中央の区切り線にポインタを合わせて左右にドラッグすると片側を広げられ、ダブルクリックで元の比率に戻る。左右を入れ替えたいときは、ウインドウのタイトルやツールバーをつかんで反対側へドラッグする。片側だけ別のアプリに差し替えたいときは、緑色のボタンから「タイル表示されたウインドウを置き換える」を選ぶ。
片方をデスクトップへ戻したいときは、緑色のボタンから「ウインドウをデスクトップに移動」を選ぶ。このとき残ったほうのアプリは、自分専用の操作スペースでフルスクリーンの状態になる。戻り方は最初と同じで、Control+上矢印キーか3本指か4本指の上スワイプでMission Controlに入り、Spacesバーでそのアプリをクリックする。
外部ディスプレイをつないでいるときの見え方
ディスプレイが2台あると、フルスクリーンの振る舞いが変わって見える。
また”フルスクリーン”は拡張ディスプレイ利用時、それぞれのディスプレイで個別に有効です。複数ディスプレイ内でスペースを切り替えながら作業するうえで”Mission Control”はとてもよくできた仕組みだと思いました。 出典: qiita.com
この見え方を支えているのが、「システム設定」の「デスクトップとDock」にあるMission Controlの「ディスプレイごとに個別の操作スペース」という項目になる。オンにすると、ディスプレイごとに別々の操作スペースが割り当てられ、すべてのディスプレイでDockが使えるようになる。オフにすると、Dockは主ディスプレイにだけ表示される。
2台目のディスプレイでMission Controlに入ったとき、そこに出るのはそのディスプレイで開いているウインドウと操作スペースだけになる。片方の画面で探しても目的のアプリが出てこないのは仕様であって、消えたわけではない。ほかのディスプレイ上でSplit Viewを使いたい場合も、この項目をオンにしておく必要がある。
フルスクリーンを使わないほうが速い場面
フルスクリーンは強力だが、常に最適とは限らない。切り替えの回数が多い仕事では、かえって手数が増える。
同じ画面に2つを並べたいだけなら、タイル表示で足りる。ウインドウを画面の左端や右端へドラッグする、Optionキーを押しながら強調表示された場所へドラッグする、緑色のボタンのメニューから選ぶ、メニューバーの「ウインドウ」から選ぶ、といった経路が用意されている。キーボードなら、左半分がFn+Control+左矢印、右半分がFn+Control+右矢印、元の大きさに戻すのがFn+Control+Rになる。
タイル表示はメニューバーとDockが見えたままなので、通知やアイコンのバッジを視界に置いておける。切り替えの頻度が高い作業では、この「常に見えている」ことの価値が、画面を広く使えることの価値を上回りやすい。
参考までに、操作スペースは最大16個まで作れる。作れる数と使いやすい数は別で、隣へ1つずつ移る操作が基本になるため、増やすほど端から端までの手数が伸びる。フルスクリーンのアプリもSpacesバーの席を1つ使うので、この点も含めて数を決めるとよい。
Webアプリを行き来する人には層が1つ足りない
ここまでの操作は、すべてアプリのウインドウを対象にしている。ところが仕事の中身がGmail、Slack、Notionのようにブラウザの中にある場合、この前提が崩れる。
macOSから見ればブラウザは1つのアプリで、中に何枚タブがあっても扱いは変わらない。ブラウザをフルスクリーンにしても、分かれるのは箱の置き場所であって、中の仕事ではない。会社ごとにアカウントが分かれていると、同じサービスに同時にログインできないという別の問題も出てくる。
この段差を埋める道具として、Webアプリを1つの窓にまとめる種類のブラウザがある。アプリごとに独立した置き場所を作り、ログインを分け、キー1つで行き来できるようにする作りで、全体像はできることのページにまとまっている。ログインを分ける部分だけを詳しく見たい場合はワークスペースのページが該当する。毎日使っているサービスを中に置けるかどうかは使えるアプリの一覧で確認できる。
導入を検討する段階で見る材料としては、費用の目安を載せた料金のページと、迷いやすい点を集めたよくある質問のページがある。近い作りの他社製品との違いを確かめたい場合はWaveboxとの比較のページが参考になる。
よくある質問
フルスクリーンにすると他のアプリが消えます。元に戻せますか?
消えていません。フルスクリーンにしたアプリは自分専用の操作スペースへ移るため、他のアプリは別の操作スペースに残っています。Controlキーと左右の矢印キー、または3本指か4本指での左右スワイプで戻れます。Control+上矢印でMission Controlに入って選ぶ方法もあります。
3本指で左右にスワイプしても切り替わりません。
「システム設定」の「トラックパッド」を開き、「その他のジェスチャ」にある「フルスクリーンアプリケーション間をスワイプ」を確認してください。ここで3本指と4本指のどちらを使うかが決まります。項目がオフの場合はどちらの本数でも反応しません。
フルスクリーンのままメニューバーを出しっぱなしにできますか?
できます。ポインタを画面上部に移動すれば一時的に出ますが、常に表示したい場合は「メニューバー」設定で、自動的に表示または非表示にする設定を「しない」に変更してください。Dockは、Dockのある画面の端にポインタを移動すると現れます。
Command+Tabで切り替えたのに画面が変わりません。
Command+Tabはアプリを選ぶ操作です。選んだアプリがフルスクリーンの操作スペースにいれば画面もそこへ移りますが、同じアプリの別ウインドウを行き来したいときには働きません。その場合はMission Controlに入り、目的のウインドウを直接クリックしてください。