mac 画面 分割の3つの道|タイル表示とSplit Viewの違い
資料を見ながら書く、チャットを見ながら返す、表を見ながら数字を写す。どれも2つの画面が同時に見えていれば終わる作業なのに、実際にはCommandキーとTabキーを往復し続けている。「mac 画面 分割」で調べると緑のボタンにポインタを置く手順が最初に出てくるが、その通りに押しても思った配置にならなかった人は多い。
理由は、macOSの画面分割が1種類ではないからである。デスクトップの中で窓を半分ずつに置く「タイル表示」と、2つのアプリを専用の操作スペースへ移して全画面で並べる「Split View」は、見た目が似ていて中身が違う。どちらを使うかを最初に決めておくと、手順の迷いはほぼ消える。
分割には性質の違う2つの道がある
タイル表示は、いま使っているデスクトップの上で窓の位置とサイズを変える操作である。メニューバーとDockはそのまま表示され続け、3枚目の窓を後から足すこともできる。macOSのガイドでは、ドラッグ、Optionキーを押しながらのドラッグ、緑色のボタン、メニュー、キーボードショートカットの5通りの入口が示されている。
Split Viewはこれとは違い、2つのアプリを新しい操作スペースへ移して画面いっぱいに並べる。Appleの説明は次の通りである。
Mac上のアプリの多くは、2つのアプリを並べて同時に作業できるSplit Viewに対応します。 出典: support.apple.com
同じページには「新しいデスクトップスペースにSplit Viewが作成されます」とも書かれている。つまりSplit Viewに入った瞬間、その2つは別の場所へ引っ越す。元のデスクトップに戻るにはControlキーと左右の矢印キーで操作スペースを移動することになり、ここが「分割したら他の窓が全部消えた」と感じる正体である。
集中して2つだけを見たいならSplit View、他の窓も視界に残したいならタイル表示。この一択を先に決めるだけで、以降の手順は枝分かれしなくなる。
緑色のボタンから分割する
いちばん短い道が、窓の左上にある緑色のボタンである。ポインタを乗せるとメニューが開き、「移動とサイズ変更」の下に並ぶレイアウトを選ぶと、その窓だけが指定の位置に収まる。2枚を同時に配置したいときは「画面全体に配置」の下のレイアウトを選ぶ。
このメニューには隠れた段がある。ポインタを乗せた状態でOptionキーを押すと、追加のレイアウトが現れる。中央に置く配置や、デスクトップ全体に広げる配置はこちら側にあるため、標準のメニューだけを見て「4分割ができない」と判断してしまう場合がある。
Split Viewに入りたい場合も同じボタンから進む。緑色のボタンにポインタを置き、「フルスクリーン」の中の「画面左側」または「画面右側」を選ぶと、反対側に候補の窓が並ぶので、組にしたいアプリをクリックする。分割後に左右を入れ替えたいときはウインドウのタイトルバーを反対側へドラッグし、片側だけ広げたいときは中央の区切り線を左右にドラッグする。区切り線をダブルクリックすると元の比率に戻る。
片側のアプリだけを差し替える操作も用意されている。差し替えたい側の窓をクリックし、緑色のボタンから「タイル表示されたウインドウを置き換える」を選ぶと、候補の一覧から別の窓を指定できる。
ドラッグとメニューから分割する
マウスやトラックパッドで完結させたい場合は、窓を画面の端まで運ぶ方法が早い。左端、右端、四隅のどこでも受け付け、強調表示が出たところで指を離すと位置が確定する。画面の上端まで運ぶとデスクトップ全体に広がる。
この操作には注意点が1つある。窓を画面上部へドラッグするとMission Controlが開く設定が標準で有効になっているため、意図せず一覧画面に飛ぶことがある。システム設定の「デスクトップとDock」にある「ウインドウを画面上部にドラッグしてMission Controlに入る」をオフにすると、この動きは止まる。
もう1つ、速度が要るときはOptionキーを押しながら運ぶ。押したままドラッグして強調表示の場所で離すと、通常よりも素早くタイル表示になる。
キーボードとマウスのどちらも使いたくない場面では、メニューバーの「ウインドウ」から進む道がある。「移動とサイズ変更」にポインタを合わせると「2分割」「4分割」のレイアウトが並び、「配置」の下には複数の窓をまとめて置くレイアウトが出る。ここでもOptionキーを押すと追加のレイアウトが現れる。
2つの分割方式を並べて比べる
同じ「分割」でも、選んだ瞬間に変わるものがいくつかある。
| 比べる点 | タイル表示 | Split View |
|---|---|---|
| 置かれる場所 | いま使っているデスクトップ | 新しい操作スペース |
| メニューバーとDock | 表示されたまま | ポインタを近づけたときだけ出る |
| 3枚目の窓を足す | できる | 2つまで |
| 他の窓の見え方 | 後ろに残る | 見えなくなる |
| 元に戻す | Fn+Control+Rで前のサイズへ | 緑色のボタンから「ウインドウをデスクトップに移動」 |
| 向く作業 | 参照しながらの作業、割り込みのある仕事 | 原稿執筆、集中して読む作業 |
表の最後の行が実務では効く。連絡が飛んでくる時間帯にSplit Viewへ入ると、通知を押した瞬間に別の操作スペースへ飛ばされて戻り方が分からなくなる。割り込みが前提の時間帯はタイル表示、まとまった時間が取れる時間帯はSplit View、という分け方が破綻しにくい。
分割の挙動を決める設定の場所
分割まわりの設定は1か所にまとまっている。システム設定を開き、サイドバーの「デスクトップとDock」を選んで「ウインドウ」の欄まで下がると、次の4つのオン・オフが並ぶ。
- ウインドウを画面の左端または右端にドラッグしてタイル表示
- ウインドウをメニューバーにドラッグしてフルスクリーン表示
- Optionキーを押しながらドラッグしてタイル表示
- タイル表示されたウインドウを隙間を入れて配置
最後の項目が、見た目の好みが分かれるところである。標準では並べた窓の間に余白が入る。
macOS 15(Sequoia)では、標準でウィンドウ分割すると画面の境界に小さな隙間ができます。この隙間を不要と感じる方も多いでしょう。この隙間をなくして画面をスッキリ見やすくするための手順は以下の通りです。 出典: it-archive.com
13インチ程度の画面で左右に分けると、この余白の分だけ1枚あたりの横幅が削られる。文字が折り返して読みにくいと感じたら、まずこの項目をオフにしてみるのが手順として早い。逆に大きな外部ディスプレイでは、余白があったほうが2つの領域の境目が分かりやすい。
分割そのものを使わない人は、上の3項目をオフにしておくと、窓を端へ寄せたときに勝手に吸い付く動きが止まる。ドラッグ操作で意図せず分割される事故は、この設定で消える。
分割できない、思った位置に入らないとき
手順どおりに操作しても分割にならない場合、確かめる順番がある。最初に見るのは、そのアプリが分割に対応しているかどうかである。Appleの説明はSplit Viewについて「Mac上のアプリの多くは」という書き方をしており、すべてのアプリが対象ではない。設定の画面や小さなユーティリティのように、窓のサイズを変えられない作りのものは分割の候補に出てこない。
次に見るのが、窓が持っている最小サイズである。表計算やデザイン系のアプリはツールの列が固定で場所を取るため、横に並べると片側が最小サイズに引っかかり、左右が均等にならないことがある。この場合は中央の区切り線を動かして比率を変えるか、狭いほうを別のディスプレイへ移すほうが早い。
外部ディスプレイを使っていて、そちらでSplit Viewに入れないときは設定が原因である。Appleは「アプリをほかのディスプレイ上のSplit Viewで使うには、『デスクトップとDock』設定で『ディスプレイごとに個別の操作スペース』オプションがオンになっていることを確認してください」と案内している。この項目をオフにしたまま外部ディスプレイで分割しようとすると、操作は受け付けられても意図した画面に並ばない。
分割の機能そのものが無効になっている可能性も残る。前の節で挙げた「ウインドウ」の欄の項目が過去にオフにされていると、端へのドラッグは何も起こさない。緑色のボタンからの操作は生きているので、ドラッグだけが効かないときはこの設定を疑う。
無料でできる範囲と、道具を足す判断
ここまでの操作はすべてmacOSに含まれており、追加の費用はかからない。キーボードだけで配置したい場合もFnキーとControlキーの組み合わせが標準で用意されている。上位の解説記事が紹介している画面分割アプリの多くは、この標準機能が無かった時代に必要とされたもので、いまは標準の範囲で足りる場面が増えた。
それでも道具を足す判断があるとすれば、判断の軸は3つに絞られる。1つ目は、決まったレイアウトを何度も呼び出したいかどうか。2つ目は、外部ディスプレイを含めた複数画面をまたいで窓を飛ばしたいかどうか。3つ目は、縦置きのモニターのように標準のレイアウトと相性が悪い配置を使っているかどうか。このどれにも当てはまらないなら、追加の道具は増えた設定を覚える手間だけを残す。
分割しても片付かないときに残っている原因
左右に並べたのに手が止まる場合、原因は配置ではなく中身の単位にあることが多い。Webアプリで仕事が完結するようになって、メールもチャットも議事録も案件管理も、実体はブラウザの中のタブになった。macOSから見ればそれらは1つのアプリの窓であり、左右に分けても片側は相変わらず20個のタブを抱えたままになる。
この状態では、分割は「2つの窓を並べる」ではなく「タブの束を2つ並べる」になる。目的の画面へ届くまでに、窓を選ぶ操作とタブを選ぶ操作が二重にかかるので、分割の効果が打ち消される。
解き方は、窓の単位をサービスの単位に合わせることである。アプリごとに独立したワークスペースを持たせる考え方で作られたブラウザを使うと、GmailとSlackとNotionがそれぞれ別の窓になるため、Fn+Control+Shift+左矢印のような標準のショートカットがそのまま目的の2つに効く。仕組みはワークスペースに、できることの範囲はできることにまとまっている。毎日開いているサービスが対応しているかどうかは使えるアプリで確かめられる。
移る前の損得もはっきりしている。ログインのやり直しが必要になり、拡張機能が同じようには動かないことがあり、窓を開いたままにする使い方になるのでメモリの使用量は増える。この種のブラウザは月額の有無と対応OSで性格が変わるため、条件を並べたWaveboxとの比較や、無料で使える範囲が広い側に寄せたFerdiumとの比較を先に読んでおくと判断がぶれない。費用の考え方は料金に、導入前に出やすい疑問はよくある質問に並んでいる。
順番としては、まず1週間はタイル表示だけで過ごし、どの作業が2枚で足りてどの作業で足りないかを数える。足りない側が「同じブラウザの中の行き来」に寄っていたら、直す場所は分割の手順ではなく窓の持ち方にある。
よくある質問
タイル表示とSplit Viewはどちらを使えばよいですか?
他の窓を視界に残したいならタイル表示、2つだけに集中したいならSplit Viewが向きます。Split Viewは新しい操作スペースに作られるため、他の窓は見えなくなり、戻るにはControlキーと左右の矢印キーで操作スペースを移動します。連絡が飛んでくる時間帯はタイル表示のほうが扱いやすくなります。
画面を3分割や4分割にできますか?
できます。緑色のボタンのメニューで「画面全体に配置」の下のレイアウトを選ぶか、メニューバーの「ウインドウ」から「移動とサイズ変更」を開いて「4分割」のレイアウトを選びます。Optionキーを押すと追加のレイアウトが表示されます。Split Viewは2つまでなので、3枚以上を並べるときはタイル表示を使います。
分割した窓の間の隙間をなくせますか?
システム設定の「デスクトップとDock」を開き、「ウインドウ」の欄にある「タイル表示されたウインドウを隙間を入れて配置」をオフにすると余白が消えます。同じ欄には、端へのドラッグやOptionキーを押しながらのドラッグでタイル表示にする機能のオン・オフも並んでいます。
画面分割のために有料のアプリを入れる必要はありますか?
macOSの標準機能だけで左右の分割も4分割もキーボード操作も行えるため、必須ではありません。決まったレイアウトを繰り返し呼び出したい場合、複数のディスプレイをまたいで窓を飛ばしたい場合、縦置きモニターを使っている場合に限って、追加の道具を検討する価値があります。