Macのメモリ不足の対策|増設前に確認する手順

mac メモリ 不足 対策を調べる人の多くは、2つの別の状態のどちらかに置かれている。1つは「システムがアプリケーションのメモリを使い果たしました」という警告が出て操作が止まる状態、もう1つは警告は出ないが全体の動きが重い状態だ。原因が違うので、効く手も違う。ここではアクティビティモニタの読み方から入り、無料でできる対策、増設できるかの判別、そして買い替えの判断材料までを順に並べる。読み終えた時点で、次に触る箇所が1つに決まる状態を目指す。

「メモリ不足」は2つの別の状態を指している

言葉が1つなので同じ問題に見えるが、切り分けの入口は別になる。

1つ目は警告が出る状態だ。画面にメッセージが出て、アプリを終了するよう促される。これは物理メモリだけでなく、起動ディスクを使った仮想メモリの側が詰まっているときにも起きる。原因の候補にディスクの空き容量が入るのがこの型の特徴になる。

2つ目は警告が出ない状態だ。アプリの切り替えに待ち時間が入り、ブラウザのタブを戻すたびに読み込みが走り、文字入力に遅れが出る。この型では、メモリが足りていないのか、読み書きが詰まっているのか、CPUが埋まっているのかを数字で分ける工程が先に来る。

この2つを混ぜたまま対策を探すと、噛み合わない手を試すことになる。ディスクの整理をしても警告が出ないタイプの重さは変わらないし、アプリを閉じても仮想メモリの詰まりは解けないことがある。どちらの型に当たっているかは、直前の出来事で見分けられる。警告が出る型は、大きなファイルを開いた直後や、動画の書き出しを始めた直後のように、消費が急に増えた場面で起きやすい。警告が出ない型は、特定の操作とは結び付かず、朝は軽かったのに夕方には重いという形で現れる。前者は瞬間の上限、後者は積み上がりの問題になる。

そして、前提として知っておきたい話がある。macOSはメモリを空けておく設計ではなく、使えるだけ使う設計になっている。何もしていないのに使用済みメモリが半分を超えているのは正常な動きで、それ自体が不足の合図ではない。見るべきは総量ではなく、次の節に出てくる指標になる。

アクティビティモニタで、いまの状況を数字にする

推測でアプリを閉じていくより、アクティビティモニタを開いたほうが早い。「メモリ」をクリックすると、ウインドウの下部に内訳が出る。Appleはそれぞれの意味を次のように定義している。

  • メモリプレッシャー: メモリが処理のためにどの程度効率的に使用されているのかを視覚的に表現したもの。空きメモリ容量、スワップ率、確保されているメモリ、ファイルキャッシュメモリによって決まる
  • 物理メモリ: 装着されているRAMの容量
  • 使用済みメモリ: 使用されているRAMの容量
  • アプリメモリ: アプリが使用しているメモリの容量
  • 確保されているメモリ: システムの動作に必要なメモリ。キャッシュできず、RAM内で確保しておく必要があるため、ほかのアプリは利用できない
  • 圧縮: 利用できるRAMの容量を増やすために圧縮されたメモリの容量
  • キャッシュされたファイル: パフォーマンス向上のために未使用メモリにキャッシュされたファイルのサイズ
  • スワップ使用領域: 未使用ファイルをRAMとの間でスワップするために起動ディスク上で使用されている領域の量

この一覧の中で、対策の判断に直接つながるのはスワップ使用領域と圧縮の2つになる。どちらも「RAMが足りないので別の手段で辻褄を合わせている」ことを示す数字だ。Appleは圧縮について、コンピュータの最大メモリ容量に近付くと、メモリ内の停止中アプリが圧縮され、動作中アプリがより多くのメモリを使用できるようになると説明している。つまり圧縮が増えているのは、限界に近付いている合図になる。

見方のコツを2つ挙げる。1つは、重いと感じた瞬間ではなく、重くなる直前から開いておくことだ。数字は動いている途中の推移にしか出ないため、症状が出てから開くと原因の側が終わっていることがある。もう1つは、上部のプロセス一覧をメモリの列で並べ替えて、上位5件の名前を記録しておくことだ。日をまたいで同じ名前が並ぶなら、それが恒常的な占有者になる。名前が毎回違うなら、占有者は1つではなく、開いている量そのものが多いことになる。

プロセスの名前で迷う場面もある。同じアプリが複数の行に分かれて並ぶのは異常ではなく、ブラウザや一部のアプリが機能ごとに別のプロセスを持つ設計になっているためだ。この場合は、同じ名前を持つ行の合計で見る。1行だけを見て「大したことはない」と判断すると、実際の占有量を読み違える。

メモリプレッシャーの色で、増設が要るかを判断する

総量よりも当てになるのがメモリプレッシャーのグラフだ。Appleは色ごとの意味を明確に分けている。

  • 緑色: コンピュータはすべてのRAMを効率的に使用している
  • 黄色: コンピュータのRAMが今後足りなくなる可能性がある
  • 赤色: より多くのRAMが必要

この3段階が、対策の分岐になる。緑のまま重いなら原因はメモリではなく、ディスクの読み書きかCPUの側にある。黄色なら常駐しているものを減らす余地がある。赤が続くなら、使い方を変えるか容量を増やす話になる。

増設できるかどうかは機種で決まる。Appleは確認手順として、Optionキーを押したままアップルメニューから「システム情報」を開き、左側の「ハードウェア」の下で「メモリ」をクリックして、「メモリスロット」パネルの「アップグレード可能なメモリ」を見る形を案内している。そして、メモリスロットのパネルが表示されない場合は、そのMacにはアップグレード可能なメモリがないと明記している。

Appleシリコンを搭載したMacはユニファイドメモリをチップと一体で持つため、購入後に容量を変えられない。例えば現行のMac miniは16GBが標準で、24GBまたは32GBへの変更を注文時に選ぶ構成になっている。赤が常態化している場合の選択肢は、常駐するものを減らすか、次の買い替えで容量を上げるかの2つに絞られる。

起動ディスクの空き容量が効く理由

警告が出る型では、ディスクの空き容量が原因側に回ることがある。ここは見落とされやすい。

macOSはアクティブなプロセスで使用するデータをRAMに保存しています。 RAMの空き容量が少なくなると、macOSはデータをメインブートドライブに保存し始め、必要に応じてそことRAMの間でデータをスワップするという処理に変更します。 これが仮想メモリと呼ばれるものです。 このため、起動ディスクには常に10%程度の空き容量を確保する必要があります。 起動ディスクに、アプリケーションが一時ファイルを保存するのに十分な空き容量がない場合、「システムがアプリケーションのメモリを使い果たしました」というエラーメッセージが表示されます。 出典: macpaw.com

割合で示されているので、自分の環境に当てはめやすい。512GBのドライブなら50GB以上、1TBなら100GB以上を目安に空けておく形になる。アクティビティモニタでスワップ使用領域が数GB規模まで伸びているのに、ディスクの空きが数GBしかないなら、ここが先に詰まる。

空きを作る順番は決まっている。効果が大きく副作用が小さいものから手を付ける。動画と書き出し済みの素材、ダウンロードフォルダ、iOSのバックアップ、仮想マシンのイメージ、そして古い写真ライブラリの重複が候補になる。逆に、用途が分からないシステム側のファイルは触らない。名前から旧いものだと推測して消すのは、根拠のない操作になる。

なお、このメッセージ自体をmacOSの欠陥と受け取る必要はない。同じ出典では、最新のバージョンでも古いバージョンでも表示されることがあり、オペレーティングシステムに本質的な異常があるという意味ではなく、システムに高い負荷がかかっていることを示すものだと説明されている。

無料でできる対策を、効く順に並べる

費用をかけずにできる手は限られているが、順番を守ると効率が変わる。おすすめは次の順序になる。

1つ目は再起動だ。圧縮とスワップが積み上がった状態は、再起動で一度ゼロに戻る。ただし、これは原因を直す手ではなく、測り直すための下準備として使う。

2つ目はログイン項目の見直しになる。システム設定の「一般」から「ログイン項目と機能拡張」を開き、起動と同時に動き出すものを確認する。使っていないものが常駐していれば、確保されているメモリを圧迫し続ける。

3つ目はブラウザの整理だ。多くの環境で、メモリの上位を占めるのはブラウザ関連のプロセスになる。拡張機能は1つずつ独立して動くため、入れたまま忘れているものがあれば外す。開いたままのタブは、ブラウザ自身のタスクマネージャで個別の消費量を確認できる。

4つ目はアプリ側の設定になる。動画会議の背景処理、写真アプリの解析、クラウドストレージの同期は、どれも設定で止められる。作業中だけ動かす形に変えると、恒常的な占有が減る。

5つ目が容量の見直しだ。ここまでやって赤が続くなら、使い方の側で吸収できる範囲を超えている。この段になったら、次の買い替えで選ぶ容量を決める材料として数字を残しておく。赤が出ている時間帯、そのときに開いていた画面の数、スワップ使用領域の最大値の3つを記録しておくと、16GBで足りるのか32GBが要るのかを感覚ではなく実績で決められる。

有償のツールを検討する場合も、この記録が先にあると選び方が変わる。解放をうたうツールが効くのは、圧縮とキャッシュが積み上がった状態を一度戻す部分に限られ、恒常的に足りない状態そのものは変わらない。無料で配られているものも含めて、導入するなら「測る道具」として使い、対策そのものは常駐量の側で行う形にする。

順番を逆にして最初から解放ツールに手を伸ばすと、何が効いたのか分からなくなる。1つ変えるごとにアクティビティモニタで色を見る形にすると、効いた手だけが残る。

常駐しているWebアプリの分を、別に数える

上位のプロセスがブラウザ関連ばかりだった場合、対策の対象はMacの設定ではなく作業の組み方になる。ここは道具で数字が動く部分だ。

Gmail、Slack、Notion、Claudeのように1日を通して開いておくWebアプリは、閉じるものではなく常駐するものになっている。これを1つのブラウザのタブとしてまとめて並べると、どのタブがメモリを持っているのか見分けがつかない。見出しは短く切られ、同じサービスの仕事用と個人用は同じ文字列に見える。結果として、使っていない画面を開いたまま数日放置し、その分が圧縮とスワップに乗る。

対象をタブから窓に移すと、この部分が見えるようになる。Webアプリを1枚のタブではなく1つの窓として置く考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、いま要る画面と待機させておく画面を分けられるため、アクティビティモニタで見えた占有者と画面が1対1で結び付く。通知の扱いやアプリごとの消音、拡大率の設定はできることにまとめられている。

手元のサービスが対象に入っているかは使えるアプリで照らし合わせられる。道具を選び直すなら、項目ごとに並べたWaveboxとの比較とRamboxとの比較が、対応OSと価格の違いを見る材料になる。無料で使える範囲と有料になる線は料金で確かめられる。

メモリ不足の対策は、空き容量を増やす作業ではなく、常駐させるものを決める作業だ。何を開いたままにするかを自分で決められる形にしておくと、同じRAMのままでも余裕の出方が変わる。

よくある質問

使用済みメモリが半分以上あります。もう足りないのでしょうか?

総量だけでは判断できません。macOSは使えるメモリを積極的に使う設計で、キャッシュされたファイルの分も使用済みに含まれます。見るべきはアクティビティモニタのメモリプレッシャーで、緑ならRAMを効率的に使えている状態、黄色は今後足りなくなる可能性がある状態、赤はより多くのRAMが必要な状態を示します。

「システムがアプリケーションのメモリを使い果たしました」と出ます。何から確かめますか?

起動ディスクの空き容量を先に見ます。RAMが不足するとmacOSは起動ディスクを使った仮想メモリに切り替えるため、一時ファイルを置く余地がないとこのメッセージが出ます。目安は容量の10%程度で、512GBなら50GB以上が基準になります。空きを確保してから、アクティビティモニタでスワップ使用領域の推移を見直します。

後からメモリを増設できるか、どこで分かりますか?

Optionキーを押したままアップルメニューから「システム情報」を開き、「ハードウェア」の下の「メモリ」をクリックして、「メモリスロット」パネルの「アップグレード可能なメモリ」を確認します。このパネルが表示されない場合、そのMacにはアップグレード可能なメモリがありません。Appleシリコン搭載モデルは注文時の容量で固定されます。

無料でできる対策から試したいのですが、順番はありますか?

再起動で数字を測り直し、次にログイン項目を見直し、そのあとブラウザの拡張機能とタブを整理し、最後にアプリ側の自動処理を止める順序が効率的です。1つ変えるたびにメモリプレッシャーの色を確認すると、どの手が効いたのか分かります。ここまでで赤が続く場合は、常駐させる量そのものを減らす検討に移ります。

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