MacBookが熱いとき|熱を作っているのはどの画面かを確かめる

MacBookが熱いと感じてこのページに来た人の多くは、すでに一度はアプリを閉じている。閉じた直後は落ち着くが、しばらく仕事を続けると同じところが同じように熱くなる。熱そのものは症状で、原因は別の場所にある。冷却台を買う前に、熱を作っている当事者を1回だけ名指ししておくと、同じ対処を毎日繰り返さずに済む。この記事では、置き場所と周辺温度、アクティビティモニタのエネルギー欄、CPUとGPUの三段で切り分ける順番を整理する。

熱は結果であって原因ではない

本体が熱い、底面が熱い、パームレストがぬるい、という状態はどれも「中で電力を使い続けている」ことの表れになる。プロセッサが仕事をすれば電力が熱に変わり、その熱が筐体に伝わる。つまり熱の量は、そのとき動いていた処理の量に比例する。熱を下げたいなら、温度を下げる手当てではなく、電力を使っている処理を減らす手当てから入るほうが早い。

Appleも、普通に使っていて熱を帯びること自体は異常ではないという立場を示している。

Macノートブックコンピュータは普通に使っていても熱を帯びることがあります。 出典: support.apple.com

問題として扱うべきなのは、重い作業をしていないのに熱い場合、熱が長時間下がらない場合、そしてバッテリーの減りが以前より明らかに速い場合の3つになる。動画の書き出しや大きなビルドの最中に熱いのは、設計どおりの挙動でしかない。切り分けの入口は「そのとき何をしていたか」と「どれくらい続いているか」の2点で、温度の数字そのものではない。

置き場所と周辺の温度を先に外す

処理を疑う前に、環境の側を1分で外しておきたい。Appleが案内している使用環境は、周辺温度が10度から35度、相対湿度は0パーセントから95パーセントで結露しないこととされている。夏の窓際や締め切った部屋は、この上限に近づくことがある。室温が高い環境では、同じ作業でも熱の逃げ場が減るため、本体の温度は上がりやすい。

置き方の注意も具体的に書かれている。通気の良い安定した作業台の上で使い、ベッドの中や枕の上、寝具類の下では使わないこと。キーボードの上に物を置かないこと。通気孔がある機種では、そこに物を入れないこと。電源アダプタはApple認定のものを使うこと。膝の上やクッションの上で使うと、底面からの放熱が布に遮られて筐体に熱がこもる。ここに当たっているなら、机の上に移すだけで体感が変わる。

外付けディスプレイに繋いでいる場合も、本体を閉じたまま積み重ねている置き方は放熱に不利になる。背面や側面が壁や書類で塞がれていないか、スタンドの素材が熱を溜めていないかを見ておきたい。ここまでを外して、なお熱いなら中で動いているものを見る段階に進む。

エネルギーの欄で当事者を名指しする

アクティビティモニタには「エネルギー」のパネルがあり、アプリごとにどれだけ電力を使っているかが並ぶ。見るべき列は3つになる。エネルギー影響は現在の消費の相対値で、低いほうが望ましい。12時間の電力は過去12時間の平均で、ノートブックだけに表示される。非スリープは、そのアプリがMacをスリープさせないようにしているかどうかを示す。

いま熱い理由を探すならエネルギー影響の降順、毎日熱い理由を探すなら12時間の電力の降順で見るのが早い。前者はその瞬間の当事者、後者は常習犯を教えてくれる。App Napの列も併せて見ておきたい。これは表に出ていないアプリの活動を抑える仕組みで、ここが無効のまま裏に回っているアプリは、見えない位置で電力を使い続けていることになる。

同じ画面の「エネルギー消費全般」には、電源接続時なら充電完了までの時間、バッテリー駆動なら残り時間が出る。残り時間が急に短くなっているときは、上位に来ているアプリが原因の候補になる。熱とバッテリーの減りは同じ電力の裏表なので、片方が動けばもう片方も動く。

CPUとGPUのどちらで出ているかを見る

エネルギーの欄で上位が分かったら、その負荷がどこにかかっているかを確かめる。CPUのパネルでは、下部にシステム、ユーザ、アイドル状態の割合が出る。ユーザ側が高いなら自分で開いたアプリが、システム側が高いならmacOS側のプロセスが動いている。アイドル状態が常に低いままなら、休んでいる時間がないという意味になる。

GPUの側は別の窓で見る。ウインドウメニューからGPUの履歴を開くと、描画の負荷が時系列で並ぶ。Appleはこの画面の使い方を、熱とバッテリーの症状に結び付けて案内している。

Macが熱を持っている、またはバッテリーの消耗が激しい場合は、GPUの動作状況を確認します。 出典: support.apple.com

地図、3D、動画の再生、スクロールの多いダッシュボードは、CPUよりGPU側に効く。CPUの欄が落ち着いているのに熱い場合は、こちらを見ていないことが多い。CPUの履歴を別窓で開いておくと、どの操作の直後に跳ねたかが分かるので、原因の画面を特定しやすくなる。

一時的な熱と、居座っている熱を分ける

裏で走る処理には、終わりがあるものと終わりがないものがある。終わりがあるのは、検索インデックスの作成、写真ライブラリの解析、バックアップ、ソフトウェアアップデートの類になる。新しいMacに移行した直後や、写真を大量に取り込んだ直後は、これらが数時間動き続ける。

Spotlightインデックス、写真解析、Time Machineバックアップ、ソフトウェアアップデートはすべて、実行中Macを温める有限のバックグラウンド作業の例です。 出典: procxray.com

判別の方法は単純で、電源に繋いだまま蓋を開けて放置し、しばらく置いてから同じ画面をもう一度見る。上位の顔ぶれが入れ替わっていれば、終わりのある処理が順番に流れていたことになる。同じプロセスが同じ位置に居座っているなら、そちらは終わりのない側なので、個別に扱う。クラウドストレージの同期、常駐している監視系の道具、自動起動するバックアップ系は、この居座る側に入りやすい。

Appleも、集中演算を要するタスクを実行していないのに熱い場合や、ファンが長時間回り続ける場合には、アクティビティモニタでCPUの状況を確認し、機能不全のプロセスがCPUを過負荷にしていないか調べるよう案内している。順番としては、環境を外し、エネルギーで名指しし、居座っているかを時間で見る形になる。

Webアプリが熱を作るときの見分け方

毎日ブラウザで仕事をしている人の場合、上位に来るのはブラウザのプロセスになることが多い。ここで「ブラウザが重い」とまとめてしまうと手が打てない。ブラウザの中で、どのページが電力を使っているかまで下りる必要がある。ブラウザ側のタスクマネージャを開くと、タブと拡張機能が別々の行として並び、メモリとCPUの使用量が出る。列見出しで並べ替えれば上位が分かる。

熱を作りやすいページには傾向がある。会議アプリの画面は、待機中でもカメラとマイクの処理を抱えることがある。自動で更新し続けるダッシュボードや監視画面は、表示が静かでも定期的に通信と再描画をしている。地図や3Dを含むページは描画側に効く。表計算や文書編集のWebアプリは、開いている書類の中身をメモリに置いたまま動く。逆に、記事や検索結果のような静的なページは、枚数が増えても発熱にはあまり効かない。

ブラウザ側には、使っていないタブを自動で無効にする設定も用意されている。非アクティブになったタブは、次に触ったときに読み込み直される。ただし、音声や動画が動いているタブ、画面共有中のタブ、入力途中のフォームを持つタブ、固定したタブは対象から外れる仕様になっている。会議アプリを固定タブに置いている人は、この設定を入れても対象にならないという点を押さえておきたい。

下がらないときに順番で試すこと

ここまでで当事者が見つからない、あるいは見つけても熱が下がらない場合は、次の順番で試す。まず、蓋を閉じてから再び開く。次に、再起動する。IntelベースのMacであれば、システム管理コントローラのリセットという手順が用意されている。Appleシリコンの機種にはこの操作がないので、再起動で代わる。ここまでやっても、負荷のない状態で熱が続くなら、ハードウェア側の確認に進む段階になる。

他社製の温度計測アプリを入れて判断しようとする人も多いが、Appleはその使い方に注意を促している。こうしたアプリは外部ケースの温度を計測しているわけではなく、ケースの温度はずっと低くなる。ハードウェアに問題があるかどうかの診断を、他社製アプリの数字だけで下さないほうがよい。数字が高く出たからといって、故障とは言えない。

ファンを搭載した機種で、回転が止まらない、あるいは異音がするといった症状が続く場合は、Appleへの問い合わせやApple Store、Apple正規サービスプロバイダでの確認が案内されている。埃の詰まりは吸気と排気の両方を妨げるため、年単位で使っている機体では放熱の条件そのものが落ちていることもある。

熱が作業の速さに跳ね返る仕組み

熱を放っておくと、体感の遅さとして返ってくる。プロセッサは内部の温度を見ながら動作の上限を調整するため、熱がこもった状態が続くと、同じ作業でも処理が伸びる。書き出しに時間がかかる、スクロールが引っかかる、文字入力が一拍遅れる、といった症状が同時に出ているなら、熱と遅さは別の問題ではなく同じ問題の裏表になる。

順番として押さえたいのは、熱を下げるために作業を止めるのではなく、熱を作っている処理を1つ止めるという形になる。上位に居座っているものを1つ外すだけで、残りの処理に回る余裕が戻る。全部のアプリを終了して様子を見る方法は、原因が分からないまま作業も止まるので、次に同じ症状が出たときにまた同じ手間がかかる。

画面の置き方を変えると熱の出どころが減る

熱を作っている当事者がWebアプリだった場合、残る問題は「常に開いたままにしている画面が多い」という構造そのものになる。タブは作業中のページと置いておきたいページを同じ列に並べるので、閉じる判断が1枚ずつ発生する。面倒なので残り、残ったページが裏で電力を使い続ける。枚数を減らす努力ではなく、置き場所を分ける形に変えると、この往復が減る。

毎日開くものをタブから出し、アプリごとに独立した窓とセッションで持たせる形にすると、常駐させるページと一時的に開くページが自然に分かれる。アプリごとに独立したワークスペースがどう組まれているかはできることにまとまっている。案件ごとにアプリの組を1つの単位として切り替える考え方はワークスペースが扱っていて、調べ物と手元の作業を同じ窓で片付ける形はターミナルにある。

同じ用途の製品を比べるなら、値段より先に、常駐時の消費と対応OSを見たほうが判断が早い。多機能な製品との違いはWaveboxとの比較に、同じくmacOSで動く製品との違いはSidekickとの比較に、無料で始められる系統との違いはFerdiumとの比較にある。手元のGmailやSlackが対象に入っているかは使えるアプリ、費用の考え方は料金で確かめられる。

いま熱いなら、机の上に移して通気を確保したうえで、アクティビティモニタのエネルギー欄を12時間の電力で並べ替えるところから始めたい。上位に居座っているものが1つ見つかれば、その1つを扱うだけで熱の総量は下がる。1回名指ししておけば、次に熱くなったときにアプリを片っ端から閉じる作業から始めずに済む。

よくある質問

MacBookが熱いのは故障のサインですか?

普通に使っていて熱を帯びること自体は異常ではない。問題として扱うべきなのは、重い作業をしていないのに熱い、熱が長時間下がらない、バッテリーの減りが以前より明らかに速い、のいずれかに当たる場合になる。アクティビティモニタのエネルギー欄で上位のアプリを確認すると、原因の当たりが付く。

冷却台や外部ファンを買えば熱は下がりますか?

放熱の条件は改善するが、熱を作っている処理は減らない。先に置き場所と周辺温度を整え、アクティビティモニタで電力を使っているアプリを特定するほうが効きが大きい。Appleは周辺温度10度から35度の場所で、通気の良い安定した作業台の上で使うことを案内している。

温度を表示するアプリの数字で故障を判断できますか?

判断材料にはしにくい。Appleは、他社製の計測アプリは外部ケースの温度を計測していないため、ハードウェアの問題を診断する目的では頼らないよう案内している。負荷がない状態で熱が続くなら、蓋の開閉と再起動を試し、それでも変わらなければ正規の窓口で確認するほうが確実になる。

ブラウザで作業していると熱くなるのはどう直しますか?

ブラウザ全体ではなく、どのページが電力を使っているかまで下りる。ブラウザのタスクマネージャで上位を確認し、会議アプリや自動更新するダッシュボードのように裏で動き続けるページを特定する。毎日開くものをタブから出して独立した窓に置くと、常駐するページ自体が減る。

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