MacBookのファンがうるさいとき|音の原因になっている画面を見つける
MacBookのファンがうるさいとき、知りたいのは「壊れているのか」と「どうすれば静かになるのか」の2つです。そして多くの場合、答えは本体側ではなく、いま開いている画面のどれかにあります。Gmail、Slack、Notion、生成AIの画面を同時に開いて働いていると、目に入っていない画面が通信と再描画を続けていて、それが温度を押し上げていることがあります。
ここでは、音の原因になっている画面を名指しする手順を先に置き、そのあとに減らし方、排気の条件、故障を疑う目安を順に並べます。
ファンが回るのは異常ではなく、温度に対する反応
ファンは温度が上がったときに回ります。回っているという事実そのものは不調ではなく、熱を外へ出すための正常な動作です。問題になるのは、回り続ける時間が長いこと、そして負荷をかけていないのに回ることです。
音の感じ方には環境の要素もあります。
静かな空間で作業をしているとファンの動作音が聞こえやすくなるので、場所によってはうるさいと感じてしまいます。高い負荷のかかる作業や暑い空間にいないにも関わらずファンが回っているときは、システム上の問題が発生している可能性もあるので故障を疑うようにしましょう。 出典: mac.arst.jp
ここが切り分けの入口になります。重い作業をしている最中に回るなら順当な反応で、何もしていないのに回るなら原因を探す対象です。まず自分がどちらなのかを決めてから、次の手順に進んでください。
もう1つ知っておくとよいのは、温度が上がったときにファンが回るだけでなく、システムが動作速度そのものを下げる場合があることです。作業を始めて20分ほどは速く、そこから明らかに落ちて、同時にファンの音が大きくなるという形は、この状態に当てはまります。ファンの音と動作の重さが同時に来ているなら、2つは同じ原因から出ています。
音の原因になっている画面を名指しする手順
アクティビティモニタを開きます。アプリケーションフォルダの中のユーティリティフォルダにあります。
まずCPUのタブを開き、列の見出しをクリックして使用率の高い順に並べ替えます。ファンの音が大きくなっている最中に見るのが大事で、落ち着いている時間に見た値を並べても意味がありません。上位3件の名前を書き留めてください。
次にエネルギーのタブを開きます。ここは瞬間的なCPU使用率ではなく、エネルギーへの影響で並ぶので、長く続いている負荷が見えます。ファンが回るのは瞬間の負荷ではなく、続いた負荷で温度が上がった結果なので、原因を探すならこちらのほうが素直に出ます。
ブラウザを使っている場合、上位に出るのはブラウザの名前だけで、中のどの画面かは分かりません。Chromeの場合はウインドウのメニューからタスクマネージャを開くと、タブや拡張機能ごとに分かれて表示されます。ここまで辿ると、名前が1つに絞れます。よく出てくるのは、ビデオ会議、動きのあるダッシュボード、自動再生の動画を含む記事、そして常に更新を受け取っているチャットです。
Webアプリ中心の働き方でファンが回る典型
タブの本数と負荷は比例しません。読み終えた記事のタブはほとんど負荷になりませんが、次の種類は見えていなくても動き続けます。
- ビデオ会議。カメラ映像の処理に加えて、背景ぼかしや自動フレーミングを入れていると処理が上乗せされる
- 動きのあるダッシュボードや監視画面。数秒おきに再描画が入る
- チャット。通信をつなぎ続け、届いた分だけ再描画する
- 表計算やデザインの画面。開いているだけで計算や描画を持ち続ける
- 拡張機能。すべてのページで動くため、負荷が一度きりで終わらない
外部ディスプレイをつないでいる場合は、描画の負荷も足されます。高解像度の画面を2枚つないだ状態で、動きのあるダッシュボードとビデオ会議を同時に開くと、常時かかる負荷が積み上がります。会議中だけファンがうるさいという自覚があるなら、背景ぼかしや自動フレーミングを切った状態で1回試して比べると、寄与の大きさが分かります。
ブラウザ側の設定で減らせる分
Chromeには、使っていないタブを非アクティブにする設定があります。設定のパフォーマンスにあるメモリセーバーで、戻ったときには自動で再読み込みされます。レベルは、タブが長時間経過してから非アクティブになる「適度」、推奨とされる「バランス重視」、短時間で非アクティブになる「最大」の3段階です。同じ画面の「常にアクティブにするサイト」は除外リストで、書きかけの入力を抱えた画面はここに入れます。同じパフォーマンスの画面には、バッテリーを長持ちさせるための省エネモードもあります。
ただし限界も公開されています。音声や動画の再生や通話、画面共有、ページ通知、ダウンロード中、一部記入済みのフォーム、固定タブ、USBやBluetoothの接続中は、タブを非アクティブにできません。チャットを固定タブで置いている状態は、この条件のいくつかに同時に当てはまります。つまり、ファンの音に最も寄与している画面こそ、この設定が触らないように作られている画面です。
そこで現実的な手当ては2つになります。1つは、常時更新を受け取る画面の数を決めて、それ以外はその日のうちに閉じること。もう1つは、拡張機能を1か月使っていないものから外すことです。拡張機能はすべてのページで動くため、減らした効果が全体に効きます。
操作していないのに回るときに疑うもの
キーボードから手を離しているのにファンが回り続ける場合、動いているのは自分の操作ではなく、裏で走っている処理です。心当たりが多いのは次の種類です。
- 検索のための索引作り。大量のファイルが増えたあとや、移行の直後に走る
- クラウドの同期。iCloudやGoogleドライブ、Dropboxのクライアントが実体ファイルを取り込んでいる
- 写真の解析。顔や被写体で検索できるようにするための処理で、ライブラリが大きいほど長く続く
- バックアップ。Time Machineが外付けディスクやネットワーク越しに書き込んでいる
- アップデータ。アプリの更新の確認とダウンロード
これらは一度きりで終わる種類なので、電源につないだまま数時間放置して、そのあとで静かになるかどうかを見るのがいちばん早い確認です。静かになったなら、対処は要りません。翌日も同じ時刻に回るなら、定期実行が設定されている処理です。
ログイン時に立ち上がるものの一覧は、アップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーの「一般」、続いて「ログイン項目と機能拡張」で確認できます。ここには性質の違う2つの一覧があり、上はログイン時に開く項目、下はバックグラウンドでの実行を許可するかどうかです。Appleは後者を、アプリが開いていないときにソフトウェアアップデートの確認やデータの同期などを実行することと説明しています。
何も削除せずに試せる方法もあります。ログインウインドウで、ログインボタンをクリックするあいだシフトキーを押し続けると、自動的に開く項目を一時的に止められます。この状態でファンが静かなら、原因は常駐している側にあります。会社から配布されているMacの場合、管理用のソフトウェアが常駐していることがあるので、用途の分からない常駐を自分で止めるのは避け、担当へ状況を伝える形にしてください。
置き場所と排気という物理の条件
ソフトウェアの前に確かめられることが2つあります。
1つは設置面です。ベッドやクッション、ひざの上のような柔らかい面では、机の上より空気の通り道が狭くなります。同じ作業でも温度の上がり方が変わるので、ファンの音が気になる日は、まず硬く平らな面に置いて比べてみてください。
もう1つは吸気口と排気口のほこりです。数年使ったMacBookでは、目に見える量がたまっている場合があります。自分で内部を開けるのは避けたほうがよく、外から見える範囲の清掃にとどめるのが安全です。それ以上は修理を受けている窓口に相談する範囲になります。
充電しながら重い作業をすると温度が上がりやすいことも、経験として知っておくと役に立ちます。会議と書き出しが重なる時間帯だけ音が大きいなら、順番をずらすだけで収まることがあります。
故障を疑う目安
次のいずれかに当てはまるなら、使い方の工夫ではなく点検の話になります。
- 電源を入れて何も操作していないのに、最初から最大の音で回り続ける
- アクティビティモニタで上位に何も出ていないのに回り続ける
- 音の質が変わった。風の音ではなく、擦れる音やカラカラという音が混じる
- ファンがまったく回らないのに本体が熱い
- シフトキーを押したログインで自動起動を止めても変わらない
3つめは羽やベアリングの物理的な問題を含む可能性があるので、早めに見てもらう対象です。4つめは熱が逃げていない状態なので、使い続けないほうがよい種類です。
音の記録を残すと、次に同じ状態になったとき早い
ファンの音は再現しないと調べられません。うるさかった時間帯、そのときに開いていた画面、アクティビティモニタの上位3件を1行ずつ残しておくと、原因の候補が絞れます。
記録から見えてくるのは、たいてい時間帯の偏りです。会議が続く午後だけ、外部ディスプレイをつないだ日だけ、あるいは月曜の午前だけ、という形で偏っているなら、それは機械の性能の問題ではなく、その時間に何が動いているかの話になります。曜日と時刻を添えるだけで、絞り込みがかなり進みます。
もう1つ、変える手は一度に1つにしてください。会議の背景処理を切り、拡張機能を外し、置き場所を変えるところまで同時にやると、何が効いたのか分からなくなります。効いた手が分からないと、半年後に同じ症状が出たときに最初からやり直すことになります。
静かにするための順序
| 順序 | やること | 費用 |
|---|---|---|
| 1 | 回っている最中にCPUとエネルギーのタブを見る | 0円 |
| 2 | タスクマネージャで画面ごとに分けて特定する | 0円 |
| 3 | 会議の背景処理や動くダッシュボードを切って比べる | 0円 |
| 4 | 拡張機能と常時更新の画面を減らす | 0円 |
| 5 | 硬い面に置き、吸気口の汚れを外から確かめる | 0円 |
| 6 | 点検を依頼する | 見積もりが必要 |
1から5までで変わらなかったことを記録しておくと、6で状況を説明しやすくなります。
回り続ける画面を減らすための置き方
ここまでの手順で残るのは、必要だから開いている画面です。会議もチャットもダッシュボードも仕事の一部なので、消すという解決はできません。残る手は、開く数を管理できる形に変えることです。
タブが40本あって複数のウインドウに散っている状態では、いま何が動いているのかを把握できません。把握できないので、閉じる判断ができず、結果として全部が開いたままになります。Webアプリごとに決まった置き場所を持たせると、一覧が固定されるので、いま何を抱えているかが見えます。アプリごとに独立したワークスペースにすると、同じサービスの複数アカウントを同時にログインしたままにできるので、切り替えのために開き直す回数も減ります。考え方はワークスペースにまとまっています。
毎日使っている道具がこの形に収まるかどうかは使えるアプリの一覧で先に確かめられ、無料で使える範囲は料金に書かれています。同じ発想の製品を横に並べた比較はWaveboxとの比較にあります。
よくある質問
MacBookのファンが回るのは故障ですか?
温度が上がったときに回るのは正常な動作です。判断の目安は、負荷をかけていないのに回り続けるかどうかです。何も操作していないのに最初から最大の音で回る、アクティビティモニタに何も出ていないのに回る、風の音ではなく擦れる音が混じるといった場合は、点検を依頼する対象になります。
どの画面がファンを回しているのか、どうやって調べますか?
音が大きくなっている最中に、アクティビティモニタのCPUとエネルギーの両方のタブを見てください。エネルギーのタブは長く続いている負荷が見えるので、ファンの原因を探すのに向いています。ブラウザが上位に出た場合は、Chromeのタスクマネージャでタブや拡張機能ごとに分けて特定できます。
ファンの音を静かにするために、アプリを全部閉じるべきですか?
全部閉じるより、常時更新を受け取る画面の数を決めるほうが続きます。ビデオ会議、動きのあるダッシュボード、チャットは開いているだけで負荷が続く種類です。会議の背景ぼかしや自動フレーミングを切って比べると、どれがどれだけ寄与しているかが分かります。
ファンの音と一緒に動作も重くなるのはなぜですか?
温度が上限に近づくと、システムが動作速度を下げて熱を抑えます。最初の20分は速く、そこから落ちて同時にファンが大きくなるという形は、この状態に当てはまります。柔らかい面の上で使っていないか、吸気口が汚れていないかを先に確かめると、原因が絞れます。