Operaの評判はChromeと並べると分かる|仕事で使う人の判断材料

Operaというブラウザの評判を調べると、「タブの整理が強い」「機能が多すぎる」「軽い」「重い」と、正反対の評価が並んで出てきます。どれも嘘ではなく、評価している場面が違うだけです。Gmail・Slack・Notion・管理画面を毎日行き来する使い方に限って見ると、判断に効く項目は数個しかありません。この記事では、その数個をChromeと同じ土俵に並べて、どちらが自分の詰まりに当たっているのかを決められる形にします。

評判が割れるのは、評価している場面が違うから

ブラウザの評価が割れる原因は、書き手が想定している1日の形が共有されていないことにあります。ニュースと動画を見る人にとってのブラウザと、業務のツールを8種類抱えている人にとってのブラウザは、求められる性質が別物です。

前者にとって重要なのは、ページが速く開くこと、広告が邪魔をしないこと、安全であることです。この軸で見ると、広告ブロッカーとVPNを標準で積んでいるOperaの評価は高く出ます。対して後者にとって重要なのは、開きっぱなしの40枚から目当ての1枚を1秒で選べること、裏に置いたタブが勝手に読み込み直されないこと、同じサービスに2つのアカウントで同時に入れることです。この軸では、広告ブロッカーもVPNも判断材料になりません。

さらに話をややこしくしているのが、Operaという名前が指すものが1つではないことです。Operaは現在、通常のOperaブラウザのほかに、Opera Air、ゲーム向けのOpera GX、モバイル向けのOpera Mini、そして自動処理を前面に出したOpera Neonを並べています。ゲーム向けの製品の評判を読んで「仕事には向かない」と結論を出すのは、読んだ対象が違うだけという場合があります。以下はすべて、通常のOperaブラウザについての話です。

標準で入っている機能の差を、先に並べる

OperaとChromeは、土台が同じです。Operaの開発者向け資料は、OperaがChromiumを土台にしており、Chrome用の拡張機能のファイル形式であるCRXをそのまま動かせると明記しています。土台が同じということは、表示の互換性で悩む場面はほぼ無く、Chrome用の拡張機能もそのまま入るということです。Operaの製品ページは、自社のアドオンが2,500以上あり、それに加えてChromeの拡張機能も使えると書いています。つまり乗り換えを検討する理由は、速度でも互換性でもなく、標準で積んでいる機能の差だけになります。

項目 Opera Chrome
タブの自動グループ化 タブアイランドが既定で有効 手動のタブグループ
上位の入れ物 ワークスペースをサイドバー上部で切り替え プロファイルごとに別ウィンドウ
縦タブ 標準で切り替え可能 標準で切り替え可能
チャットの常駐 サイドバーに主要メッセンジャーを内蔵 標準では無し
広告ブロック 標準搭載 拡張機能で追加
VPN 無料VPNを標準搭載。端末全体はVPN Proが有料 標準では無し
ログインの分離 ワークスペース単位では分離されない プロファイル単位で分離
料金 ブラウザ本体は無料 無料

この表で仕事に効くのは、上から2行目と下から2行目です。残りは快適さの話で、成果には直結しません。

タブアイランドとタブグループは、似ていて働きが違う

Operaのタブアイランドは、リンクをクリックして開いたタブを、元のタブと同じ島に自動でまとめる仕組みです。調べ物の枝分かれが視覚的につながったまま残るので、参照元を見失いません。Operaの機能ページは、この自動性を前面に出しています。

タブは1つあれば十分だ。Operaでは、タブが自動的にグループ化されるため、最初からアイデアを整理するスペースが確保される。設定は不要だ。 出典: opera.com

操作は覚えることが少なく、タブの右側の「+」で新しい島を作り、色付きのハンドルをクリックで折りたたみ、ハンドルにカーソルを合わせれば名前と色を変えられます。自動でまとめる挙動が合わない場合は、右上の簡単設定から「タブアイランドを自動的に作成する」を切り替えれば止まります。

Chromeのタブグループは、まとめる操作を人がやる代わりに、まとめた結果が同じアカウントの他の端末にも同期されます。便利な反面、片方の端末でグループを消すともう片方からも消えるという副作用があり、整理のつもりの操作が別の端末への破壊的な操作になります。

仕事の観点で見たときの差は、自動か手動かではありません。どちらの機能も、調べ物には強く、毎日同じ8枚に戻る使い方には弱いという点で共通しています。毎日戻るツールには親タブが無く、文脈も枝分かれもないので、自動でまとまる材料がそもそも存在しないからです。

ワークスペースが分けるもの、分けないもの

Operaのワークスペースは、タブアイランドの1つ上の入れ物です。サイドバーの上部に並び、ワンクリックかホットキーで切り替わり、名前とアイコンを付けられ、使わないものは非表示にできます。公式の説明は、対象をはっきり書いています。

タブを別々のワークスペースに保管し、好きなようにブラウジングを整理できます。 出典: opera.com

保管されるのはタブです。ここに、評判を読むときに最も誤解されやすい線があります。ワークスペースを「取引先A」「取引先B」と名付けても、それぞれが別のログイン状態を持つわけではありません。Cookieやセッションはブラウザのプロファイル単位で共有されているため、同じサービスに入れるアカウントは、どのワークスペースにいても1つです。

Chromeのプロファイルは、ここを分けます。Googleのヘルプは次のように説明しています。

プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com

代わりにプロファイルはウィンドウ丸ごとで、それぞれが自分のタブ列を持ちます。4つのプロファイルを開けば、見分けの付かないウィンドウが4枚並ぶことになり、散らかりが1階層上に移動しただけという状態になりがちです。整理の問題とログインの問題は、別々の道具で解くしかないというのが、この2つを並べたときの結論です。

サイドバーのメッセンジャーは、Chromeには無い部分

Operaで仕事に直接効く機能を1つ挙げるなら、サイドバーのメッセンジャーです。チャット系のサービスをタブではなくサイドバーのパネルに常駐させられます。macOS向けのページには、対応するサービスが並んでいます。

ブラウジングしながら友達とチャットできる。 出典: opera.com

同じページに挙げられているのは、Facebook Messenger、WhatsApp、Discord、Bluesky、Slack、Telegramです。仕事で効くのはSlackとTelegramあたりで、残りは私用の連絡に向きます。

タブ列に置いたチャットは、他のタブに押されて埋もれ、見に行くたびに今見ているページを手放すことになります。サイドバーのパネルはページの横に開くので、この2つのコストが消えます。最も見に行く回数が多い1つをここに移すだけで、体感はかなり変わります。

制限も同じ場所にあります。パネルに置けるアカウントは、サービスごとに1つです。取引先ごとにSlackのワークスペースを3つ持っている場合、サイドバーに入るのは1つで、残りはタブに戻ります。クライアントのSNSアカウントを預かっている場合も同様です。ここでも、分けたいのがタブなのかアカウントなのかで、選ぶ道具が変わります。

眠ったタブと通知の取りこぼしは、銘柄では変わらない

仕事で実害が出るのは、タブの見た目ではなく裏側の挙動です。土台が同じである以上、裏に回ったタブの動きを抑える仕組みも、メモリを回収するために眠らせる仕組みも、どちらのブラウザにも入っています。症状は同じで、朝から開いたままのタブをクリックすると再読み込みが走り、書きかけの内容が消えます。

対処も同じ順番になります。眠らせる設定を見つけ、絶対に読み込み直されては困るサービスを2つか3つ選び、個別に除外する。そのうえで、しばらく放置した後に通知が本当に届くかを試す。眠ったタブは、見た目には起きているのに通知だけが止まっていることがあるためです。この確認に5分かければ、誰かを待たせる事故はかなり減ります。

サイドバーのパネルがここで有利になるのは、パネルが裏のタブではないからです。タブが静かになった後もチャットが届き続ける傾向があり、これは銘柄を問わず「いちばん大事な1つはタブに置かない」という判断につながります。窓として扱われているものは、タブとして捨てられません。

乗り換えの費用を、先に見積もる

ブラウザの乗り換えで実際にかかるのは、時間です。ブックマークとパスワードのインポート、拡張機能の入れ直し、業務システムの動作確認、そして新しいキー操作に指が慣れるまでの数日。Chrome用の拡張機能がそのまま動くため入れ直しは軽い部類ですが、社内システムが特定のブラウザを前提にしている場合は先に確認が要ります。

費用を抑える現実的な進め方は、置き換えではなく併用です。今のブラウザはそのまま残し、ワークスペース1つ分のタブだけをOperaに移して1週間使う。1週間後の不満が「目当てのタブが見つからない」であれば、それは解けています。不満が「2つ目のアカウントの置き場所が無い」であれば、タブの整理では届かない領域なので、別の道具を見る段階です。

同期についても押さえておくとよい点があります。無料のOperaアカウントで端末間の同期ができ、Flowでファイルやリンクを端末間に送れます。macOSとiPhoneを併用しているなら、この2つは移行のつまずきを減らします。

窓の数で考え直すと、判断が変わる

ここまでの整理を一枚にすると、詰まりは3種類に分かれます。タブが多すぎて見失う、同じサービスに2つのアカウントで入れない、裏のタブが眠って状態が消える。Operaのワークスペースとタブアイランドは1つ目に強く、Chromeのプロファイルは2つ目に効き、3つ目はどちらも設定で凌ぐ形になります。

3つすべてを同じ場所で解こうとすると、タブという単位そのものが枷になります。macOSが並べ替えや切り替えの対象にしているのはウィンドウであって、タブはOSから見えません。毎日戻る道具をタブに沈めている限り、OS側の仕組みは1つも使えないということです。アプリごとに独立したワークスペースという考え方は、ここを起点にしています。サービスごとに窓とログイン状態を分けてしまえば、1つ目と2つ目が同時に解け、窓はタブと違って勝手に捨てられないため3つ目も軽くなります。

この形で何ができるのかはできることに一覧があり、サービスごとに入れ物を分ける考え方そのものはワークスペースで説明されています。同じ分野の製品は料金と通知の扱いで差が出るため、Waveboxとの比較を先に読むと、自分の詰まりに当たっているかどうかが早く分かります。無料のブラウザで足りるのか、費用を払う価値があるのかを決めるには、料金で金額を確認してから、上で挙げた1週間の併用を試すのが順番として無駄がありません。

よくある質問

Operaは無料ですか?

ブラウザ本体は無料です。ワークスペース、タブアイランド、サイドバーのメッセンジャー、広告ブロッカー、無料VPN、ブラウザAIはいずれも料金がかかりません。有料なのは、VPNをブラウザの外まで広げるVPN Proの契約で、タブやワークスペースの機能は支払いの対象外です。

Chromeの拡張機能はOperaでも使えますか?

使えます。OperaはChromiumを土台にしており、開発者向け資料にもCRXファイルを動かせると書かれています。Operaの製品ページは自社のアドオンが2,500以上あると案内しており、それに加えてChromeの拡張機能も入ります。業務に必須のものは、乗り換え前に1つずつ動作を確かめておくと安全です。

ワークスペースを分ければ、同じサービスに2つのアカウントで入れますか?

入れません。ワークスペースが分けるのはタブであって、CookieやログインのセッションはOperaのプロファイル単位で共有されます。同じサービスに2つのアカウントで同時に入るには、プロファイルを分けるか、サービスごとに入れ物を分ける仕組みを持つ道具が必要です。

Operaに乗り換えると、Macの動作は軽くなりますか?

大きくは変わりません。土台の仕組みが同じため、同じ枚数のタブを開けば消費する資源も近い水準になります。変わるのは探しやすさで、動作の重さは開いているページの数と中身で決まります。50枚で重くなるMacは、銘柄を替えても50枚で重くなります。

記事一覧へ戻る