Vivaldiのワークスペースの選び方|条件の見方

Vivaldiのワークスペースは作るのが簡単なぶん、増えすぎて選ぶのが面倒になる、という形で詰まる。境界をどこに引くか、いくつ作るか、どの順番に並べるか。この3つを決めずに作り始めると、半年後にはサイドバーにワークスペースが並んでいるのに、結局いつも同じ1つで作業している状態になる。選び方の条件は、好みではなく切り替えの回数から逆算すると決まる。

作る前に、何を基準に分けるかを1つ選ぶ

ワークスペースの境界の引き方は、実務上は3通りしかない。

  • 相手で分ける。取引先A、取引先B、社内。同じ相手に関わるものは、作業の種類が違っても同じ場所に入る
  • 作業の種類で分ける。書く、調べる、経理、採用。相手をまたいでも、やっていることが同じなら同じ場所に入る
  • 時間で分ける。午前の定型作業、午後の集中作業、週末の私用

どれが正しいということはないが、混ぜると破綻する。取引先Aのワークスペースと経理のワークスペースが両方あると、Aへの請求書はどちらに置くのかが毎回判断になる。判断が毎回発生する分け方は、整理ではなく負担になる。

選ぶ基準は、自分の作業が何で中断されるかで決まる。人から声がかかって中断されることが多いなら相手で分けるほうが合う。自分の集中の切れ目で作業が変わるなら、種類で分けるほうが合う。1日を眺めて、切り替えのきっかけになっているのがどちらかを見ると、基準が決まる。

数は、指が届く範囲で決める

公式ヘルプは、切り替え方法として7通りを挙げている。ワークスペースメニューから選ぶ、クイックコマンドで名前や次へ・前へを打つ、ボタンの上にカーソルを置いてホイールを回す、キーボードショートカット、マウスジェスチャー、ウィンドウパネルでタブをダブルクリック、メインメニューのWindowから選ぶ、である。

このうち日常で速いのはキーボードショートカットだが、ここに数の上限が隠れている。ショートカットは並び順の番号に割り当てられているため、4つを超えたあたりから、押す前に「あれは何番だったか」を思い出す必要が出てくる。思い出す動作が入った時点で、キーボードの速さは失われる。

したがって、毎日行き来するワークスペースは3〜5個に収め、それを超える分は別の扱いにするのが現実的な線になる。月に数回しか開かないものは、ワークスペースにせずセッションとして保存する。半年に一度のものはブックマークのフォルダで足りる。ワークスペースは、指が覚える範囲の道具だと考えると数が決まる。

切り替え方法を1つに絞っておくことも、数を決めるうえで効く。メニュー、クイックコマンド、ホイール、ショートカット、ジェスチャーと選択肢が並んでいると、状況によって使い分けてしまい、どれも手に馴染まないまま終わる。普段はショートカット、数が多いときだけクイックコマンドで名前を打つ、というように主と従を決めておくと、数の上限も自然に見えてくる。

数を減らす判断が難しい場合は、ワークスペースメニューに表示されるタブ数が手がかりになる。タブが1つか2つしか入っていないワークスペースは、たいてい切り替える価値がない。ウィンドウパネルを開くと、各ワークスペースのタブ数とタブスタック数がまとめて出るので、棚卸しはそこで行える。

並び順は番号に直結するので、先に固定する

新しいワークスペースは一覧の一番下に追加され、ドラッグで並べ替えられる。ここで見落とされやすいのが、並び順を変えるとキーボードショートカットの番号も一緒にずれるという点だ。

Use Keyboard Shortcuts. If you know the order of the workspaces, use Ctrl+Shift / ⌘ ⇧ and the number of the workspace, for example, Ctrl+Shift+3. 出典: help.vivaldi.com

つまり、番号は名前ではなく位置に付いている。あとから2番目に新しいワークスペースを差し込むと、それ以降の番号が全部1つずつ後ろにずれる。指が覚えていた操作が、ある日から別の場所を開くようになる。

対策は単純で、並び順を先に決めて、以後は末尾にしか足さないことだ。使用頻度の高い順に上から並べ、1番には1日で最も長くいる場所を置く。順番に意味を持たせておくと、番号を思い出す代わりに「上から何番目か」で思い出せるようになる。あるいは、次へ・前へのショートカットだけを使い、番号を一切覚えない方針に倒す手もある。この場合は並び順が移動の距離になるので、関係の近いワークスペースを隣に置く。

名前とアイコンは、読むためではなく見分けるために付ける

作成時に名前とアイコンを決める。アイコンにはカスタム絵文字も使える。ここで長い名前を付けると、切り替えのたびに読む動作が発生する。目的は読むことではなく、視界の端で見分けることなので、短いほうが効く。

  • 名前は、他と1文字目が重ならないようにする。取引先AとAナントカが並ぶと、読まないと区別できない
  • アイコンは、形が違うものを選ぶ。似た色の丸が並ぶと、色だけでは見分けられない
  • 迷ったら、名前より先にアイコンで区別できるかを確かめる。ワークスペースボタンの見た目で判断できれば、メニューを開く動作がなくなる

ボタンそのものの置き場所も選べる。公式の説明では、ワークスペースボタンはタブバー、アドレスバー、パネル、ステータスバーのいずれにも置ける。視線の動きを短くしたいなら、タブを見る位置の近くに置くのが合理的だ。縦型のタブバーを使っている場合、ワークスペースボタンは一覧の一番上に出る。

ワークスペースにしないものを決めておく

選び方の半分は、何を入れないかで決まる。入れない基準は3つある。

1つ目は、ログインを分けたいものだ。ワークスペースを分けてもCookieは共有されるため、同じサービスに別のアカウントで同時に入ることはできない。これはユーザープロファイルの担当になる。

2つ目は、常に通知を受け取りたいものだ。ワークスペースを切り替えると、そのワークスペースのタブだけが表示される。裏に回ったタブが動き続けるかどうかは、タブの休止設定や各サービスの作りに左右される。通知の取りこぼしを避けたいサービスは、ワークスペースの奥に置かないほうが安全になる。

3つ目は、一時的な調べものだ。1時間で終わる調査のためにワークスペースを作ると、終わったあとに消す作業が増える。作ったものを消す手間まで含めて考えると、一時的なものはタブスタックで束ねて、終わったらまとめて閉じるほうが早い。

なお、プライベートウィンドウでワークスペースを作った場合の扱いは、公式に明記されている。

ブラウザを閉じると、ワークスペースは自動的に保存されます。プライベートウィンドウで作成されたワークスペースは、プライベートウィンドウが閉じられると同時に削除されます。 出典: vivaldi.com

残ってほしい束をプライベートウィンドウで作らない、という一点だけ押さえておけばよい。

作り方は2通りあり、選ぶ順番が変わる

新規に作る場合は、ワークスペースボタンからNew Workspaceを選び、空の状態で作るか、いま開いているタブを移すかを選んでから、名前とアイコンを付けて確定する。クイックコマンドでCreate New Workspaceと打っても同じことができ、この動作にショートカットやマウスジェスチャーを割り当てることもできる。

すでに開いているタブから作る場合は、対象のタブを選択して右クリックし、Move、Workspace、Create Workspace with Selected Tabsの順に進む。散らかった状態から整理を始めるなら、こちらのほうが順番として自然だ。先に器を作ってから中身を移すより、いまある塊を見て境界を決めるほうが、実態に合った分け方になりやすい。

どちらで作るかは、いまタブが何個開いているかで決めればよい。数個なら器から作る。30個を超えているなら、まず選択して切り出す。切り出してみて、どの束にも入らないタブが大量に残った場合、それは境界の引き方が実態と合っていない合図になる。

決めたあとに、中身を動かす手順

境界の引き方は、一度決めても実際に使うと少しずれる。ずれたときに直す手順を知っておくと、作り直しではなく調整で済む。

名前を変えるには、ワークスペースメニューを開いて対象を右クリックし、Rename Workspaceを選んで打ち直す。ウィンドウパネル上でも、名前をゆっくり2回クリックするか、右クリックからRenameを選べば変えられる。アイコンを差し替える場合は、メニューを開いてアイコンをクリックし、新しいものを選ぶ。

タブを別のワークスペースへ移す方法は2通りある。ウィンドウパネルを開いて、移動元と移動先のワークスペースを展開し、タブをドラッグして落とす方法が1つ。もう1つは、タブを右クリックしてMoveからWorkspaceを選び、移動先を指定する方法だ。複数のタブを選んでからまとめて動かせるので、境界を引き直すときは選択してから動かすほうが速い。

この2つの手順が分かっていれば、最初の設計を完璧にする必要はなくなる。使いながら寄せていけばよいからだ。逆に、移動の手順を知らないまま作ると、間違えたときに作り直す心理的な負担が生まれ、結果として使いにくい配置のまま放置されることになる。

決めたあとに、1週間だけ数えてみる

条件を決めて作ったら、1週間だけ切り替えの回数を意識してみるとよい。判断の材料が、好みから実測に変わる。

見るのは3つだけだ。1日に何回切り替えたか。切り替えたあとに探しものをしたか。切り替えずに済ませた作業がどれだけあったか。3つ目が多い場合、そのワークスペースは分ける必要がなかったことになる。逆に、1つのワークスペースの中でタブを探す時間が長いなら、その中をさらに分ける余地がある。

ここで見つかる限界もある。ワークスペースはあくまで1つの窓の中の表示の切り替えなので、窓そのものの配置や、アプリ切り替えのキーで直接目的の画面へ飛ぶことはできない。macOSのCommand+Tabで着くのはブラウザ全体までで、そこからワークスペースを選ぶ操作が別に必要になる。この歩数を減らしたい場合は、分ける単位を窓に上げる考え方が近い。窓を単位にした整理はワークスペースに整理してある。

常駐させたいサービスが多い場合は、どのサービスを常に開いたままにするかという選び方が別に要る。アプリごとに独立したワークスペースという考え方で並べるとき、対象になりやすいサービスは使えるアプリにまとまっている。同じ問題を、タブではなくアプリの単位で解いている製品を横に見たい場合はWaveboxとの比較が近く、導入前に確認されることの多い点はよくある質問に並んでいる。

よくある質問

Vivaldiのワークスペースは、いくつまで作るのが現実的ですか?

毎日行き来するものは3〜5個に収めるのが目安です。切り替えのキーボードショートカットは並び順の番号に割り当てられているため、数が増えるほど押す前に番号を思い出す動作が入り、キーボードの速さが失われます。月に数回しか使わない束はワークスペースにせず、セッションとして保存しておくと選択肢を増やさずに済みます。

相手ごとに分けるのと、作業の種類で分けるのはどちらがよいですか?

自分の作業が何で中断されるかで決まります。人から声がかかって作業が切り替わることが多いなら相手ごと、自分の集中の切れ目で作業が変わるなら種類ごとが合います。大切なのは混ぜないことで、両方の基準が並んでいると、どちらに入れるかの判断が毎回発生して負担になります。

ワークスペースの並び順を変えても大丈夫ですか?

並べ替え自体はドラッグでできますが、キーボードショートカットの番号は名前ではなく位置に付いています。途中に差し込むと、それ以降の番号が1つずつずれて、指が覚えていた操作が別の場所を開くようになります。順番を先に決めて以後は末尾にだけ足すか、次へと前へのショートカットだけを使う方針にすると混乱しません。

プライベートウィンドウで作ったワークスペースは残りますか?

残りません。公式の説明どおり、通常のワークスペースはブラウザを閉じても自動的に保存されますが、プライベートウィンドウで作成したワークスペースはそのウィンドウを閉じた時点で削除されます。あとで使いたい束は、プライベートウィンドウ以外で作っておく必要があります。

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