Macのメニューバーアプリ|画面の上端に常駐させて役に立つもの
画面の一番上の帯に、いつの間にかアイコンが15個並んでいる。どれが何のアプリなのか半分は思い出せず、時計の左側は詰まっていて、ノッチのあるMacでは右端の数個が隠れて押せない。Macのメニューバーアプリを探している人の多くは、便利なものを増やしたいという以前に、この帯を自分の意図どおりに並べ直したいと考えている。
結論から書く。メニューバーは「状況を確認する場所」であり、作業をする場所ではない。この線引きを先に決めると、常駐させる価値のあるアプリは4つの型に絞られ、それ以外は窓を持たせるか、そもそも常駐させないという判断になる。この記事では、標準の設定で整えられる範囲、常駐させて効く型、アイコンが増えたときの扱い、そして窓に移すべきものとの境目を順に扱う。
メニューバーは何を出す場所として設計されているか
Appleの説明では、メニューバーはMacの画面の一番上に横方向に表示され、メニューとアイコンを使ってコマンドを選択したり、タスクを実行したり、状況を確認したりする場所とされている。3つの用途が並んでいるが、常駐アプリが担うのは実質的に3つめの「状況を確認する」である。
この設計が守られているかどうかは、プライバシーインジケータの作りに表れている。コントロールセンターの右側に出る小さな印は、オレンジ色のドットがマイクの使用中、緑色のドットがカメラの使用中、紫色のドットがシステムオーディオの録音中、矢印が位置情報の使用中を示す。しかも一度に表示されるのは1つだけで、マイクとカメラの両方が使われているときは緑色のドットだけが出る。情報の密度を上げるより、いま重要な1つを出すという判断である。
常駐アプリを選ぶときの基準も、ここから引ける。ひと目で状態が分かるものは向いている。押してから読む必要があるもの、設定を何段も開くもの、文章を書き込むものは向いていない。後者は窓を持つべきアプリであって、帯の中に押し込むと結局その帯を押してから窓を開くことになる。
標準の設定でどこまで整えられるか
アプリを増やす前に、システム設定の側でできることを確かめておくと、入れなくて済むものが出てくる。
設定の場所は、アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーの「メニューバー」である。並んでいる項目は次の通りになっている。
- メニューバーを自動的に表示/非表示。「常に」「デスクトップ上のみ」「フルスクリーン時のみ」「しない」の4つから選ぶ。非表示にしているときは、ポインタを画面の一番上へ動かすと出てくる
- メニューバーの背景を表示。帯の背面に壁紙を出すか、帯の背景を出すかを選ぶ
- 最近使った書類、アプリケーション、およびサーバの表示数。アップルメニューの「最近使った項目」に並ぶ件数を決める
アイコンの追加も標準の機能で足りることが多い。システム設定の「メニューバー」では、Siri、天気、Time Machineなどの設定やコントロールのアイコンを追加できる。コントロールセンター側から追加する場合は、メニューバーのコントロールセンターのアイコンを押して「コントロールを編集」を選び、コントロールギャラリーまたはコントロールセンターから項目を帯へドラッグする。クイックメモ、ディスプレイをスリープさせる、カラーフィルタといった操作がこの方法で並ぶ。
よく使う項目を1つだけ帯に出したいときは、コントロールセンターを開いてControlキーを押しながら項目をクリックし、「メニューバーにコピー」または「メニューバーに追加」を選ぶ。Wi-Fiやサウンドのように毎日触るものは、コントロールセンターを開く1手間を省けるので効果が分かりやすい。
ここまでで足りるなら、アプリを入れる必要はない。逆に、足りないと分かった部分だけを外部のアプリで補うという順番にすると、常駐の数が増えにくい。
常駐させて効くアプリは4つの型に分かれる
上位で紹介されているアプリを機能で整理すると、次の4つに収まる。名前より型で覚えるほうが選びやすい。
1つめは、帯そのものを整えるもの。アイコンを隠す、並べ替える、検索して呼び出す種類である。数が増えた人にとっては最初に入れる1本になる。
2つめは、状態を数字で出すもの。CPU、メモリ、通信量、バッテリーの健康状態、ディスクの残り容量などを常時表示する。ひと目で読めるという条件に合っているので、メニューバーとの相性がよい。
3つめは、時間を扱うもの。次の予定、時計の別の時間帯、作業時間の計測などである。予定の確認は1日に何度も起きるうえ、確認のたびにカレンダーの窓を開くのは重い。海外の取引先と仕事をしているなら、相手側の現在時刻を帯に出しておくだけで、送信する時間を間違えにくくなる。作業時間の計測も、開始と終了を押すだけの操作なので帯に向いている。
4つめは、手を動かす操作を1つだけ持つもの。クリップボードの履歴、画面の共有前に散らかりを隠す、通知を止める、画面の解像度を切り替えるといった種類である。押す回数が1回で完結するものに限れば、帯に出す意味がある。
4つめの型について、次のような整理がされている。
良いメニューバーとは、軽くてシンプルで、でも必要なときに必要なことをパッとやってくれるもの…だとしたら、QuickPresentはまさにそれです。 出典: gizmodo.jp
型を決めたうえで1本ずつ試すと、入れ替えの判断が早くなる。目安として、入れてから1週間のあいだに一度も押さなかったアイコンは外してよい。押さなかったということは、状態を確認する必要がなかったか、確認したいときに別の場所を見ていたかのどちらかで、どちらの場合も帯に並べておく理由がない。逆に、1日に何度も押しているものは、キーボードショートカットを割り当てて押す動作自体を減らせないかを考える段階に入っている。
同じ型のアプリを2本入れないことも決めておきたい。時計の別の時間帯を出すアプリと、次の予定を出すアプリを両方入れると、同じ帯の中で似た情報が2か所に並ぶ。どちらを見ればよいのか一瞬迷う状態は、整理する前より遅くなっている。
逆に、この4つに入らないものは常駐から外す候補になる。メモを書く、タスクを管理する、メールを読む、チャットに返信する。いずれも読んで書く作業なので、帯から呼び出す小さな画面では足りず、結局は窓が必要になる。
アイコンが増えすぎたときに使われるアプリ
帯を整える型のアプリは、機能の幅と費用の考え方がはっきり分かれている。事実を並べる。
| 名前 | 費用の形 | 特徴 |
|---|---|---|
| Hidden Bar | 無料 | 区切りより左側を隠す。指定した秒数で自動的に隠す |
| Ice | 公開されているソースコードから作られている | 帯の項目を管理する |
| Bartender | 有料(試用期間あり) | 検索して呼び出す、条件に応じて出す、ノッチの扱い |
Hidden BarはApp Storeで配布されていて、日本のページでは無料、Macのみ対応、容量は7.4MBと記載されている。開発元はDwarves Foundationで、機能として挙げられているのはログイン時に起動、5秒から60秒までの指定した時間が経つと自動的に隠す、キーボードショートカットで表示と非表示を切り替える、帯の全体を表示するモード、右から左に読む言語への対応である。やりたいことが「使っていないアイコンを畳む」だけなら、ここで足りる。
IceはGitHubで公開されているmacOS向けのメニューバー管理ソフトで、jordanbaird/Iceのリポジトリで配布されている。ソースコードが読める形で公開されているため、常駐させるものの中身を確かめたい場合の選択肢になる。
Bartenderは有料で、公式サイトでは4週間の試用が案内されている。機能の幅が広く、キーボードから帯の項目を検索して実行するCommand Bar、クリップボードの履歴、条件に応じて項目を出すTriggers(電源を抜いたらバッテリーを出す、公共のWi-FiではVPNを出す、会議中はマイクを出す)、ホバーやクリックやホットキーで呼び出せるBartender Bar、ノッチに隠れてしまう項目を自動的に畳んでクリックかホットキーで戻す仕組みが並ぶ。画面収録の権限を与えなくても動作し、その場合は項目の画像ではなくアプリのアイコンが表示されると説明されている。
選び方としては、隠すだけで済むなら無料のもの、条件で出し入れしたいなら有料のものという分かれ方になる。3本とも入れる意味はないので、どれか1本に決める。
増やすときに見ておく3つの点
常駐アプリは、入れた瞬間ではなく1か月後に問題になる。先に見ておく点を挙げる。
1つめは権限である。帯の項目を並べ替えたり隠したりする種類のアプリは、画面の情報を読む権限を求めることがある。何のために必要なのかを確かめ、必要のない権限は与えない。前述のように、画面収録の権限がなくても動く作りにしているアプリもある。
2つめは常駐の数そのものである。常駐アプリはログイン時に起動して動き続けるため、数が増えれば使う資源も増える。数字で状態を出す型は更新のたびに計算するので、同じ指標を出すアプリを2本入れる状態は避けたい。
3つめはノッチである。カメラの帯が画面上部の中央を占めるMacでは、帯の右側に並べられる数に限りがある。アイコンが多い状態でウィンドウのメニューが長いアプリを開くと、右側の数個が押せなくなる。これは配置の問題であって、アプリの不具合ではない。隠す型のアプリを入れるか、そもそも並べる数を減らすかのどちらかで解決する。
メニューバーに出すか、窓にするかの線引き
整理が終わらない原因は、帯に入れるべきでないものを帯に入れていることにある。判断の基準は1つで足りる。読むだけなら帯、読んで書くなら窓である。
- 帯に出す:状態の数字、次の予定、通知の切り替え、1回押して終わる操作
- 窓にする:メール、チャット、ドキュメント、タスクの管理、社内の管理画面
窓にすべきものをどう置くかが、次の問題になる。ブラウザのタブに並べると、通知はブラウザの名前で届き、切り替えはタブの往復になり、帯を整えても作業の散らかりは残る。アプリごとに独立したワークスペースを持たせる形の道具は、この部分を受け持つために作られている。
macOS向けのアプリ集約ブラウザは、Webアプリ1つずつに窓とアイコンと保存領域を割り当てる。何ができるのかを整理したできることのページと、用途ごとにアプリを束ねて名前を付けるワークスペースのページを見ると、帯の整理とは別の層の話であることが分かる。開発や運用の作業を同じ画面で済ませたい場合はターミナルのページも参考になる。対応しているサービスは使えるアプリに一覧がある。
同じ領域の製品を比べたい場合は、Waveboxとの比較やFerdiumとの比較に機能と費用の違いが並んでいる。費用の条件だけを先に確かめたいときは料金、導入前の疑問はよくある質問にまとめられている。
今日から変えられることを2つに絞る。システム設定の「メニューバー」を開いて、標準の機能で出せる項目と外せる項目を確かめること。そして、帯に並んでいるアイコンを1つずつ見て、読むだけのものと読んで書くものに分けることである。後者が3つ以上見つかったなら、直すべき場所は帯ではなく窓の側にある。
よくある質問
メニューバーのアイコンを減らすのに、アプリを入れる必要はありますか?
先に標準の設定を確かめてください。システム設定のサイドバーにある「メニューバー」で、Siriや天気、Time Machineなどの表示を切り替えられます。それでも並びきらない場合に、隠す型のアプリを検討します。隠すだけで足りるなら無料のもので済み、条件に応じて出し入れしたい場合に有料のものが候補になります。
常駐アプリを増やすとMacは重くなりますか?
常駐アプリはログイン時に起動して動き続けるため、数が増えれば使う資源も増えます。特にCPUやメモリの数字を出す型は更新のたびに計算するので、同じ指標を出すアプリを重ねて入れるのは避けてください。1つの用途につき1本という決め方にすると増えにくくなります。
ノッチのあるMacで右側のアイコンが押せません。直せますか?
帯の右側に並べられる数に限りがあるため、配置を変えるしかありません。隠す型のアプリで使用頻度の低いアイコンを畳むか、そもそも並べる数を減らします。ノッチに隠れる項目を自動的に畳み、クリックかホットキーで戻す機能を持つアプリもあります。
メールやチャットもメニューバーに常駐させたほうがよいですか?
向いていません。メニューバーは状況を確認する場所で、読んで書く作業には狭すぎます。帯から呼び出した小さな画面で返信を始めると、結局は窓を開くことになります。毎日開くものは独立した窓とアイコンを持たせ、帯には通知の切り替えや未読の件数のような、ひと目で読める情報だけを残す形が扱いやすくなります。