MacBook Proのファンがうるさい|回り続ける原因を画面から絞る
MacBook Proのファンがうるさい状態は、音そのものを止める話ではなく、ファンを回させている処理を見つける話になる。ファンは熱を外に出すために回っているので、回転を抑えたいなら熱の量を減らすしかない。静音アプリや設置台を先に探す人が多いが、順番としては、いつ回り始めたのか、回り続けているのか、どのプロセスが電力を使っているのかを画面で確かめるほうが早い。この記事では、その絞り込みを上から順に並べる。
ファンが回ること自体は設計どおりの動き
MacBook Proは内部の温度を検知するセンサーを持っていて、温度が上がるとファンを回して主要な部品を冷やす。つまりファンの音は、冷却の仕組みが働いている合図になる。動画の書き出し、写真の一括処理、大きなビルド、長時間のビデオ会議のように電力を使う作業では、回転が上がるのが正常な挙動になる。
Macノートブックは、本体内部の温度変化を検知するセンサーを内蔵しています。ファンを搭載したモデルの場合、自動的にファンが作動し、重要なコンポーネントを冷却します。 出典: support.apple.com
疑うべき合図は3つに絞られる。重い作業をしていないのに回る。作業を止めてしばらく経っても止まらない。同じ作業をしていた以前より明らかに音が大きい。このどれかに当たっているなら、原因を探す価値がある。逆に、負荷の高い作業中だけ回って作業後に静まるなら、回転を無理に抑えるとプロセッサの動作上限が下がり、作業そのものが遅くなる。
うるさいと感じる場面には環境の要素もある
同じ回転数でも、周囲の静けさによって印象は大きく変わる。深夜の自室や会議室では、日中のオフィスでは気にならなかった音が耳に付く。机の天板が硬い素材だと、筐体の振動が広がって音が大きく聞こえることもある。まず、音の大きさが本当に変わったのか、聞こえる条件が変わっただけなのかを分けておきたい。
静かな空間で作業をしているとファンの動作音が聞こえやすくなるので、場所によってはうるさいと感じてしまいます。高い負荷のかかる作業や暑い空間にいないにも関わらずファンが回っているときは、システム上の問題が発生している可能性もあるので故障を疑うようにしましょう。 出典: mac.arst.jp
判断の基準は、負荷と室温の2つを外したうえで回っているかどうかになる。Appleは使用環境として周辺温度10度から35度を案内しているので、夏の締め切った部屋や直射日光の当たる窓際は、それだけでファンが回る条件を作る。エアコンを入れた部屋に移して音が変わるなら、原因の半分は環境にある。
回り続けているかを時間の軸で確かめる
次に見るのは、回転が一時的なものか常態化しているものかになる。アクティビティモニタのエネルギーのパネルには、12時間の電力という列があり、過去12時間または起動してからの平均が出る。ここで上位に来ているアプリは、その瞬間ではなく1日を通して電力を使っていたアプリになる。エネルギー影響の列がいまの当事者を示すのに対して、こちらは常習犯を示す。
表示の切り替えも使える。表示メニューから過去12時間のアプリケーションを選ぶと、その間にプロセスを動かしていたアプリだけが並ぶ。閉じたつもりで常駐していたもの、ログイン時に自動起動していたものが、ここで初めて見えることがある。非スリープの列は、Macをスリープさせないようにしているアプリを示すので、蓋を閉じても静まらない症状の手がかりになる。
もう1つ確かめたいのが、終わりのある処理かどうかになる。移行直後やアップデート直後は、検索インデックスの作成、写真ライブラリの解析、バックアップが順番に流れる。これらは時間が経てば終わるので、電源に繋いだまましばらく置いてから同じ画面を見直すと、上位の顔ぶれが入れ替わる。同じプロセスが同じ位置に居座っているなら、そちらは個別に扱う対象になる。
CPUの欄でシステムとユーザを分ける
CPUのパネルを開くと、下部にシステム、ユーザ、アイドル状態の割合が出る。ユーザ側が高いなら自分で開いたアプリが原因で、システム側が高いならmacOS側のプロセスが動いている。Appleはこのパネルについて、通常はプロセッサの処理能力がわずかしか使われていないと説明している。アイドル状態が常に低いままなら、休む時間がない状態が続いているという意味になる。
プロセスの一覧では、列見出しを押して並べ替える。CPU欄で降順にしたとき、1つのプロセスが100パーセントを超えて表示されることがあるが、これは複数のコアを使っているためで、それだけでは異常と言えない。判断は割合の高さではなく、その処理が何をしているか、そして止まる見込みがあるかで下す。表示を階層で見ると、そのプロセスが別のプロセスに属しているかが分かるので、どのアプリが呼び出したのかを辿れる。
原因のプロセスが特定できて、かつ応答していない場合は、アクティビティモニタから終了できる。終了は安全に終われるときに終わる操作で、強制終了は即座に止める操作になる。強制終了はファイルを開いているとデータを失う可能性があるので、順番としては通常の終了を先に試す。アプリ本体が原因なら、そのアプリを再起動するだけで静まることが多い。
ブラウザと会議が同時に走っているときの実像
毎日ブラウザで仕事をしている環境では、上位に来るのがブラウザのプロセスになることが多い。ここで「ブラウザが重い」で止めると手が打てないので、どのページかまで下りる。ブラウザのタスクマネージャを開くと、タブと拡張機能が別々の行で並び、メモリとCPUの使用量が出る。列見出しで並べ替えれば上位が分かり、名前を見れば拡張機能かタブかも判別できる。
回転を長引かせやすいのは、会議アプリの画面、自動で更新し続けるダッシュボード、地図や3Dを含むページ、表計算や文書編集のWebアプリになる。会議アプリは待機中でもカメラとマイクの処理を抱えることがあり、通話が終わってもタブを閉じていなければ動き続ける。ダッシュボードは表示が静かでも定期的に通信と再描画をしている。読み物や検索結果のような静的なページは、枚数が増えてもファンにはあまり効かない。
ブラウザ側には、使っていないタブを自動で無効にする設定がある。非アクティブになったタブは次に触ったときに読み込み直される。ただし、音声や動画が動いているタブ、画面共有中のタブ、入力途中のフォームを持つタブ、固定タブは対象から外れる仕様になっている。会議アプリを固定タブに置いているなら、この設定を入れても対象にならない。
外部ディスプレイを繋いだときの負荷は描画側に出る
外付けディスプレイを足したあとから回転が増えた場合、負荷はCPUではなく描画側に出ていることが多い。解像度の高いディスプレイを複数枚つないでいると、同じ作業でも描画の量が増える。CPUのパネルが落ち着いているのに回っているときは、こちらを見ていないことが多い。
確かめ方は、ウインドウメニューからGPUの履歴を開くだけになる。Appleはこの画面の使い方を、熱とバッテリーの症状に結び付けて案内している。
Macが熱を持っている、またはバッテリーの消耗が激しい場合は、GPUの動作状況を確認します。 出典: support.apple.com
棒が高いまま続いているなら、描画の量を減らす手当てに移る。背景を動くものにしない、スクロールの多いダッシュボードを常時表示しない、使っていないディスプレイの接続を外す、という3つで体感が変わることがある。
通気と埃は放熱の条件そのもの
ファンが同じ仕事をするのに必要な回転数は、空気の通り道の状態で変わる。Appleは、通気の良い安定した作業台の上で使うこと、ベッドの中や枕の上、寝具類の下では使わないこと、キーボードの上に物を置かないこと、通気孔に物を入れないことを案内している。膝の上やクッションの上で使っていると、放熱が布に遮られて回転が上がる。
年単位で使っている機体では、吸気口と排気口に埃が溜まって排熱が落ちることがある。同じ作業でも以前より早くファンが回り始める、回り始めると音が大きい、という変化は、放熱の条件が落ちたときの典型になる。筐体を開けて掃除する作業は保証や防水の扱いに関わるので、自分で分解せず、Apple Storeや正規サービスプロバイダに持ち込む形が無難になる。
電源アダプタも見ておきたい。Appleは認定のアダプタを使うよう案内している。給電が不安定だと充電の制御が何度も走り、その分の熱が乗る。外付けディスプレイに繋いで本体を閉じたまま積み重ねている置き方も、放熱には不利になる。
止まらないときに試す順番
ここまで見て当事者が見つからない、あるいは見つけても回転が止まらない場合は、順番を決めて試す。まず蓋を閉じてから再び開く。次に再起動する。IntelベースのMacであれば、システム管理コントローラのリセットという手順が用意されている。Appleシリコンの機種にはこの操作がなく、再起動が代わりになる。負荷のない状態で回転が続くなら、ファンの異常回転を確認する段階に進む。
他社製の温度計測アプリで判断しようとする人も多いが、Appleはそうしたアプリが外部ケースの温度を計測しているわけではないと注意を促していて、ハードウェアの診断をそれだけに頼らないよう案内している。数字が高く出たからといって故障とは言えない。音に異音が混じる、回転が一定でない、負荷と無関係に最大付近で回り続けるといった症状が続くなら、正規の窓口で確認するほうが確実になる。
やってはいけないのは、回転数を手動で下げて音だけを消すことになる。熱が逃げない状態が続くと動作の上限が下がり、同じ作業に時間がかかる。音は症状で、原因は処理と放熱の2つしかない。
常駐する画面を整えると回転の総量が減る
原因がWebアプリだった場合、残るのは「常に開いたままの画面が多い」という構造になる。タブは作業中のページと置いておきたいページを同じ列に並べるので、閉じる判断が1枚ずつ発生する。面倒なので残り、残ったページが裏で電力を使い続ける。枚数を数える努力ではなく、置き場所を分ける形に変えると、この往復が消える。
毎日開くものをタブから出して、アプリごとに独立した窓とセッションで持たせると、常駐させるものと一時的に開くものが自然に分かれる。アプリごとに独立したワークスペースの考え方はできることにまとまっていて、案件ごとにアプリの組を切り替える形はワークスペースが扱っている。調べ物と手元の作業を同じ窓で片付ける形はターミナルにある。
同じ用途の製品を比べるなら、機能の数より先に常駐時の消費と対応OSを見たほうが判断が早い。多機能な製品との違いはWaveboxとの比較、無料で始められる系統との違いはRamboxとの比較、macOS向けに作られた製品との違いはSidekickとの比較にある。手元のGmailやSlackが対象に入っているかは使えるアプリ、導入前に引っかかる点はよくある質問で確かめられる。
いまファンが回っているなら、机の上に移して通気を確保したうえで、エネルギーのパネルを12時間の電力で並べ替えるところから始めたい。上位に居座っているものを1つ外せば、回転の総量は下がる。1回名指ししておけば、次に音が気になったときにアプリを片っ端から閉じる作業から始めずに済む。
よくある質問
ファンが回るのは故障ですか?
回ること自体は冷却の仕組みが働いている合図になる。MacBook Proは内部温度のセンサーを持ち、温度が上がるとファンを回して部品を冷やす。疑う目安は、重い作業をしていないのに回る、作業を止めても止まらない、以前より明らかに音が大きい、のいずれかに当たる場合になる。
ファンの回転数を下げるアプリを入れれば静かになりますか?
音は小さくなるが、熱が逃げない状態が続くとプロセッサの動作上限が下がり、同じ作業に時間がかかる。先に見るのはエネルギーのパネルで、12時間の電力の列で上位に来ているアプリを特定するほうが効きが大きい。回転は原因ではなく結果になる。
埃の掃除は自分でやってよいですか?
筐体を開ける作業は保証や防水の扱いに関わるため、自分で分解しない形が無難になる。同じ作業で以前より早くファンが回り始めるなら放熱の条件が落ちている可能性があるので、Apple Storeや正規サービスプロバイダで確認するとよい。周囲の通気を確保するだけでも回転は変わる。
ビデオ会議のたびに回るのは避けられますか?
会議中に回るのは負荷に対する正常な反応になる。減らせるのは会議以外の負荷で、会議中に自動更新するダッシュボードや動画のタブを同時に開かない、通話が終わったら会議アプリの画面を閉じる、という2点が効く。会議アプリを固定タブに置くと自動で無効化されないので、置き場所も見直したい。