Macのキーの配列を変更する|押しにくいキーを入れ替える
mac キー 配列 変更で検索する動機は、だいたい3つに分かれる。WindowsとMacを行き来していて修飾キーの位置が合わない、Caps Lockを押してしまうので別の役割にしたい、そして小指や親指の負担を減らしたい。どれもmacOSの標準機能で済む部分と、専用のツールが要る部分に分かれる。ここでは変更できる範囲を層に分けて示し、標準機能の手順、標準では届かない範囲、そして道具を入れる前に決めておく順番までを並べる。読み終えた時点で、どこを触れば目的に届くかが決まる状態を目指す。
変更できる範囲は3層に分かれている
最初に地図を持っておくと、無駄なツール探しをせずに済む。キーの割り当てを変える場所は3層ある。
第1層はmacOSの「修飾キー」の設定だ。Caps Lock、Control、Option、Commandといった修飾キーの役割を入れ替える。キーボードごとに設定でき、標準機能の範囲で完結する。
第2層はアプリのメニューコマンドに対するショートカットだ。特定のアプリ、または全アプリのメニュー項目に好きな組み合わせを割り当てる。ここも標準機能で行えるが、対象はメニューにある項目に限られる。
第3層が第三者のツールになる。修飾キー以外の一般キーを入れ替える、1つのキーに押し方で違う役割を持たせる、キーの同時押しを別のキーとして扱う、といった変更はここに来る。
目的がどの層にあるかを先に決める。Caps LockをControlにしたいだけなら第1層で終わる。AキーとSキーを入れ替えたいなら第1層では届かず、第3層が要る。順番を守ると、最初の10分で終わる作業に半日をかけずに済む。
標準機能で修飾キーを入れ替える
第1層の手順は短い。Appleの案内では、アップルメニューから「システム設定」を選び、サイドバーで「キーボード」をクリックし(下にスクロールが必要な場合がある)、「キーボードショートカット」をクリックしてから、サイドバーで「修飾キー」をクリックする形になる。
[修飾キー]をクリックすると、変更可能な修飾キーの一覧が表示されます。変更したいキーの項目をクリックしてください。 出典: pc-koubou.jp
一覧に出た各キーのポップアップメニューから、押したときに実行したい操作を選ぶ。役割を持たせたくないときは「アクションなし」を選べる。Appleが挙げている例がそのまま実用になる。AppleのキーボードでCaps Lockキーがある場所にControlキーがあるキーボードを使っている場合、「Caps Lockキー」のポップアップメニューから「Control」を選ぶことで、Caps Lockを押したときの動作をControlに割り当てられる。
覚えておきたい点が2つある。1つは、元に戻す道が用意されていることだ。「デフォルトに戻す」をクリックすれば設定前の状態に戻る。試してから決められるので、いきなり全部を入れ替えても引き返せる。
もう1つは、設定がキーボード単位だという点だ。MacBookの内蔵キーボードと、外付けの2台目のキーボードで、別の割り当てを持たせられる。Windows向けのキーボードを繋いだときだけCommandとOptionを入れ替えるといった使い方ができる。逆に、外付けを繋ぎ替えたら設定が効いていないと感じたときは、設定画面で対象のキーボードが選ばれているかを見る。
英数とかなの2キーを活かすメリット
日本語配列を使う場合、スペースキーの両隣にある2つのキーが配列変更の判断に絡む。
ところがmacOSでは「英数 / かな」キーのふたつがスペースキーの両隣にあり、このいずれかををキー入力時に押せば入力言語を変更することができます。こちらのほうがトグル方式よりも確実に切り替えることができるので、Windowsでも同じ操作ができるように設定しています。(具体的には参考サイトをご参照ください) 出典: note.com
ここで言われているメリットは、切り替えではなく指定だという点にある。1つのキーで交互に切り替える方式だと、いまどちらの状態なのかを画面で確かめる工程が入る。英数とかなのように行き先を名指しするキーなら、確かめる必要がなくなる。文字を打ち間違えて消してやり直す回数が減るのは、この差から来る。
US配列のキーボードを使っている場合、この2キーは物理的に存在しない。そこで第3層のツールを使い、左右のCommandキーを単独で押したときだけ英数とかなに割り当てる設定が広く使われている。修飾キーとしての役割は残したまま、単独で押した場合だけ別の動作にするという指定は標準機能では行えず、ここが第1層と第3層の境目になる。
配列そのものを日本語配列とUS配列で入れ替えることはできない。刻印と物理的なキーの数が違うためだ。変更できるのは役割であって、キーの並びではない。この区別を先に付けておくと、期待と結果がずれない。
最上列のキーとファンクションキーの扱い
配列の不満は、修飾キーではなく最上列に出ることも多い。明るさや音量の記号が並んでいて、F1やF2として使えないというものだ。
Appleの説明では、Apple製の多くのキーボードは最上列のキーに明るさ調節やMission Controlなどの特殊な機能が割り当てられており、これらをF1、F2といった標準ファンクションキーとして使うには、fn(Function)キーまたは地球儀キーと組み合わせる形になる。いくつかのキーはOptionキーと組み合わせることで、対応するシステム設定をすばやく開ける。
この前提を知らないまま配列を変えようとすると、必要のない設定に手を付けることになる。fnキーとの組み合わせで足りるのか、それとも常にF1からF12として扱いたいのかを先に決める。後者であれば、キーボード設定でファンクションキーの扱いを切り替える項目を使う形になり、配列の変更とは別の話になる。
修飾キーの記号も押さえておくと、ほかの資料が読みやすくなる。fn(Function)または地球儀、control(またはctrl)は⌃、option(またはalt)は⌥、shiftは⇧、caps lockは⇪、command(またはcmd)は⌘、esc(Escape)は⎋、tabは⇥、deleteは⌫、returnは⏎という表記になる。Windowsパソコン用のキーボードを繋ぐ場合は、optionキーをAltキー、commandキーをCtrlキーまたはWindowsロゴキーで代用する対応関係になる。
アプリ側のショートカットを作る方法と、その限界
第2層は、キーそのものではなく、キーの組み合わせに何をさせるかを決める層だ。手順はAppleが示している。
システム設定の「キーボード」から「キーボードショートカット」を開き、左側で「アプリケーションショートカット」を選んで追加のボタンをクリックし、「アプリケーション」ポップアップメニューから特定のアプリか「すべてのアプリケーション」を選ぶ。次に「メニュータイトル」のフィールドに、対象のメニューコマンドをアプリに表示されている通りに正確に入力する。階層をたどる場合は「->」と入力し、エリプシスはスペースなしでピリオドを3つ入力する。最後に「キーボードショートカット」のフィールドをクリックし、使いたい組み合わせを押して「完了」をクリックする。
ここには3つの制約があり、期待を先に調整しておく価値がある。第1に、キーボードショートカットは既存のメニューコマンドに対してのみ作成できる。アプリの起動のような一般的な目的のタスクには作成できない。第2に、ほかのコマンドやアプリですでに使われている組み合わせを作ると、新しいショートカットは機能しない。どちらかを変える必要がある。第3に、アプリによってはキーボードショートカットを設定できない場合がある。
つまりこの層は「新しい操作を作る」場所ではなく「既にある操作の入口を移す」場所になる。押しにくい位置に割り当てられたメニュー項目を、押しやすい組み合わせに移すために使う。
標準機能で届かないときに使うツール
第3層で名前が挙がるのがKarabiner-Elementsだ。macOS向けのキーボードをカスタマイズするツールで、公開されている情報から前提を確かめておく。
公式サイトの記載では、配布中のバージョンは16.3.0で、対応するのはmacOS 27 Golden Gate、macOS 26 Tahoe、macOS 15 Sequoia、macOS 14 Sonoma、macOS 13 Venturaとなっている。Intel搭載のMacとApple silicon搭載のMacの両方に対応する。GitHubで公開されており、ライセンスはThe Unlicenseで、公開リポジトリのスターは22,855件になっている。費用はかからず、開発を支援する仕組みが別に用意されている。
できることは3段階に分かれている。画面の操作だけで単純なキーの割り当てを設定する形、あらかじめ用意されたルールを読み込む形、そして自分でルールを書く形だ。用意されたルールには、Emacsのキーバインドをどこでも使う、viのキーバインドを使う、意図しないcommand-qを防ぐ、マウス操作をキーで行う、といったものが挙げられている。
導入で注意する点が2つある。1つは、この種のツールが入力を監視する位置で動くため、システム設定の「プライバシーとセキュリティ」で入力監視の許可を与える工程が入ることだ。もう1つは、設定を重ねるほど原因の切り分けが難しくなることだ。標準機能で足りる部分は標準機能に残し、届かない部分だけをツールに任せると、動かなくなったときの調査範囲が狭く保てる。
配列を変える前に決める順番
最後に、作業の順番をまとめておく。目的から入ると迷いが少ない。
- いま何回ミスしているかを数える。押し間違えるキーと、その回数を1日分だけ記録する
- そのミスが修飾キーの位置で起きているなら第1層で足りる。一般キーや押し方の区別が絡むなら第3層に進む
- アプリの操作が遠いことが不満なら第2層を見る。メニューにある項目かどうかを先に確かめる
- 1度に1箇所だけ変える。複数を同時に変えると、指が慣れないのか設定が誤っているのか分からなくなる
- 2週間使って戻したくなったら戻す。「デフォルトに戻す」で第1層は元に戻る
配列の変更は、慣れるまでの期間に一時的に速度が落ちる。その期間を払う価値があるのは、毎日繰り返す操作に限られる。月に数回しか使わない操作のために配列を動かすと、負担のほうが残る。
変えたキーがWebアプリの中で衝突するとき
配列を整えたあとに起きやすいのが、ブラウザの中での衝突だ。ここは道具の側の話になる。
Gmail、Slack、Notion、Claudeのように1日を通して使うWebアプリは、それぞれが独自のショートカットを持っている。同じ組み合わせがブラウザ自身の操作と重なると、意図しない動作が起きる。さらに、同じサービスを仕事用と個人用の2つのアカウントで使っている場合、タブの見出しがほとんど同じ文字列になるため、どの画面に対してキーを押しているのかが分からなくなる。配列を変えたのに操作が速くならないのは、この場所で時間が消えているためだ。
対象をタブから窓に移すと、押したキーの宛先がはっきりする。Webアプリを1枚のタブではなく1つの窓として置く考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、2つのアカウントが別の窓として同時にログインしたまま並ぶため、キーの操作が窓ごとに閉じる。アプリごとの拡大率や消音、通知の集め方はできることにまとめられている。手元でコマンドも扱うなら、同じ画面の中に置けるターミナルが候補になる。
手元のサービスが対象に入っているかは使えるアプリで照らし合わせられる。道具を選び直すなら、項目ごとに並べたWaveboxとの比較とSidekickとの比較が、対応OSと価格の違いを見る材料になる。無料で使える範囲と有料になる線は料金で確かめられる。
キーの配列は、指の動きを短くする作業だ。宛先が曖昧なままキーを短くしても、短くなった分は宛先を探す時間に吸われる。2つを別々に片付けると、変えた分がそのまま残る。
よくある質問
Caps LockをControlに変えるにはどうしますか?
アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「キーボード」をクリックし、「キーボードショートカット」を開いてサイドバーの「修飾キー」を選びます。「Caps Lockキー」のポップアップメニューから「Control」を選べば切り替わります。役割を外したい場合は「アクションなし」を選びます。「デフォルトに戻す」で設定前の状態に戻せます。
AキーとSキーのように、修飾キー以外を入れ替えられますか?
標準機能では行えません。システム設定で扱えるのはCaps Lock、Control、Option、Commandといった修飾キーの役割です。一般キーの入れ替えや、1つのキーに単独押しと組み合わせで別の役割を持たせる設定は、Karabiner-Elementsのような専用ツールの領域になります。導入時は入力監視の許可を与える工程が入ります。
US配列で英数とかなのキーを使えますか?
物理キーがないため、標準機能だけでは同じ操作になりません。左右のCommandキーを単独で押したときだけ英数とかなに割り当てる設定が広く使われていますが、これは単独押しと組み合わせを区別する指定になるため、専用ツールが必要です。修飾キーとしての役割は残したまま設定できます。
F1やF2を毎回ファンクションキーとして使いたいのですが?
Apple製の多くのキーボードでは、最上列に明るさ調節やMission Controlなどが割り当てられており、標準ファンクションキーとして使うにはfn(Function)キーまたは地球儀キーと組み合わせます。毎回そのまま使いたい場合は、キーボード設定でファンクションキーの扱いを切り替える項目を変更します。配列の変更とは別の設定です。